著者
天白 俊馬
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩石鉱物鉱床学会誌 (ISSN:00214825)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.125-136, 1982-04-05 (Released:2008-08-07)
参考文献数
40
被引用文献数
1

The Cretaceous Hiroshima granite of the Hiroshima-Iwakuni area is divided petrographically into two types, e. g. biotite granite and hornblende-bearing biotite granite. The dark inclusions in the latter are characterized by containing hornblende commonly, while those associated with the former granite are hornblende-free, tiny in size, and also small in amount. Plotting the chemical compositions on the normative An-Ab-Or diagram, these two types of granite are quite different in trend, although there is no distinct difference on the Thornton-Tuttle's variation diagrams. This cannot be explained by the difference of fractionation and also by the change in partial PH2O of magma under cooling condition. Irregular shape and uneven distribution of hornblende in hornblende-bearing biotite granite indicate that this hornblende was not the crystallization product of granite magma, but was accidental xenocryst transported into the magma. This fact and the difference of trend in the An-Ab-Or diagram suggest the contamination of granite magma by the hornblende-bearing dark inclusions.
著者
貴治 康夫 沓掛 俊夫 中野 聰志 西村 貞浩 澤田 一彦 杉井 完治 多賀 優 竹本 健一 天白 俊馬
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.53-69, 2008-02-15 (Released:2009-02-21)
参考文献数
67
被引用文献数
13 7

東西6 km・南北7 km規模の比叡花崗岩体は,琵琶湖周辺の白亜紀末山陽帯花崗岩体のうちで,最も西寄りに位置する.これまで琵琶湖コールドロン形成に関係した琵琶湖南部環状花崗岩体の西端部の岩体と考えられてきた.比叡花崗岩体は,中心相と考えられる中粒斑状黒雲母花崗岩とそれを取り囲むように分布している中粒等粒状黒雲母花崗岩からなる.両者は漸移関係にあり,活動時期は100 Ma頃と推定される.比叡花崗岩は,年代値,岩相,化学的性質において琵琶湖南部の他の花崗岩類とは異なるので,およそ70 Maの琵琶湖コールドロン形成に直接関与した環状岩体を構成するものとしては考えられない.本岩体中には,岩体西縁部で南北方向に貫入している花崗斑岩脈と花崗閃緑斑岩脈のほかに,優白質微花崗岩,流紋岩,玄武岩,ランプロファイアの小岩脈が岩体全体に点在している.そのうちの花崗斑岩と花崗閃緑斑岩の岩脈は,琵琶湖コールドロンの外縁を画する環状岩脈の一部であると考えられる.
著者
周琵琶湖花崗岩団体研究グループ 橋本 勘 久田 義之 沓掛 俊夫 中野 聰志 西橋 秀海 西村 貞治 澤田 一彦 杉井 完治 多賀 優 竹本 健一 天白 俊馬 吉田 源市
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.380-392, 2000
参考文献数
22
被引用文献数
6

田上花こう岩体(東西方向約20km×南北方向約8km)は,後期白亜紀末の"琵琶湖コールドロン"形成に関わった環状花こう岩体のうちで最も南に位置する.田上花こう岩体は,粒度と組織から4つの岩相に区分される(中〜粗粒黒雲母花こう岩,中〜粗粒斑状黒雲母花こう岩,細〜中粒斑状黒雲母花こう岩,細粒黒雲母花こう岩).田上花こう岩体は,丹波帯のジュラ紀付加コンプレックスと新期領家花こう岩と考えられる観音寺花こう閃緑岩に貫入している.観音寺花こう閃緑岩を含む岩体の北西部に貫入している花こう斑岩岩脈は,雁行状配列を示している.同じく岩体の北西部では,湖東流紋岩類に属すると考えられる珪長質火砕岩を捕獲または伴う石英斑岩岩脈が産する.これらの岩脈群は,"琵琶湖コールドロン"形成時の環状割れ目を充填しているものと考えられる.主要・微量元素全岩化学組成上,観音寺花こう閃緑岩は田上花こう岩とは異なる特徴を持つ.岩脈類も,微量元素組成の点で田上花こう岩類とは異なり,特に石英斑岩は湖東流紋岩類の秦荘石英斑岩に似ている.田上花こう岩は,琵琶湖南部周辺の花こう岩類と密接な成因的な関係を有する.