著者
辻 康博 星 守 大森 匡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.565, pp.17-24, 1997-03-06
参考文献数
9
被引用文献数
38 13

データベースからの楽曲の検索法で、キーワードによる検索以外の方法として、感性語による検索法を提案する。楽曲の旋律に含まれる音高、音長の局所パターンを特徴量として用い、この特徴量の曲の分類という点における有効性を、主成分分析などの統計分析により検討した。分析の結果、この特徴量は曲の分類に有効であることがわかった。これを踏まえて、局所パターン特徴量と感性語データとで正準相関分析を行ない、検索空間を作成し、この空間を使用して音楽データべース検索システムを作成した。550曲のデータベースに対して評価実験を行なった結果、この特徴量を用いた感性語による検索法は有効であることが確かめられた。
著者
小早川 倫広 星 守 大森 匡 照井 武彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.899-911, 1999-03-15
被引用文献数
33

本稿は ウェーブレット変換と高次局所自己相関特徴量を用いた画像データ索引自動生成法と対話的類似画像検索システムを提案する. このシステムの3つの枠組みとして 1) ウェーブレット変換による多重解像度解析を用いる。2) 特徴量抽出に高次局所自己相関関数を用いる. 3) 類似画像検索に近傍探索を用いる。上記の枠組みで スケッチ画像検索 輪郭画像検索 例示画像検索や例示画像にスケッチを描き加えての検索などを繰り返して画像を検索できる対話的類似画像検索システムのプロトタイプシステムを構築し 評価実験を行った. このプロトタイプの画像データとして 国立歴史民俗博物館の民俗学資料カードの写真3315枚を用いた. このプロトタイプでは 検索者がスケッチ画 写真や写真に手を加えた画像を質問画像として 類似画像検索ができる. また 検索者は 検索結果の候補画像を見ながら 質問画像を作り直すことを繰り返す 対話的な検索ができる. 評価実験から 対話的に類似画像検索を繰り返すことによってキーとなる最初の質問画像が曖昧な場合にも目的の画像を検索することできることが示された.In this paper we propose a basic framework on which similarity-based retrieval system based on image contents can be uniformly realized for a variety of contents such as a sketch, a boundary, an example image and these combination. The framework consists of three parts: 1) Hierarchical decomposition of images using orthogonal discrete wavelet transform (DWT), 2) Feature extraction by 2nd-order local autocorrelation, 3) Similar image retrieval from the database by nearest neighbor search. Based on the framework above, we have developed a prototype system of an image database on a personal computer with a scanner. This system includes 3315 images of classical pictures, patterns, and instruments, which are Japanese historical heritages and/or legacy objects collected in the National Museum of Japanese History. We use a WWW browser and the standard graphical tools as user interface. The system allows similarity retrieval based on example images, user-constructed sketches and drawings, and interactive combinations of these. Furthermore, the system supports interactive retrieval by browsing which is needed when users are vague about their retrieval needs or unfamiliar with the information available in the database. Experiments showed a good performance of interactive similarity retrieval based on contents.
著者
山本 敦 小早川 倫広 星 守 大森 匡
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SIG14(TOD35), pp.82-90, 2007-09-15

本論文は,問合せ画像と構図(領域の構成)が似ている画像を検索するための新しい類似度を提案する.提案する類似度は集合間の類似度として知られているJaccard係数を基礎として考案した.提案する類似度の検索性能を評価するために1 000枚の領域分割画像を用いて検索実験を行った.検索性能の評価指標には,再現率とすべての正解画像を検索するために必要な検索枚数を正解画像数で割った値(完全検索倍率)を用いた.検索実験の結果によって,提案する類似度が領域分割に基づく検索に有効であることを示した.また,35 155枚の自然画像に対して検索実験を行った.その結果,提案する類似度によって構図が似ている画像を検索できた.
著者
大森 匡 Wisut Sae-Tung 星 守
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.237-238, 1996-03-06
被引用文献数
2

最近のコンピュータネットワークではWWWなど様々な情報資源を提供するサーバ(情報ベース)が自然発生的に点在しており、ユーザか移動計算機からこうした情報資源を自由に検索・加工したい、という要求が大きい。しかし、これら情報ベースはユーザが望む利用手段や情報構造をあらかじめ用意していないことが多く、結果としてほぼ全ての情報を移動計算機側からブラウズしがちである。この問題を解決するためには一般に仲介者と呼ばれる補助機構が必要である。我々はスクリプト言語による遠隔プログラムを使ってこの機構を提案してきた。図1が提案した仲介者機構による検索手順である。すなわち、ユーザは未知な情報ベースに対し、(1)始めに、ユーザは情報ベースへそのクラス定義を問い合わせ、その仕様(i.e. 情報構造と利用手段)を教えてもらう。(2)次に、移動計算機欄で自分がやりたい検索スクリプトを合成し、(3)情報ベースに送って実行させる。この手法では、個々のユーザに依存した情報検索・加工手続き自体(「関心がある情報を探す」など)は移動計算機に載ってネットワーク内を移動し、必要な時に情報ベースへ送られる。従って情報ベース側ではそれ固有の検索手段以外はスクリプト言語の処理系だけを用意すれば良い。 我々はこの機構をPerlに永続オブジェクト操作機能をいれたスクリプト言語Persistent Perlを用いて試作している。しかし、移動計算機上にあらかじめ持っていた検索スクリプトと、情報ベース固有の情報との二つを合わせて使うようなスクリプトをユーザが直接Persistent Perlを使って記述するのは難しい。本稿ではオブジェクト指向SQLを使ってこうした検索スクリプトを合成する方式を論じる。
著者
松本 吉弘 大森 匡 鰺坂 恒夫
出版者
京都大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

本研究は、ソフトウェアシステムの中でも、その要求の論理が多元的であり、その意味領域が複雑であるものを対象としている。この場合、要求分析過程で観点の異なる複数のモデルが形成されることになり、これを統合してソフトウェアシステムへ変換する必要が生じる。これに対して本研究では、今年度つぎのように研究をすすめた。1.多元的要求を満たす意味モデルの記述法を研究し、さらに、多元的要求を統合した結果として形成されるべき統合モデル(メンタルモデル)にふさわしい検証可能モデルの記述方法や適合性について研究を行った。その結果,(1)並行エージェントモデル,(2)時次元を含むメンタルモデルを高レベル・ペトリネットで表し、その仕様を代数的に記述,検証する方法,(3)メンタルモデルを状態機械として表し、その振る舞いを含む代数的仕様の記述法,などを得た。2.上記のメンタルモデルを代数的仕様で表したものに関して,パラメタライゼーション,輸入,輸出による仕様代数間の関連づけを行い、関連を関手によって表現し、関手を橋L(言語)によって記述した。関手と仕様代数から構成される網をPCTE(ECMA標準に準じたソフトウェア開発支援環境)のスキーマとして定義することによって,相互のナビゲーションを可能とした。これらの研究はさらに、PCTE上で関手の実行を可能とし、代数的仕様におけるプロトタイピングをPCTEの実行制御機構の上で実現する研究に今後展開される。3.前年度から行っている,ソフトウェアエンジニアリング・デーテベースKyotoDBの研究,開発を続行し、自己反映的なヒューマンプロセス(ソフトウェア生産物表現に対する値付け操作に対するメタ)の実働,生産物表現が束縛されている値との間に存在する制約関係の維持管理,PCTEとの結合,などの研究をすすめた。