著者
西出 崇
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.54-59, 2021 (Released:2021-12-28)

コロナ禍にともない小樽商科大学でも2020年度前期はすべて、後期は一部を除いて大半の授業がオンライン授業に変更され、各教員が試行錯誤を行いながら授業を行った。今回の授業のオンライン化は十分な準備期間もとれないまま緊急避難的に実施されたものであり、教育への影響や課題などについて検証が必要である。本報告では本学において2020年度に見られた成績分布の変化を示すとともに、その要因について教員アンケートの結果等から検討する。
著者
田尻 慎太郎 杉森 公一 堀川 靖子 伊勢 康平
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.160-161, 2023-11-19 (Released:2023-11-24)

北陸大学では教学IRデータを一元的に管理しているが、学生の授業内学習行動データ(LAデータ)の収集は未実施だった。そこでSaaS型LMS「manaba」の学修行動ログを利用し、LMSの利用度が高い科目であある「統計学Ⅰ:の成績予測を機械学習で試みた。XGBoostモデルを用い、教学IRデータの入学時アンケートの回答データを説明変数に加えたところR2値はわずかに向上した。単位修得の予測ではほぼ100%の精度を達成した。
著者
白鳥 成彦
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.86-89, 2022-11-11 (Released:2022-12-27)

大学においてデータ活用、意思決定支援のために IR 組織を設置していることがあたりまえになってきた。しかし、IR 組織は大学規模の大小・環境によって、基盤の形や運用方法も様々であり、他大学の事例をそのまま展開することは難しい。特に小規模大学にとっては予算や人材の限界があるため、利用できる基盤も限られてくる。本報告では小規模大学のための IR 基盤・データ分析基盤の構築・運用サイクルを提示し、その有用性を検討していく。実例として Excel、Google Workspace を基盤にしたデータレイク、データウェアハウス部分をあげ、小規模大学において活用可能な事例として提示する。
著者
大川内 隆朗 藤平 敦
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.20-23, 2021 (Released:2021-12-28)

教員免許状の取得を志す大学生は多い一方で、途中で断念し教職課程を辞めてしまう学生も少なくはない。本研究では、2020年度新入生の教職課程登録者を対象に、1年間の継続的なアンケート調査と学業成績を基に、課程の継続者と断念者の間での差を比較した。その結果、GPAや学修に対する意欲など一部のデータにおいて、両者には差があることを確認し、今後の断念者予測や課程登録者に対する支援の手がかりとするための示唆が得られた。
著者
井芹 俊太郎
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.32-37, 2021 (Released:2021-12-28)

大学のIR 担当者に求められる要件を、外部労働市場における需要側の観点から考察することを目的とし、IR 担当者の公募資料に記された情報のテキスト分析を行った。その結果、修士号以上の学位取得が重要であること、専門分野は教育学・教育工学・情報学分野の人材需要が特に多いこと、また、知識・能力のみならず協調性やIR業務そのものへの熱意、組織改善に繋がる提案や実践も求められていることが分かった。IR人材の育成やキャリア形成における本成果の活用に期待したい。
著者
岡田 佐織
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.118-123, 2021 (Released:2021-12-28)

教学マネジメント指針は、授業科目レベル、学位プログラムレベル、大学全体レベルの3層それぞれで、PDCAサイクルを適切に回していくことを求めている。そのための支援を行う機能として、IRやFDを担う組織が設置され、専門性を持った人材が配置されているが、学位プログラムのレベルにおいて、その支援に実効性を持たせるためには、教学マネジメントを行う側に、それらの支援を受け止めて実践に反映させる機能を担う人間が必要である。本稿では、それらの支援を受け止める側の視点で、カリキュラム・レベルでの教学マネジメントに必要な機能と人材要件について分析し、全学の支援組織との望ましい連携の在り方について考察を行う。
著者
高田 英一
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.96-99, 2021 (Released:2021-12-28)

