著者
奥村 雅彦 中村 博樹 町田 昌彦
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.135-142, 2013-03-10 (Released:2013-03-22)
参考文献数
25
被引用文献数
1 5

Since large amounts of radioisotopes of Cs was released after the accidents at Fukushima Daiichi nuclear powerplants, a tremendous number of scientists and engineers have faced several issues in terms of decontamination ofradioactive Cs. In this paper, we present our recent two computational works based on density functional theory, one of which is to clarify mechanism of strong adsorption and retention of Cs in clay minerals to establish an effective Cs removal scheme from large amounts of radioactive wastes left by decontamination activities, and the other of which is to reveal why zeolites can selectively catch Cs even in the presence of other minerals and to make a guideline to create a more improved materials to remove Cs as well as other radioactive ions.
著者
下山 巌 奥村 雅彦 小暮 敏博 町田 昌彦 馬場 祐治 本田 充紀 岡本 芳浩
出版者
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

H28年度において実施した研究の実績概要は以下の通りである。1.高温低圧環境高速X線回折(XRD)装置及び蛍光X線分析装置(XRF)の導入:複数の候補からリガク製XRD装置SmartLab3を選定し、低圧加熱実験可能な電気炉と2θに対して10°以上の範囲の同時測定可能な高速2次元検出器を併用することで、加熱時及び冷却時の構造変化をその場観察できる装置を導入した。また、XRF装置も導入した。2.アルカリ塩化物試薬におけるカチオン依存性の解明:非放射性Csを収着させた風化黒雲母(WB)をモデル土壌とし、CaCl2とKCl単塩をそれぞれ添加した際のXRD、XRF測定を行った。CaCl2添加により700℃低圧加熱で100%のCs除去率を確認した。一方、KCl添加では約50%のCs除去率となった。また、CaCl2添加時はXRDパターンが大きく変化したのに対し、KCl添加ではWBの構造がほぼ保たれた。これらの結果から同じ塩化物でも1価と2価のカチオンではWBからのCs脱離過程が異なることを明らかにした。また、昇温脱離法(TDS)を用いた分析でもCaCl2添加時にCs脱離が促進されることを確認した。X線吸収分光法(XAFS)を用いた加熱中のその場観察の研究ではNaCl-CaCl2混合塩へのCs溶出が観察された。それと共に、600℃付近より高温側と低温側でCs脱離過程が異なる可能性を見いだした。以上の知見に関しては欧文誌に論文発表すると共に、国内外の学会において報告を行った。3.福島汚染土壌による実証試験:福島の帰還困難区域から粘土質汚染土壌を採取し、加熱処理による放射能変化をNaI検出器により調べた。その結果、KCl、MgCl2試薬では低圧加熱の方が大気加熱よりも高い放射能減衰率が得られたがCaCl2試薬では両者で大きな差が見られず750℃大気加熱で約97%の放射能減衰が得られた。
著者
奥村 雅彦 中村 博樹 町田 昌彦
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.266, 2014 (Released:2014-09-12)

福島第一原発事故によって環境中に放出された放射性セシウムは、土壌に強く吸着され、住民避難の主な原因となってる。現在大規模な除染が行われているが、除染後の廃棄土壌の減容化手法開発や貯蔵の安定性評価のためにはさらなる科学的知見が必要とされている。このような事情を鑑み、我々は放射性セシウムを選択的かつ不可逆的に吸着することが知られている風化した雲母類粘土鉱物のセシウム吸着海底に付いて密度汎関数法を用いて解析を行った。その結果、風化が進んだ場合にセシウムを吸着する事がわかった。また、雲母類粘土鉱物とセシウムの間に共有結合成分を発見した。講演では、これらの結果を踏まえた減容化手法開発の可能性や貯蔵における安定性等の議論も行う予定である。
著者
奥村 雅彦
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.96, no.6, pp.617-656, 2011-09-05

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著者
奥村 雅彦
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2004-03

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1890号 ; 学位の種類:博士(理学) ; 授与年月日:2004/3/4 ; 早大学位記番号:新3765