著者
柳 裕一朗 松井 裕 太田 進 伊藤 博子 石村 惠以子
出版者
公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
雑誌
マリンエンジニアリング (ISSN:13461427)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.914-919, 2011 (Released:2013-10-23)
参考文献数
5

Natural gas produces less carbon dioxide, nitrogen oxides and sulfur oxides per unit heat released than other fossil fuels such as oil and coal. In line with efforts to preserve global environment and to promote sustainable development of world economy, the demand for natural gas has steadily increased. This study was conducted to analyze the risk of GHG (greenhouse gas) release caused by accidents involving natural gas carriers. LNG, which stands for Liquefied Natural Gas, is composed mainly of CH4, so the composition of LNG was assumed to be 100% CH4. Also, the other components of natural gas are not recognized as GHG. To estimate the maximum environmental impact, “Q-Max” which is currently the largest LNG carrier was used as the reference ship. For comparison, CO2 emissions from the propulsion engine were calculated. The environmental impact due to accidents was insignificant compared with the impact of CO2 emissions from the propulsion engine.
著者
春田 みどり 水田 洋平 伊藤 隆安 太田 進 内山 靖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.661-666, 2016 (Released:2016-10-27)
参考文献数
28
被引用文献数
1

〔目的〕内側型変形性膝関節症患者における身体アライメントの特徴を明らかにし,アライメントと身体機能との関連性を明らかにすることとした.〔対象と方法〕内側型変形性膝関節症患者25名と対照群とする健常高齢者20名とした.身体アライメント,関節可動域,筋力,5 m歩行時間,片脚立位時間を群間で比較した.〔結果〕内側型変形性膝関節症患者の身体アライメントは頭部前方突出,腰椎屈曲,骨盤後傾,体幹前傾,膝関節内反位で,腰椎屈曲と体幹前傾には背筋力低下との関連性がみられた.〔結語〕内側型変形性膝関節症患者でみられる体幹アライメントの変化は,体幹アライメントと身体機能との相互の関連性を示している.
著者
相本 啓太 太田 進 上田 誠 鈴木 康雄 元田 英一 木村 宏樹
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.90-96, 2011-04-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2

【目的】膝歩きは臨床で骨盤に対するアプローチとして使われることがあるものの,その動作特性の解析に関する報告は少ない。そのため本研究は骨盤に着目し,膝歩きを歩行と比較することで,膝歩きの運動特性を解析することを目的とした。【方法】対象の健常者24名(22 ± 2歳)に三次元動作解析装置用マーカーを貼付し,歩行と膝歩きの1歩行周期における骨盤可動域の平均変化量,重心移動を解析し,比較を行った。また,体幹・骨盤近位の7筋での立脚期,遊脚期における% MVC(% Maximum Voluntary Contraction:最大随意収縮に対する割合)を求め,歩行と膝歩きの比較を行った。【結果】骨盤前後傾・水平回旋可動域の平均変化量において,膝歩きの方が有意に高値を示した。筋活動量は立脚期,遊脚期において計測した多くの筋で歩行と比較し,膝歩きの方が有意に高値を示した。【結論】膝歩きは,骨盤の可動性・近位筋の活動性を高める運動療法として有用である可能性があると考えられた。
著者
相本 啓太 上田 誠 太田 進
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第25回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.79, 2009 (Released:2010-04-21)

