著者
高橋 英之 三船 恒裕 守田 知代 森口 佑介
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

文化や社会に応じて超自然的存在の感じ方には大きな個人差が存在している一方,文化普遍的に何らかの形でそのような存在に関する伝説や神話が存在していることは,子どもの心の中に元型となるメカニズムが存在するからと考えられる,本研究では,子どもが超自然的存在を感じるようになるメカニズムを明らかにするため,fMRIで実行可能なリズム同期とパレイドリア錯覚を組み合わせた課題をオリジナルな開発,大人と子どもを対象として行動・fMRI実験を実施した.結果,リズムが同期すると錯覚が生じやすくなるという現象を大人と子供両方で発見した.この現象をベースに,子どもが超自然的存在を知覚するメカニズムについて考察を行った.
著者
高橋 英之 伴 碧 佐武 宏香 遠藤 信綱 守田 知代 浅田 稔 下條 信輔
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.395-399, 2015-09-18

正弦波に応じてリズムを変動させる太鼓をたたくぬいぐるみロボットを開発,正弦波のパラメータがどのようにその ロボットとの被験者のリズムインタラクション(交互太鼓たたき課題)における主観的感覚に影響を与えるのかにつ いて調べてきた.その結果,リズムを決める正弦波周期が長くなればなるほど,ロボットが被験者に追従していると いう社会的感覚が生じ,その結果,ぬいぐるみロボットに対する親しみなどの主観的印象が向上することが示された.
著者
小坂 浩隆 田邊 宏樹 守田 知代 岡本 悠子 齋藤 大輔 石飛 信 棟居 俊夫 和田 有司 定藤 規弘
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.255-261, 2012 (Released:2017-02-16)
参考文献数
21

自閉症スペクトラム障害(ASD)の中核症状である社会性障害の脳基盤を解明するために,青年期の高機能ASD群に対して,共同研究機関とともに行ってきたfMRI研究を一部紹介する。自己顔認知課題においては,ASD群は自己顔認知処理がなされる後部帯状回の機能低下と情動処理に関わる右島の賦活異常を認め,認知と情動的評価に解離がみられた。相互模倣課題においては,自己動作実行と他者動作観察の同一性効果を求め,ASD群は左側の extrastriate body area の賦活が不十分で,症状重症度と逆相関を認めた。アイコンタクト・共同注視課題における2 台 MR同時測定(Dual-fMRI)においては,ASD群は視覚野の賦活低下を認めたほか,定型発達者ペアで認められた意図の共有を示す右下前頭葉活動の同調性が認められなかった。これらの脳領域が,ASD の social brain markerになる可能性があると考えられた。
著者
小坂 浩隆 田邊 宏樹 守田 知代 岡本 悠子 齋藤 大輔 石飛 信 棟居 俊夫 和田 有司 定藤 規弘
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.255-261, 2012

自閉症スペクトラム障害(ASD)の中核症状である社会性障害の脳基盤を解明するために,青年期の高機能ASD群に対して,共同研究機関とともに行ってきたfMRI研究を一部紹介する。自己顔認知課題においては,ASD群は自己顔認知処理がなされる後部帯状回の機能低下と情動処理に関わる右島の賦活異常を認め,認知と情動的評価に解離がみられた。相互模倣課題においては,自己動作実行と他者動作観察の同一性効果を求め,ASD群は左側の extrastriate body area の賦活が不十分で,症状重症度と逆相関を認めた。アイコンタクト・共同注視課題における2 台 MR同時測定(Dual-fMRI)においては,ASD群は視覚野の賦活低下を認めたほか,定型発達者ペアで認められた意図の共有を示す右下前頭葉活動の同調性が認められなかった。これらの脳領域が,ASD の social brain markerになる可能性があると考えられた。