第3サイクルの認証評価では、内部質保証が重視されているため、各大学では、各大学の運営の独自の文脈とともに認証評価基準を踏まえて、内部質保証体制の構築と機能の実質化に取り組んでいる。その際は、他大学の評価結果が参考となるが、留意すべき課題の所在や内容を把握することは必ずしも容易でない。このため、本研究では、認証評価機関である大学基準協会の評価結果を基に、大学の内部質保証体制について指摘された課題の所在等を分析するものである。
著者
森 雅生
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.78-81, 2023-11-19 (Released:2023-11-24)

IRにおける分析技能を習得するための教務サンプルデータを紹介する。サンプルデータは、学科マスタ、コースマスタ、科目マスタ、国名マスタ、教員情報、授業主担当、授業分担率、学籍情報、成績情報の9つのテーブルからなり、授業分担率の設定や、成績情報の分布は自然なものとなるように配慮して作成している。smallセットとlargeセットに分けており、largeセットは1460名の学生、smallセットはその10分の1の規模のものとしている。本稿では、これらのデータテーブルから成績情報ビューを再構成する方法を解説する。
著者
安川 美智子 大澤 新吾
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.34-39, 2023-11-19 (Released:2023-11-24)

大学における情報共有のためのファイル形式としてPDFが頻繁に用いられている。PDFは環境に依存せずに表示や印刷ができるという特徴があるが、ファイル作成時のフォントとソフトウェアの組み合わせにより、漢字が康煕部首(こうきぶしゅ)に文字化けする事象が知られている。本研究ではこのようなテキストデータの破損が大学図書館の書誌情報の検索に与える影響を定量的に評価し、有効な対処法を考察する。
著者
高田 英一
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.96-99, 2022-11-11 (Released:2022-12-27)

内部質保証は3 巡目の認証評価の重点評価事項であるが、その取組は未だ十分とはいえない。本研究において、 認証評価における内部質保証に関する評価結果を検討した結果、課題の指摘に関する評価機関の特質とともに、多くの大学では改善の実績に課題がある状況が明らかとなった。
著者
村上 公子 栃澤 健史
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.150-151, 2022-11-11 (Released:2022-12-26)

教育の質保証においては、大学が提供するカリキュラムを中心とする教育に関する継続的な改善の取組が重要であり、そのためには教育成果の把握とそれに基づく自己点検・評価の実施と情報公開が欠かせない。学修者本位の教育が求められるなかでは、教育成果の把握において、学生の実態と意識を適切に把握することが重要となる。本報告は、大阪医科薬科大学を事例とした全学的な質保証のための学生調査デザインを報告する。
著者
松井 久美 豊田 暁洋 飯塚 裕美子 小手森 綾香 高橋 みずき 菊水 健史
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.122-127, 2022-11-11 (Released:2022-12-27)

麻布大学は生命科学分野のジェネラリスト育成事業「動物共生科学ジェネラリスト育成プログラム」の教育開発 に取り組んでいる。教学IR センターは本事業の推進のために設立、LMS 開発、学習データ解析、サイエンスリテラシー&コンピテンシーテストの実施・解析、フィードバック事業などを行っている。本発表では、それらの概要および学習者類型、フィードバック-リフレクションによる学習サイクル構築について報告する。
著者
白鳥 成彦
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.100-105, 2021 (Released:2021-12-28)

大学における中退に関連する研究は欧米中心で行われてきているが、最近になり日本においても大学間を通した連携、組織化が進んできている。一方で、当該の研究は事例ベースになりがちで、大学中退に対して、IRerがどのようなプロセスでどのように情報を入手し、中退防止施策に取り組んでいくのかは明確になっていない。本研究ではTintoの中退理論に基づいて、入学前と入学後、大学内と大学外の2つの点から分析を行い、IRerが中退防止に関連した分析するための変数を提案する。
著者
関沢 和泉
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.140-145, 2021 (Released:2021-12-28)

