著者
武田 崇志 大東 誠司 塩崎 弘憲 須藤 一起 小野寺 久
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.2871-2876, 2011 (Released:2012-04-13)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

症例は78歳,女性.大腸癌術後2週間目に腹部膨満を主訴として来院.腸閉塞を疑って施行した腹部CTで大腸の壁肥厚および脾彎曲から下行結腸にかけての著明な拡張を認め,中毒性巨大結腸症と診断.さらに大腸内視鏡で偽膜形成を認め,Clostridium difficile(CD)毒素陽性であったため劇症型CD腸炎が原因と判断した.全身状態も安定していたため初期には保存的加療を選択したが,入院後4日目にDICを併発し緊急で結腸全摘術および回腸瘻造設を施行した.術後経過は良好で特に合併症なく術後28日目に退院となった.劇症型CD腸炎は手術を考慮する必要があるが,下痢症状を伴わない場合は早期診断が困難な場合もある.今回は迅速に診断し救命しえた劇症型CD腸炎を経験したため文献的考察を含め報告する.
著者
大東 誠 田中 譲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.829-839, 2005-04-01

大規模なデータベースの全体の概観を把握しながら目的の情報にアクセスするためには, 様々に解析視点を変更して動的に情報を組織化しながら情報探索を行う必要がある.本研究では, このようなデータベース探索を実現するため, 任意の解析視点に基づいて動的にハイパリンクを構成する情報アクセス空間を実現する.筆者らは, まず, 新たな解析視点の概念と機構を提案し, これら解析視点の宣言的定義に基づき自動生成される複数の情報アクセス空間を, 個々のDBレコードに動的にリンクする仕組みを実現する.また, これらのリンクをたどる空間ナビゲーションや解析視点を編集するための三次元インタフェースを提供する.これらの操作は, 対象テーブルの絞込みや複数テーブルの結合といった検索質問処理に対応しており, ユーザは, 動的に解析視点を変更して空間移動を繰り返すことで, 焦点を次第に絞って目的の情報に到達することができる.本論文では, 三次元インタフェースの実装とそれを用いたデータベース探索の評価実験を行い, 本手法を用いて目的の情報に迅速にアクセス可能であることを示す.
著者
大東 誠 田中 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.80-91, 2001-01-15
被引用文献数
4

近年,3DのCG技術を利用してDBに蓄積された大量データの解析・利用を支援するインタラクティブ視覚化の重要性が増している.従来の視覚化システムは,データの種類に特化した視覚化スキーム(データの表現法や配置法)と,この視覚化スキームに依存する数種のインタラクションを提案している.これらのシステムでは,あらかじめ定義された数種の視覚化スキームとインタラクションしか使用できないため,ユーザによる柔軟なデータの解析・利用操作が制限される.本稿では,ユーザによるカスタマイズが可能な任意の視覚化スキームを用いて,様々なDBレコードをインタラクティブな3Dオブジェクトとして仮想空間内に実体化するためのフレームワークを提案する.このフレームワークは3D部品アーキテクチャを基盤とする.ユーザは3D部品を組み立てて任意の視覚化スキームを定義し,様々なDBレコードを仮想実体化することができる.本研究では,RDBレコードに限らず,入れ子構造等,複雑な構造を持つ属性を含むDBレコードの視覚化スキームも,部品合成により定義可能な構成法を提案する.これらを用いてDBレコードを仮想実体化することにより,ユーザは仮想空間や仮想実体に対して,解析・利用目的に応じた任意のアプリケーション・ツールを導入し,それらと自由に連携することが可能となる.we propose a generic visualization framework that reifies database records as interactive 3D components. Conventional information visualizations are proposing data-specific visualization schemes (view designs, the ways of arrangement of a large set of data, and the interactions with them). We propose a generic visualization framework that allows users to define their visualization schemes and to reuse the visualized records and the result data of analysis. Our proposed framework provides many forms of user interaction and the reusability of visualized objects. A 3D component-ware architecture provides the basis of our virtual reification framework. Our framework provides a dynamic view-definition and view-modification mechanism so that users can easily change the view of records or distribution of records to possibly find a significant structure among them. The framework also presents both retrieved records and the results of their data analysis as virtually reified objects so that users can easily send them to others or reuse them in other environmens.