著者
濱口 郁枝 吉田 有里 森 由紀 大森 敏江 中野 加都子 松村 俊和 山本 存 藤堂 俊宏 宮田 倫好 上島 一泰
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.143, 2017 (Released:2017-07-08)

目的 女子大生のコーヒーの嗜好について調査し、好まれるコーヒーを検討した。 方法 兵庫県内の一大学の女子学生を対象とし、コーヒーを飲む頻度や嗜好に関する質問紙調査と、2回の官能評価を実施した。1回目は、普段コーヒーを飲まない24名に円卓法で検討した。試料は、H:数種のブレンド・焙煎標準、J:ミャンマー産をブレンドに追加・焙煎軽め、P:オリジンごとに分けて焙煎、の3種とし、ブラックとミルクや砂糖を入れて評価した。2回目は64名に、1回目の結果をもとに改良したものと、エチオピア産のシングルオリジンをブラックで味わい、2点嗜好試験法で比較した。 結果 ドリップコーヒーを飲む者は23%と少なく、カフェラテなど甘めのコーヒーを飲む者が70%と多かった。官能評価1回目の結果、Hは、香ばしくて美味しく飲みやすいが酸味がある、Jは、ブラックでも飲みやすくミルクと砂糖を入れると一番美味しい、Pは、酸味が強く美味しさは他より劣る、との評価が得られた。そこで、評価の高いJの焙煎度を上げてコクを出し、ミャンマー産の豆をインドネシア産マンデリンG-1にかえて改良した。2回目の結果、酸味、総合評価ともにJの改良が好まれた(各p<0.01)。Jの改良を飲んだ後は、コーヒーの好みの程度が上昇した(p<0.01)。したがって、穏やかな酸味とバランスのとれた味わいのブレンドコーヒーは、ブラックでも女子大生に好まれることが示唆された。
著者
森 由紀 大村 知子 大森 敏江 木岡 悦子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.949-958, 1999-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

携行品運搬における背負い方式の有用性に関する研究についてすでに報告した。本報では背負い方式が一般的である小学生の学習用具携行に関する実態調査および実験を行い次のような知見を得た.(1) 通学用鞄のタイプに関して, 個人の自由に任せている学校があったが, 1年生の大部分はランドセルを使用していた.6年生が使用している通学用鞄のタイプは, ランドセルが70。0%, リュックサックが20.4%, その他が9。6%で, 高学年ほどランドセルの使用が減少し多様化する傾向がみられ, ランドセルの体格への不適合もその一因であると推察された.(2) 教師はランドセルの使用について, 両手をあけることの安全性や丈夫であるなどの長所を挙げる一方で, 1年生には重すぎる, 高学年には窮屈で格好が悪いなどの問題点を指摘していた.(3) 通学用鞄に学習用具重量を加えた携行総重量の体重比は, 1年生では平均14.8%, 4年生では 11.2%, 6年生では9.0%であり, 低学年ほど体重の割に重いものを携行していた.学習用具の内容は教科書, ノート, 筆記用具の他, 副教材, 補助教材などであった.(4) 低学年児童を被検者とするランドセル背負い実験では, 荷重圧が肩中央部および腰椎部に大きく加わり, 学習用具重量が増すほど荷重圧も大となった.特に, 肩中央部において静立時の荷重圧に対する歩行時の最大荷重圧の比率が大となる傾向がみられた.(5) 体型によって荷重圧の分布が異なり, 背面が平らな者は肩中央部への荷重圧が大きく, 腰部後面が平らな者は腰椎部への荷重圧が大きいという特徴がみられた.(6) ランドセル背負い時の姿勢観察の結果, 静立時, 歩行時いずれにおいても, 学習用具重量が増すほど前傾姿勢をとることが認められた.以上のことから, 低学年児童にとっては重すぎる負荷を軽減する方策を, 高学年児童には体格に適合する携行方法を, 中身の問題とともにそれぞれ検討する必要があると考えられる.
著者
高田 光雄 巽 和夫 毛谷村 英治 大森 敏江
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.775-780, 1991-10-25 (Released:2020-05-01)