国立大学中心のイタリアでは近年日本と類似した課題意識から個々の国立大学に独立したマネジメントの権限を与えることとそのパフォーマンスの評価体制の導入が行われてきた。その中心となるのは、「大学・研究評価独立機構(ANVUR)」である。同機構は旧来別組織に割り当てられていた認証評価相当の役割と研究評価の役割が統合された組織であり、現在のイタリアの高等教育の質保証で大きな役割を担っている。本研究では同機構がどのような指標を用い組織のどのようなパフォーマンスを測定しようとしているかを明らかにする。
著者
今井 匠太朗 淺田 義和 伊藤 彰 片野坂 俊樹 白鳥 成彦 高松 邦彦 松本 清 森 雅生
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第12回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.66-71, 2023-11-19 (Released:2023-11-24)

データの可視化や分析の知識はIR担当者に必要な素養の1つである。効果的な意思決定のためには適切に処理されたデータ分析が重要であるが、このような能力に長けた人材は不足しており、IRの普及を困難にしている。この状況を踏まえ、IRで実践的に利用するデータサンプルを提供し、IRスキルの涵養や質向上を目指すプラットフォームを立ち上げる。データサンプルは合成データを配布し利用可能とする。この合成データに基づいたデータ分析のサンプルや教材の配布、またデータそのものの改善等を集約し、 IR人材の育成とその質向上を目指す。本稿では、プラットフォーム立ち上げの背景からコンセプト、将来構想について論述する。
著者
小林 雄志
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第12回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.46-51, 2023-11-19 (Released:2023-11-24)

本研究では、日本の大学におけるシラバス作成ガイドラインに関するWeb調査を実施した。その結果、57の大学において、シラバス作成ガイドライン等の存在を確認できた。これらの資料は、「ガイドライン」、「作成要領」、「手引き」といった文言を含む名称で示されていた。さらに、これらを計量テキスト分析した結果、使用される語句について、国公立大学と私立大学でやや異なる傾向があることが明らかになった。
著者
細川 慎二 長縄 明大
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.128-131, 2022-11-11 (Released:2022-12-26)

現在、教育課程の授業科目を通じて学生が身に付けた能力(学修成果)の可視化が重視され、カリキュラム・マップが活用されているが、この能力は学生の大学生活も影響すると考えられる。そこで、本学卒業生の教学データから大学生活の違いを6つのクラスターに分類し、カリキュラム・マップから算出される能力をクラスター間で比較した。結果、それぞれに特徴的な傾向を確認した。
著者
栃澤 健史
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.90-95, 2022-11-11 (Released:2022-12-27)

大学全体での教育の質保証体制を確立するために、概念図や組織図を作成して計画を立てることから始めるのがほとんどであるが、実際に質保証の PDCA サイクルを運用しようとすると諸々の困難があり、計画通りスムーズに進めるのが難しい場合が多い。本報告では、大阪医科薬科大学の IR 室が、大学全体の教学アニュアルレポートを作成することで、学部ごとの自己点検・評価と全学の質保証とを架橋しようとする試みを報告したい。
著者
森木 銀河
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.100-105, 2022-11-11 (Released:2022-12-27)

学内研究分野ネットワーク可視化システム(Topic-NW;「トピックネットワーク」と呼称)は九州大学内における教員と研究分野との関係をWeb ブラウザ上でグラフ・ネットワークとして可視化するシステムである。本システムは学内における新たな学際研究領域や協定締結校との新たな研究分野の発掘等を主な目的とし、本学が持つ研究分野のネットワークについて分析できる環境を学内構成員に向けて構築した。本発表ではシステム構築の背景と本システムの概要、今後の展望について報告する。
著者
椿本 弥生
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.56-61, 2022-11-11 (Released:2022-12-21)

本研究では、大学におけるデータサイエンス(DS)教育の内容を分類・可視化する。それにより、昨今の多くの大学が設置する DS の授業における内容の共通性や独自性を探索的に発見することを目的とする。今回は、指定国立大学法人の 10 大学が作成・公開している DS に関する授業のシラバスデータを収集し、それらのデータに対してテキストマイニングを行った。その結果、文系・理系・総合大学や授業方法によって、中心的な授業内容に違いがみられた。