著者
堀口 兵剛 中嶋 克行 姫野 誠一郎 松川 岳久 小松田 敦 千葉 百子
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

鉱山由来の秋田県のカドミウム(Cd)汚染地域において、集落単位の住民健康診断と、腎機能低下患者を対象とする医療機関におけるCd腎症スクリーニングを実施した。多くの集落において農家中心の地元住民は自家産米摂取により現在でも高い体内Cd蓄積量を示した。Cdによる腎尿細管機能への影響は全体的には明確ではなかったが、Cd腎症と考えられる高齢患者が認められた。スクリーニングによりイタイイタイ病(イ病)患者を疑う人も見つかった。以上より、秋田県のCd汚染地域では現在でもCd腎症やイ病の患者が潜在するため、今後も住民のCdによる健康影響についての経過観察を継続する必要があると考えられた。
著者
姫野 誠一郎 松尾 直仁 鈴木 継美
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.31-39, 1989-01-31 (Released:2010-06-28)

マウスの飼育環境が,個体数増加や行動にどのような影響を及ぼすかを調べるため,実験室内でマウスを自由に繁殖させながら長期間飼育することのできる「populationcage」を製作した。「populationcage」は,openfield(1m×1.5m)とそれに接続した多数の小ケージとから成る。4週齢のICR系マウスの雌雄各4匹ずつを導入し,以後約20週間にわたって自由に繁殖させ,総個体数,性・年齢別個体数構成,出生・死亡数,及び種々の行動について観察を行なった。本研究においては,餌の供給量や居住空間を変化させ,個体群の大きさを制御する要因の解析や,密度増加に伴うマウスの行動変化等について検討した。餌を十分に摂取させた場合,総個体数の増加はほぼ直線的であった。その際,哺育仔総数の増加に伴い,他の哺育仔に押しのけられて授乳されずにいる新生仔の死亡率が著しく増加した。餌の供給量を制限した場合,マウスの総個体数は180匹に達して以降全く増加せず安定した。居住空間を様々な広さに変化させた場合,openfieldに出て来て授乳を行なったり,あたかも壁を越えようとするようにマウスが跳び上がったり等の特徴的な行動が観察されたが,それらの行動が初めて観察された日の個体数密度は,いずれの広さの場合においてもほぼ同じ値であった。
著者
籔 道弘 桐山 和男 谷口 雅厚 岩尾 憲人 姫野 誠一
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.2086-2092, 2003-10-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
12

2日前に大量の唐辛子ソースを飲用した51歳,男性.食事中に激しい口論になった夕食後,上胸部に痛みがあり嘔吐した.痛みは心窩部まで拡がり激痛となり,翌日当院に入院.内視鏡検査で上部食道に潰瘍があり,その肛側端より食道下端部まで続く巨大な粘膜下血腫を認めた.保存的治療により症状は軽快した.粘膜下血腫の破裂後,長い帯状の潰瘍が形成されたが,第21病日には治癒した,発症に香辛料の関与が推定された.
著者
姫野 誠一郎 藤代 瞳
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.141, no.5, pp.695-703, 2021-05-01 (Released:2021-05-01)
参考文献数
31
被引用文献数
7

Cellular transport systems for both essential and toxic trace elements remain elusive. In our studies on the transport systems for cadmium (Cd), we found that the cellular uptake of Cd is mediated by the transporter for manganese (Mn). We identified ZIP8 and ZIP14, members of the ZIP zinc (Zn) transporter family, as transporters having high affinities for both Cd and Mn. Notably, the uptake of Cd into rice root from soil is mediated by a transporter for Mn as well. We found that ZIP8 is highly expressed at the S3 segment of the kidney proximal tubule and can transport glomerulus-filtered Cd and Mn ions in the lumen into epithelial cells of the proximal tubule, suggesting that ZIP8 has an important role in the renal reabsorption of both toxic Cd and essential Mn. Mutations in ZIP8 and ZIP14 genes were found in humans having congenital disorders associated with the disturbed transport of Mn, although ZIP8 mutation causes whole-body Mn deficiency while ZIP14 mutation causes Mn accumulation in the brain. Mutations in ZnT10, a Zn transporter responsible for Mn excretion, also cause hyperaccumulation of Mn in the brain. Results of genome-wide association studies have indicated that ZIP8 SNPs are involved in a variety of common diseases. Thus, ZIP8, ZIP14, and ZnT10 play crucial roles in the transport of Mn and thereby control Mn- and Cd-related biological events in the body.