THIS STUDY IS THE ANALYSIS ABOUT URBAN LIVING OF FAMILIES WITH CHILDREN IN CENTRAL AREA OF 3 BIG CITIES, KYOTO, OSAKA AND KOBE, IN THE KANSAI REGION, BASED ON THE QUESTIONNAIRE TO PRIMARY SCHOOL STUDENTS AND THEIR MOTHERS. THE RESULTS ARE AS FOLLOWS; 1)THE CHARACTERISTIC OF FAMILIES WITH CHILDREN IN CENTRAL AREA IS THAT NUMBERS OF 3 GENERATOIN FAMILIES AND DUAL-INCOME FAMILIES ARE MANY. 2) MOST PEOPLE APPRECIATE CONVENIENCE OF COMMUTING AND SHOPPING, BUT SHORTAGE OF PLAYGROUND, NOISE AND AIR POLLUTION MAKE THE LIVING ENVIRONMENT FOR CHILDREN WORSE. 3)MOST OF CHILDREN PLAY INDOOR, THOUGH THEY PREFER TO PLAY IN PARKS.
著者
濱口 郁枝 上島 一泰 吉田 有里 森 由紀 大森 敏江 中野 加都子 松村 俊和 山本 存 藤堂 俊宏 宮田 倫好
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<b>目的 </b>女子大生のコーヒーの嗜好について調査し、好まれるコーヒーを検討した。 <br> <b>方法 </b>兵庫県内の一大学の女子学生を対象とし、コーヒーを飲む頻度や嗜好に関する質問紙調査と、2回の官能評価を実施した。1回目は、普段コーヒーを飲まない24名に円卓法で検討した。試料は、H:数種のブレンド・焙煎標準、J:ミャンマー産をブレンドに追加・焙煎軽め、P:オリジンごとに分けて焙煎、の3種とし、ブラックとミルクや砂糖を入れて評価した。2回目は64名に、1回目の結果をもとに改良したものと、エチオピア産のシングルオリジンをブラックで味わい、2点嗜好試験法で比較した。 <br> <b>結果 </b>ドリップコーヒーを飲む者は23%と少なく、カフェラテなど甘めのコーヒーを飲む者が70%と多かった。官能評価1回目の結果、Hは、香ばしくて美味しく飲みやすいが酸味がある、Jは、ブラックでも飲みやすくミルクと砂糖を入れると一番美味しい、Pは、酸味が強く美味しさは他より劣る、との評価が得られた。そこで、評価の高いJの焙煎度を上げてコクを出し、ミャンマー産の豆をインドネシア産マンデリンG-1にかえて改良した。2回目の結果、酸味、総合評価ともにJの改良が好まれた(各p<0.01)。Jの改良を飲んだ後は、コーヒーの好みの程度が上昇した(p<0.01)。したがって、穏やかな酸味とバランスのとれた味わいのブレンドコーヒーは、ブラックでも女子大生に好まれることが示唆された。
著者
木岡 悦子 森 由紀 大森 敏江 大村 知子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.647-656, 2001-07-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

中学生の学習用具携行の実態に基づいて, 通学用鞄の携行方法による負荷を実験観察により検討した.被検者は中学生6名, 携行重量を6kgとし, 携行の方法は背負い式と肩掛け式とし, 肩掛けの仕方を斜めにクロスする方法と片側におろす二つの方法に分けた.負荷実験の内容は通学用鞄を掛けた状態での支持基底面の重心動揺測定, 直立時および歩行時の姿勢変異の観察, 肩中央部にかかる荷重圧の測定である.結果は以下の通りであった.(1) 鞄を片側に掛ける方式では, その対照として測定した無所持の場合と比較して, 支持基底面の重心動揺の単位面積軌跡長が小さいという結果が得られた.被検者自身が姿勢のくずれを細かく制御しにくい状態であると解された.(2) 支持基底面の重心動揺軌跡やその外郭内の面積等には被検者固有のパターンが発現し, 姿勢制御機能に個人差のあることが認められた.(3) 通学用鞄の携行方法別姿勢をシルエッター写真から観察した結果, 肩掛け式では鞄を提げた側と反対の方向への傾きが大きく, 無所持の場合と比較して有意に差のあることが認められた.片側式の場合では全身を傾斜させており, 斜め式では胴部でくねらせた状態での傾きが大であることが認められた.背負い式では前傾姿勢がみられ, いずれも鞄装着による負荷を姿勢の傾きによってバランスさせていることがわかった.(4) 肩中央部に加わる荷重圧は片側式の場合が最も大で, 直立時の平均値は53.0kPa, 歩行時最大値が102.4kPaであった.背負い式の場合が最も小さく, 各携行方法問に有意な差がみられた.(5) 実験終了後の着用感では, 片側式において肩への痛み・重量感や歩きにくさなどの負荷を感じたのに対し, 背負い式が最も負荷を感じなかったという結果が得られ, 実験結果と一致した.通学用鞄の携行に関する問題を, 中学生の心身をまもり育てるための類被服の観点からとらえ, 解決への具体的な方策をすすめていくべきであると考える.
著者
森 由紀 大村 知子 大森 敏江 木岡 悦子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.949-958, 1999-09-15
被引用文献数
3

We made a study of the on-the-back carrying system for primary school children as part of our series of studies on age-related practices and physical effects of carrying methods. In our previous report, we referred to the advantage of free-hand carrying for aged persons. We investigated school bags at 30 primary schools in the Kinki and Tokai districts, using 2,945 children as subjects. It was determined that the stiff bag Randoseru is the most popular among first graders, while the higher the grade, the less the Randoseru is used. In addition, we found that the lower the grade, the bigger the ratio of burden weight to body weight. We selected six subjects from among lower gladers to measure burden pressure upon their shoulder center and lumbar vertebra while carrying a fixed-weight-contained Randoseru, either in standing or walking position. As a result, they showed forward-inclined posture, the inclination increasing with the adding of Randoseru weight. Hereby, we bring to light the necessity of reducing the school goods that children carry daily between home and school to only those which are essential in order for these growing children to keep constant upright postures.