- 著者
-
中村 仁美
岩森 光
千葉 紀奈
中井 俊一
木村 純一
常 青
風早 康平
- 出版者
- 一般社団法人日本地球化学会
- 雑誌
- 日本地球化学会年会要旨集 2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
- 巻号頁・発行日
- pp.238, 2014 (Released:2014-09-12)
近年,我々は,初めて有馬温泉水中の希土類元素(REEs)の定量とともに,Sr-Nd-Pb同位体比組成を得ることに成功した(Nakamura et al., accepted).これは,低温(~500度)で脱水したスラブ起源流体の組成と河川水の混合で説明することができ,スラブ起源流体は非火山域であっても,構造線などの大断層沿いに上昇している可能性があることを示唆する.本研究では,溶存イオン種と濃度,軽元素同位体情報を基に,中央構造線沿いの有馬型温泉水を調査・採水し,標準添加法によりREEs組成を定量分析する.これらの結果に基づき,スラブ起源流体を含む有馬型温泉水の特徴が,非火山域である西南日本から,火山域も含む中部日本にかけて,どのように変化するかについて制約を与える.