【背景・目的】膝立ちは立位と比べ身体重心が低く、膝・足関節の影響を除外し、選択的に股関節伸展を促通するための有益な肢位とされ、また膝立ちや膝歩きは骨盤や股関節周囲筋のリハビリテーションとして臨床で使用されている。膝立ち位についての研究では、脊柱起立筋、大殿筋など骨盤の周囲筋で筋活動量が立位より有意に高いことが報告はされているものの膝歩きについての筋活動や運動学的解析を用いた報告は少ない。適切な運動処方のため、膝歩きの運動特性を明確にすることが必要であり、そのために膝歩き動作の運動特性を解析することを本研究の目的とした。 【方法】対象の健常者24名(22±2歳)に3次元動作解析装置用マーカーを貼付し、歩行、膝歩きを3回ずつ測定した。各動作の立脚期、遊脚期における骨盤の最大可動域とその変化量、左右への重心移動量を解析し、歩行時と膝歩き時の比較を行った。また、表面電極を体幹・骨盤周囲の筋7つに貼付し、各筋での立脚期、遊脚期での平均に対して%MVC (%Maximum Voluntary Contraction:最大随意収縮に対する割合)を求め、歩行と膝歩きの比較を行った。統計処理には対応のあるt検定を使用した。 【結果】膝歩きの筋活動量は立脚期、遊脚期において脊柱起立筋、中殿筋などで歩行と比較し、有意に高値であった(p<0.01)。各関節の可動域の変化量においても骨盤で有意に高値を示した(p<0.01)。左右への重心移動は膝歩きの方が有意に高値であった(p<0.01)。 【考察】膝歩きは足関節機能が除外されるため、側方への重心移動増大によるバランスの保持や前方への推進力を生み出すための体幹や骨盤の周囲筋による代償が必要であり、骨盤周囲の関節・筋が歩行と比べ有意に可動・活動していると考えられた。 【まとめ】膝歩きは骨盤の可動域や骨盤周囲筋の活動性を高めることを目的としたリハビリテーションとして有用と考えられた。
著者
春田 みどり 大矢 敏久 太田 進 内山 靖
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Aa0881, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 加齢変化により頭部の前方突出を呈することが知られている。また、頸部痛では頸部の屈曲の程度が強いことや、頸部の位置と顎関節の機能に密接な関連があるとの報告がされている。これまで、姿勢評価として胸椎や腰椎の彎曲角度を測定する方法は数多く報告されているが、頸椎では、頭部や頸部の屈伸角度を測定するものの頸椎の彎曲を測定することは少なく、非侵襲的な測定方法は確立していない。そこで本研究では、非侵襲的で臨床適用が容易でかつ信頼性の高い頸椎彎曲の測定方法を検証することを目的とする。【方法】 対象者は健常大学生10名(年齢23.6±3.0歳)であった。頸椎彎曲の測定は3方法で行った。方法1(以下;「二次元法頸椎彎曲角度」)は、ビデオカメラによる二次元動作解析により頸椎彎曲角度を算出した。被験者は7か所にマーカーを装着し、5秒間前方の印を注視して座位を保持し、ビデオカメラ1台にて計測した。方法は、Kuoの方法に準じて行った。第2・5・7頸椎棘突起を結ぶ角度を頸椎彎曲角度とした。また、鼻翼・耳孔・第1胸椎棘突起を結ぶ角度を頭部伸展角度、耳孔・第一胸椎棘突起・胸骨丙を結ぶ角度を頸部伸展角度とし、頭・頸部のアライメントの指標とした。方法2(「ゲージ法彎曲指数」)は、型取りゲージを用いて第2頸椎棘突起から第7頸椎棘突起の形状を計測し、彎曲の頂点の高さを第2・7頚椎棘突起の距離で割った値を頸椎彎曲指数とした。方法3(「定規法彎曲指数」)は、自在曲線定規を用いて「ゲージ法彎曲指数」と同様に頸部後面の形状を計測し、頸椎彎曲指数を算出した。3方法を異なる日に同様に測定を行い、再現性を検討した。統計処理は、級内相関係数(ICC)を用いた。3方法から算出した各測定値と頭・頸部伸展角度との相関はPearsonの相関係数を用い、有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】 所属施設生命倫理審査委員会の承認を得た上で行った。被験者には、個別に研究内容の説明を行い文書により同意を得た。【結果】 3方法から算出した各測定値は、「二次元法頸椎彎曲角度」は160.3±8.1°、「ゲージ法彎曲指数」は0.1±0.0、「定規法彎曲指数」は0.1±0.0であった。検者内のICCは、「二次元法頸椎彎曲角度」は0.72、「ゲージ法彎曲指数」は0.84、「定規法彎曲指数」は0.55であった。また、二次元法の頭部伸展角度は106.3±10.2°(ICC 0.93)、頸部伸展角度は89.0±6.0°(ICC 0.71)であった。「二次元法頸椎彎曲角度」は頭部伸展角度と負の相関(r=-0.7)、「ゲージ法彎曲指数」と頭部伸展角度は正の相関(r=0.7)がみられたが、頸部伸展角度ではいずれの彎曲角度・指数とも有意な相関関係はみられなかった。【考察】 「二次元法頸椎彎曲角度」と「ゲージ法彎曲指数」では高い再現性が得られた。各測定値と頭・頸部伸展角度の相関関係は、「二次元法頸椎彎曲角度」では頭部伸展角度と負の相関関係、「ゲージ法彎曲指数」では頭部伸展角度と正の相関関係が認められ、頸椎の彎曲が大きいほど頭部が伸展することが示された。よって「二次元法頸椎彎曲角度」と「ゲージ法彎曲指数」は、頭部伸展に伴う頸椎彎曲のアライメント変化を表している可能性が考えられる。「二次元法頸椎彎曲角度」は、二次元動作解析を用いて頭部や胸椎、腰椎、下肢の関節を全身のアライメントを測定する際に同時に頸椎の彎曲を測定することが可能であるという点で有用であると考える。高齢者の姿勢変化を脊柱変形のみでなく頭部位置にも注目した報告があり、加齢による姿勢の変化は、胸椎や腰椎のみだけでなく頸椎にも及んでいると考えられる。そのため、加齢による姿勢変化を胸椎や腰椎のみの測定だけでなく頸椎彎曲角度を測定することで新たな知見を得ることが出来ると考える。「ゲージ法彎曲指数」は、3方法のうち最も再現性が高く、より簡便であったため頸椎のアライメントを測定する際には、臨床適用が容易な方法である。頸部痛や顎関節機能障害などにおいて頭頸部の水平軸に対する傾きを評価指標にすることが多いが、頸椎の彎曲アライメントを測定することで新たな知見を得ることが出来ると考える。今後、X線画像によって計測した頸椎彎曲角度との比較などから妥当性を検討する必要がある。【理学療法学研究としての意義】 臨床適用が容易で非侵襲的な頸椎の彎曲角度を作成するための基礎資料が得られ、加齢による姿勢変化を呈する高齢者の姿勢評価や治療法への発展が期待できる。