著者
西川 浩平 松村 敦 宇陀 則彦
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.405-406, 2020-02-20

新卒の就職活動では,就職活動生が企業にエントリーシート(以下,ES)を提出し,企業がそのESを元に採用を判断するという過程が一般的となっている.ESには,志望動機や自己PRなどを書くよう求められており,企業に 採用された就職活動生のESを分析することで,各企業がどのようなパーソナリティを持った人材を求めているかを推定することが可能である.そこで本研究では,テキストデータであるESに対して機械学習を用いることで,どの企業に提出されたESであるかの推定を行った.本発表では,その推定結果と分析結果を報告する.
著者
宇陀 則彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.150-154, 2006-04-01 (Released:2017-05-19)
参考文献数
19

図書館システムは図書館員のための業務用システムから利用者のためのアクセス支援システムへと大きく位置づけを変えた。アクセス支援システムとは,サービス機能が有機的に連携した統合型ソフトウェア環境を指す。このようなシステムを実現するためには,新しい図書館サービスを発想できる人材が求められる。システムライブラリアンはサービスと技術の両方の視点を持って新しいアイディアを生み出す創造的職業であり,役割は違ってもライブラリアンであることに変わりない。システムライブラリアン育成には,網羅的,横断的,複眼的カリキュラムが必要であり,そのうち最も重要なのは複眼的な視野を持たせることである。
著者
三島 大暉 宇陀 則彦
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.51-70, 2021-02-28 (Released:2021-03-26)
参考文献数
33

2019年4月に改正文化財保護法が施行され,地域における文化遺産の活用が重視されるようになった.しかし,地域で活用が期待される文化遺産の情報は発見されにくい現状がある.本研究では,そのような地域文化遺産情報の発見可能性の向上のため,市区町村がWebに公開する文化財リストを地域文化遺産情報のコア情報として集約し,Linked Dataにより他の情報源との連携を可能とするメタデータモデルおよびシステムの機能要件を提案した.本メタデータモデルおよび機能要件に基づき,「地域文化遺産情報発見支援システム」を構築して評価した結果,市区町村が刊行・公開する書籍やWeb情報を含む信頼性の高い地域文化遺産情報を横断して発見できることを確認できた.
著者
松村 敦 末次 美央 宇陀 則彦
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.169-176, 2008-05-23 (Released:2008-09-08)
参考文献数
5
被引用文献数
1

辞書を読み物として活用することを目的として,語の関連性に着目した辞書リーディングシステムを構築した.本システムは,1 つの語を引くと,同音異義語,反義語,有名フレーズに共起する語など7 種類の関連語を提示する.これによって,利用者は興味を持つ語をたどることが可能となり,辞書を読み進めることができる.実際にシステムを利用してもらい,アンケートを実施したところ,辞書を面白く読み進めるためには,未知の語・未知の関連の発見が重要であることが示された.
著者
鈴木 優実 松村 敦 宇陀 則彦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-143, no.6, pp.1-7, 2018-02-10

2020 年から初等 ・ 中等教育でのプログラミング必修化が決定され,プログラミング初学者への教育の重要性が増している.プログラミング教育では,文法,アルゴリズムなど様々な要素を学習する必要があるが,初学者はプログラムの構成段階で行き詰まってしまう問題を抱えている.これに対処するため,プログラムの構成を考える手法のひとつであるアルゴリズム的思考法を用いた学習システムを提案した.大学生 10 名を対象とした評価実験を行い,一定の支援効果がみられた.
著者
石川 大介 宇陀 則彦 石塚 英弘
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.101(2002-FI-069), pp.39-44, 2002-11-06

