著者
河口 万由香 伊達 惇 望月 紀寿
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, 1989-03-15

近年,ヒューマンインタフェースの立場から,個人差を考慮したユーザモデル構築の必要性が唱えられている.ユーザモデルの研究はソフトウェア毎の相違を強調する側面と共通な部分を追求する側面がある.本研究では,初めて利用するシステムの使い方を学習する際の個人差と,それを表す指標および構成要素を探すことを目的として,そのための手段として打鍵情報記録ソフトウェアを開発した.
著者
工藤 康生 村井 哲也 伊達 惇
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.108-117, 1999-08-15

可能性理論の枠組において信念更新を正確に定式化する.信念更新は世界の動的な変化に対応して所有する情報を変更する操作を定式化し, その理論的な性質を扱う.Katsuno and Mendelzonは論理的枠組における信念更新の操作として更新および消去, 対称的消去の3種類の操作を提案している.Dubois and Pradeは論理的枠組における更新の操作を, また, Kudoは論理的枠組における消去の操作をそれぞれ可能性理論の枠組で表現しているが, 定式化に不正確な部分が多い.本論文では, Dubois and Pradeによる可能性理論における更新の定式化では更新の結果が常に構成できるとは限らないことを指摘し, 可能性理論における更新を正確に再定式化することで, この問題点を解決した.また, 消去の操作および対称的消去の操作を可能性理論の枠組で新たに定式化し, 動的な世界の変化によって所有する情報を失う場合の極小変化として特徴付けた.更に, 不確実な情報に基づく信念更新を提案し, 対称的消去は不確実な入力に基づく信念更新における本質的な操作であることを例示した.
著者
野中 秀俊 伊達惇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.268-274, 1990-02-15
被引用文献数
4

新しいポインティング装置として慣性マウスを提案し その試作を行い その有効性を検討した.慣性マウスは通常のマウスに拡張機能として慣性機能を付加したもので 近年マウスがパーソナルコンピュータやワークステーションの入力装置として急速に普及し 操作性向上の必要性が高まっていることに応えるものである.慣性機能は人間の自然な動作に整合した機能であるため この機能を使いこなすために特に練習を行う必要がなく また既存のハードウェアやアプリケーション・ソフトウェアを変更することなく実現することができる.この慣性マウスをパーソナルコンピュータ上のデバイスドライバとして設計・試作した.本論文ではその効用について説明すると共に 被験者を用いた実験を行うことにより ユーザがどの程度この機能を活用するかを調べ その活用度・有効性を検証した結果を紹介する.
著者
田中 章 今井 英幸 宮腰 政明 伊達 惇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.819-825, 1996-05-25
参考文献数
6
被引用文献数
40

Mallatにより提案された多重解像度解析は, 関数空間を解像度の異なる部分空間列により表現する. 各部分空間は一つ解像度の低い部分空間と, その補空間の直和として表現される. Mallatはこれを直交ウェーブレットとスケール関数を用いて記述した. 本論文は, 離散化された自然画像を拡大する手法として, その画像の多重解像度解析を考え, その各解像度の成分の間に同程度の相関があることを利用して, 本来もとの画像には含まれていない高解像度の成分を推定し, その成分ともとの画像の情報から拡大画像を得る手法を提案する. また, 信号の内挿手法として広く用いられている, 共1次内挿法(bi-linear interpolation)や3次畳込み内挿法(cubic convolution interpolation)と比較を行い, 本手法の有効性を検証する.
著者
塩谷 浩之 伊達 惇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.358, pp.1-7, 2000-10-12
被引用文献数
2

自乗誤差最小やその改良型は, 多くの工学的応用において用いられている学習方式である.しかしながら統計的枠組みにおいては, 擬距離のクラスを利用した推定方式があり, その場合, 一般的にはデータから生成されたヒストグラム密度などを構成し, それを用いて推定を行うなどの必要がある.本研究においては, 多層パーセプトロン上でエスコート分布の性質を用いることで, α-尤度に対応する学習則を導出し, その学習則が通常の誤差逆伝播法と同様な直接的な計算で可能になることを示し, 通常のBP学習では大きく影響されるような誤差データを含む場合の多層パーセプトロンの学習に応用する.