著者
舘野 泰一 大川内 隆朗 平野 智紀 中原 淳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.241-254, 2013

本研究では,正課課程外におけるアカデミック・ライティングの指導を想定し,チューターによる学生の「執筆プロセスの理解」を支援するために,レポートの執筆プロセスを可視化することのできるシステム「レポレコ」を開発した.「執筆プロセスの理解」とは,チューターが,学生の文章生成過程を把握することである.開発したシステムの特徴は執筆プロセスの記録・可視化である.学生がレポートを執筆する過程を一字一句自動で記録し,可視化することができる.このシステムを使うことで,チューターの「執筆プロセスの理解」を促すことができる.実験の結果,システムを使用することで,チューターの「執筆プロセスの理解」につながることが示唆された.
著者
大川内 隆朗 藤平 敦
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.20-23, 2021 (Released:2021-12-28)

教員免許状の取得を志す大学生は多い一方で、途中で断念し教職課程を辞めてしまう学生も少なくはない。本研究では、2020年度新入生の教職課程登録者を対象に、1年間の継続的なアンケート調査と学業成績を基に、課程の継続者と断念者の間での差を比較した。その結果、GPAや学修に対する意欲など一部のデータにおいて、両者には差があることを確認し、今後の断念者予測や課程登録者に対する支援の手がかりとするための示唆が得られた。
著者
大川内 隆朗 大谷 淳 米村 俊一 徳永 幸生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.332, pp.13-18, 2011-12-01

本論文では,非同期型(オンデマンド型)e-learningシステムにおける講義の改善のために重要な,学習者の主観的難易度の把握方法の基礎的検討を行う.非同期型e-learningシステムでは,対面型の講義とは異なった,学習者の主観的難易度把握法が必要である.具体的には,講義のテープの巻き戻しや一時停止などについての時系列的な挙動が,主観的難易度を反映すると考えられる.数名の学習者を対象に実験を行い,e-learning講義受講中の行動データを取得するとともに,授業後に学習者に対してインタビューを行った.その結果,巻き戻しの回数や,一時停止の時間の長さなどが,学習者自身がそのときに感じている,講義内容に対する理解の困難さと関係のあることが確認できた.