機械可読な大規模な学術論文の情報として、NII-NACSISコレクションがある。これを用いて、論文の標題におけるキーワードの使われ方を調べ、その中の特定の構文パターンに注目して、用語間の意味関係の抽出を試みた。本研究では、品詞情報を必要としない手法を使い、三つ以上の用語間の意味関係を記述する構文パターンについて実験した。その結果、単純な意味関係を明確に記述する構文パターンを利用することにより、意味関係を抽出できることを見い出した。
著者
水嶋 英治 吉田 右子 宇陀 則彦 白井 哲哉 逸村 裕 大庭 一郎 阪口 哲男 原 淳之 平久江 祐司 松村 敦
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究はアーカイブ技術を導入し「21世紀図書館情報専門職養成研究基盤アーカイブ」を構築するとともに日本の図書館専門職養成史を再検討することを目的とする。筑波大学図書館情報メディア系の前身組織関係資料の解明に向け、図書館情報専門職教育関係史料に関して包括的研究を実施した。本研究で遂行した研究課題は(1)文献資料・実物資料の精査と電子化のための選別・整理および文献資料補足のための聞き取り調査(2)現物資料の整理・展示および組織化、文献資料の部分的電子化、多言語インタフェース設計(3)図書館職養成史に関わる現物資料群の同定とアーカイブ活用可能性の検討(4)図書館情報学教育史の批判的再検討である。
著者
森嶋 厚行 川島 隆徳 原田 隆史 宇陀 則彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.13, pp.1-4, 2015-05-09

近年,クラウドソーシングは問題解決の新しいアプローチとして注目を集めている.本講演では,クラウドソーシングの応用事例として,クラウドソーシングプラットフォーム Crowd4U を用いた NDL データ利用プロジェクトについて説明する.Crowd4U は,非営利・公益・学術目的のクラウドソーシングプラットフォームであり,公益と学術のタスクが稼働している.Crowd4U は大学によって開発が行われており,プロジェクトの要望に応じて様々な機能追加が日々行われている.L-Crowd プロジェクトは,Crowd4U 上で NDL データを用いて行われているプロジェクトの一つであり,ISBN による書誌同定における誤り (書誌誤同定) の判定をマイクロタスクで行おうというものである.本講演では,本事例の紹介を通じて,クラウドソーシングを利用した公益・学術プロジェクトの可能性を議論したい.
著者
田中 僚 松村 敦 宇陀 則彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-2, 2015-05-09

近年,様々なデジタルアーカイブが増加している.しかしながら,ほとんどのデジタルアーカイブは利用者が原資料の構造を理解できるように構築されていない.利用者はフォンド,サブフォンド,シリーズ,ファイルを個別ではなく文脈の中でとらえることではじめて,原資料の構造を理解する.本研究では原資料の構造を反映したデジタルアーカイブを構築し,資料ページへのアクセスを制限した.これにより,利用者は構造の順にのみアクセスすることになる.その結果,利用者は原資料の構造を文脈として理解することが可能になった.
著者
松村 敦 根岸 舞 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.157-160, 2014

絵本の読み聞かせを効果的に行うための読み手と聴き手のコミュニケーションの1つとして,絵本の読み聞かせ後の問いかけが子どもに与える影響について検討した.具体的には,物語理解とイメージ形成の2つの側面における子どもへの影響を実験的に明らかにすることを目的とした.年長児81名に対して,物語理解への影響を見る実験とイメージ形成への影響を見る実験の2つの実験を行った.それぞれの実験で,問いかけをする質問群と問いかけをしない統制群の2グループに分けて,物語理解度を測るテスト,イメージ形成量を測るテストを行い,分析対象として62名分のデータを得た.実験の結果,物語理解度は質問群の方が統計的に有意に高いことが示され,イメージ形成量は質問群の方が低いという有意傾向が示された.
著者
松村 敦 根岸 舞 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.157-160, 2014

絵本の読み聞かせを効果的に行うための読み手と聴き手のコミュニケーションの1つとして,絵本の読み聞かせ後の問いかけが子どもに与える影響について検討した.具体的には,物語理解とイメージ形成の2つの側面における子どもへの影響を実験的に明らかにすることを目的とした.年長児81名に対して,物語理解への影響を見る実験とイメージ形成への影響を見る実験の2つの実験を行った.それぞれの実験で,問いかけをする質問群と問いかけをしない統制群の2グループに分けて,物語理解度を測るテスト,イメージ形成量を測るテストを行い,分析対象として62名分のデータを得た.実験の結果,物語理解度は質問群の方が統計的に有意に高いことが示され,イメージ形成量は質問群の方が低いという有意傾向が示された.
著者
松村 敦 古川 沙希子 宇陀 則彦
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.15-31, 2007 (Released:2007-03-06)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

