著者
高木 秀彦 水野 政司 郷原 一寿
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.422-430, 1994-02-25
被引用文献数
11

リカレントニューラルネットワークに複数の時系列入出力パターンが連続的に提示される場合に適用可能な,時間前向き計算による教師あり学習法を提案し,計算機実験によってその有効性を示す.更に,学習過程および学習結果の解析を行い,提案する学習法により所望の時系列入出力パターンの変換を満たすアトラクタが状態空間に形成されることを示す.そして,リカレントニューラルネットワークにより時系列パターンの変換を行うためには,時系列入出力パターンに対応したアトラクタを考慮することが重要であることを指摘する.
著者
前原 洋祐 川原 宏太 塩谷 浩之 郷原 一寿
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.500, pp.13-17, 2007-01-18

フーリエ反復アルゴリズムは位相回復の有効な手法として用いられており,最急降下法と対応付けられている.最急降下法に基づいた機械学習においては,複数の学習済みの予測機械を組み合わせるアンサンブル学習法が汎化能力の向上に有効である.本研究では,アンサンブル学習の枠組みを位相回復法に適応し,その有効性について検討する.
著者
塩谷 浩之 郷原 一寿 渡邉 真也 渡邉 真也
出版者
室蘭工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題では,情報量を基盤とした位相回復法の理論構築・解析を行い,さらに,非周期的な物質構造の解析に貢献するために,回折パターンからの高効率な物質構造復元手法の確立を目的とし,情報数理による位相回復法を対象とした基礎理論と応用研究を行うことである.位相問題において,不完全な実・逆空間の拘束条件が与えられた場合には,実像となる解の不定性や収束に至らない不安定性がある.このような不定な条件のもとでは,弱い意味での位相回復解を求めていく必要がある.そこで,実空間における弱解群の分布を求めることで,その解集合の性質を明らかにした.逆空間における不完全さとしての条件として,量子ノイズを含む回折パターンに着目した.実空間上のノルム体積有限なすべての関数で構成される関数空間を設定し,実像間の情報量解析において用いる分布間情報量を導入することで,弱位相回復解が球殻に分布することを見出した.そのアンサンブル平均が適切な解を与えており,ノイズ回折パターンからの単一な位相回復では,その平均解が得られないことを明らかにした.画像復元,特に位相問題がからむ回折イメージングにおいて,解となる像の分布に着目したのは我々が初めてであり,この研究成果は米国の光学専門の論文誌(OSA)に採録された.
著者
山本 裕二 工藤 和俊 山田 憲政 北原 俊一 平田 智秋 宮崎 真 平川 武仁 木島 章文 奥村 基生 郷原 一寿 門田 浩二 山際 伸一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,様々なスポーツ技能の生成機序を力学系の観点から統合的に理解することを目的とした.その結果,ブランコ漕ぎの協応パタンは振り子の等時性にほぼかなっていること,音に合わせたダンスでは,運動周波数が高い場合でも熟練者は逆相同期を維持できること,卓球では技能水準を切替ダイナミクスのフラクタル次元で評価できること,剣道では二者間距離によって詰め引き速度の相対位相が切り替わること,タグ鬼ごっこでは,学習に伴い両者の詰め引き速度の相対位相が逆相同期になること,サッカーの3対1ボール保持課題における三者の連携パタンは,技能レベルによって環状連結振動子における対称性のホップ分岐理論で予測されるパタンを示すこと,サッカーゲームのパス行動にはベキ則が見られることなどを明らかにした.