著者
大川 玲子
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

この研究は、カンボジアの少数民族であるチャム人ムスリム(イスラーム教徒)が、2011年に初めて聖典クルアーンをクメール語(カンボジア語)とチャム語に翻訳したことに着目し、クルアーン訳が成立した経緯やその理解(解釈)に焦点をあて、調査研究を行った。その成果として、クルアーン翻訳事業が二つの異なる集団によってなされたこと、カンボジア以外のムスリム国の援助を受けていること、人々による理解はクルアーンの呪術的使用や学校教育の場と通して行われていることが明らかになった。
著者
大川 玲子
出版者
明治学院大学国際学部
雑誌
明治学院大学国際学研究 = Meiji Gakuin review International & regional studies (ISSN:0918984X)
巻号頁・発行日
no.31, pp.33-54, 2007-03-28

本稿ではインターネット上のイスラーム系ウェブサイトで行われているファトワー問答を資料として,現代の若者ムスリムがクルアーンをどのように認識し, 実際に関わっているのか, つまりその聖典観を明らかにすることを試みた。インターネットには世界中からアクセスがなされるため, 多様な出自の者たちの状況がうかがえるが, そこで共通して見られるのは理想と現実の乖離である。ファトワーを求める者たちは, クルアーンをアラビア語で正確に読み, 理解し, 礼節をもって扱いたいと望んでいるが, 現実にはそれは難しいため, 困惑し質問する。アラビア語を母語としていない, クルアーンをぞんざいに扱うかもしれない異教徒と接する, 気楽な状態でクルアーン読誦を聞きたいなど, さまざまな環境にいる者が存在するためである。彼/彼女たちはこういった乖離の状態のなかで, ムスリムとしてのあるべき正しい姿を模索しているわけだが, その背景にはクルアーンを読誦することで神からの罰ではなく報酬を得ることを願う意識が見られるのである。【研究ノート/Research Note】
著者
大川 玲子
出版者
明治学院大学国際学部
雑誌
国際学研究 (ISSN:0918984X)
巻号頁・発行日
no.50, pp.163-180, 2017-03

【研究メモ/Research Memorandum】■特集テーマ 「マイノリティの視点から」/Special Topic: From the Perspective of Minorities
著者
大川 玲子
出版者
明治学院大学国際平和研究所
雑誌
PRIME = プライム (ISSN:13404245)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.11-20, 2014-03-31

特集:「思想」としての平和/Special Feature-Thoughts on Peace
著者
大川 玲子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.293-299, 1998
参考文献数
13
被引用文献数
1