著者
宇陀 則彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.390-395, 2007-08-01

本稿は電子図書館の評価を複雑にしている要因を実証的観点から明らかにし,質的評価の重要性を主張する。その上でWebユーザビリティの議論を取り入れながら,「電子図書館としての使い勝手」を導き出す。さらに,電子図書館利用による「知的生産の向上度」を電子図書館のアウトカムとして提案する。
著者
宇陀 則彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第4回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.131-134, 2007 (Released:2007-10-10)
参考文献数
2

筑波大学附属図書館では、2006年3月に電子図書館システムの更新をおこなった。新システムのメインコンセプトの一つはポータルであったが、期待していたほどの効果はなかった。その原因を探るため、利用者への聞き取り調査を行ったところ、ポータルデザインが利用者の予想イメージと一致しないこと、利用者は必ずしもポータルを出発点としないこと、情報資源へアクセスする際の道筋も多様であることなどが原因であることが明らかになった。これらのことから、図書館ポータルをデザインする際には、利用者のシステムに対するメンタルモデルを予測し、複数のアクセスパスを適切に設定することが重要であることを導いた。さらに、ベンダーごとの仕様の違いがポータル構築の障害になることを指摘した。
著者
松村 敦 柿島 大貴 宇陀 則彦
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.143-148, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

ひとり読みを始める前の子どもには,大人が絵本を選ぶ必要があるが,膨大な絵本の中から子どもにあった絵本を見つけ出すことは難しい.そこで本研究では,子どもの質問にその子どもの興味が現れることに着目し,子どもの質問を利用したソーシャル絵本推薦システム「ぴくぶく」を構築した.「ぴくぶく」では,親によって記録された子どもの質問は他の利用者に共有され,子どもの質問を介して絵本を推薦し合うことができる.本システムの有効性を検証するために,親子25組を対象に評価実験を行なった.
著者
高久 雅生 江草 由佳 宇陀 則彦 石塚 英弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.102, pp.119-128, 1999-11-30

Z39.50は情報検索のための国際標準プロトコルで、現在各国で実装が進められつつある。筆者らはこのZ39.50プロトコルを通じてDublin Core Matadata Element Setを共通スキーマとして検索・返戻できる書誌データ検索システムを構築した。今回、対象としたデータはJAPAN/MARCの日本語書誌データで、これをDublin Coreに変換した。本稿ではこのZ39.50検索システムについて報告する。This paper describes a Z39.50-based information retrieval system which can search bibliographic data through the Dublin Core Metadata Element Set as a common schema. The system consists of a metadata conversion module, a Z39.50 server, and a database module. The metadata conversion module converts from JAPAN/MARC records to Dublin Core metadata represented by RDF. The Z39.50 server searches through Dublin Core access point. The database module parses Dublin Core metadata written in XML, and makes index of metadata.