現在,博物館などの持つ多様な情報資源を共有化し,提供しようとする動きが盛んである.しかし,これまでのシステムは,共有データの設計の議論が主で,利用者への提供方法に関する十分な議論がなされていない. そこで本研究では,資源共有システムにおける情報提供方法を検討するためには,利用者の検索行動を詳細に分析する必要があると考え,検索プロセスの記録とインタビュー・発話分析を組合せた検索行動調査を行なった. 調査の結果,全エレメントを一度に検索できるANY は利用者の検索支援には重要であること,Title のように格納されている内容の分かりやすいエレメントは効果的に利用できること,Date のように検索に有効であっても,内部のデータ形式が不明な場合には利用されにくいことなどが分かった.これらの結果をもとに,資源共有システムでの検索エレメントの設計についての考察を行なった.
著者
常川 真央 松村 敦 宇陀 則彦
出版者
Japan Society for Information and Media Studies
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.42-51, 2013

近年,ウェブ上で読書状況を公開し,他人と感想などを伝え合う読書支援ウェブサービスが盛んになっている.読書支援ウェブサービスでは,読者同士のコミュニケーションを支援するために,興味が類似したユーザとの出会いを支援する機能が不可欠である.そこで本研究では,類似の読書傾向を持つ読者を発見する手法として"NDC ツリープロファイリング"を提案する.NDC ツリープロファイリングは,日本十進分類法 (NDC) に基づいてユーザの読書傾向からツリー状のユーザプロファイルを作成する.そして,ユーザ同士のプロファイルを比較することにより,読書傾向の類似したユーザを発見する.評価実験を行った結果,ランダム推薦方式に対して本手法が統計的に有意に精度が向上した.一方,共通書籍冊数による手法と TF-IDF によるベクトル空間モデルを利用した手法に対しても精度は高かったものの,統計的に優位な差はなかった.十分な精度向上はできなかったものの,本研究で提案した NDC ツリープロファイリングは,階層構造を持ち,階層毎の重みを調節することでより繊細にユーザの関心を捉えられる可能性を持っている.さらなる調整を行なうことでより有効な類似読者発見を実現できる可能性がある.
著者
林 宏美 宇陀 則彦 松本 浩一 二階堂 善弘
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.36-45,46, 2002
被引用文献数
2 1

本論文は道教の教典「正統道藏」に含まれる道教呪術の理論的解説書「道法會元」の電子化実験について報告する。道法會元は宋から元の時代にかけて成立したといわれ、道教の儀式に用いられる符などの図が中心の資料である。歴史資料を電子化する際にはその資料の特徴を考慮した電子化が必要である。道法會元では、図と文字が混在しているという特徴を活かす視点で、図の論理構造を記述する電子化を行い、WWWベ一スの「道法會元」検索システムを実現した。また、電子化作業の際に発生する問題点について考察した。
著者
松村 敦 岡本 穂高 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.93-96, 2010
被引用文献数
2

本研究では,子どもの視点を考慮した絵本推薦システム構築のための基礎的準備として,子どもの好みと絵本の主題との関係性を捉える方法を検討した.実際に,34組の親子による絵本の読み聞かせ場面をビデオで撮影し,子どもの反応を記録した.次に,ビデオを分析し,反応の強弱によって子どもに好まれる絵本のページを特定した.最後に,各ページの主題を抽出し,子どもの好みと主題との関係性を分析した.その結果,21.4%のページには反応がなく子どもの好みとは無関係であることを示した.また,ページ毎に子どもの好みと主題とを結びつけて分析することで,より詳細な関係性を捉えられる可能性を示した.