著者
安本 護 池田 尚志 豊倉 完治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.423, pp.87-95, 1994-12-16

マルチメディア環境の進展に伴い、従来のような画一的なフォントだけではなく、多様なフォントデザインが求められるようになってきている。その中に、ユーザの個性を表現できる手書き風文字を望むものがある。しかしながら、日本語文書の表現には非常に多くの漢字が必要であり、これをユーザごとにデザインすることは事実上不可能である。そこで、我々は漢字の構造的特徴に着目し、漢字をへんやつくりなどの部分字形に分解し、その組合せによって手書き風フォントを自動生成することを考えた。本稿では、常用漢字1945文字を対象に入力された手書き文字データから基本部分字形及び漢字生成規則を抽出して個性的なフォントの生成を試みた。
著者
本郷 仁志 安本 護 渡辺 博己 ジャンクリストフ テリヨン 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.443, pp.7-12, 2000-11-10
被引用文献数
16

多視点カメラ画像から人物の性別、年齢、顔向きなどの情報をセンシングすることで、その人物の意図を推察し活動を支援する空間(パーセプトルーム)の構築を目的として、幅広い年齢層から男女均等に顔画像を水平24方向・垂直7方向各15度間隔の168方向から収集した300名のデータベースを開発している。本稿では、パーセプトルームのプラットフォームとなる多視点画像収集システムとそれを用いて収集した多方向顔画像データベースについて述べる.本データベースを用いて顔部品抽出した結果について報告する。
著者
安本 護 本郷 仁志 渡辺 博己 山本 和彦 輿水 大和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1772-1780, 2001-08-01
被引用文献数
27

本論文では,複数方向の顔画像から抽出した4方向面特徴を用いて,顔向きによらない人物識別と人物によらない顔向き推定を実行する手法について述べる.また,複数のカメラで異なる方向から画像を取得し,各カメラの識別器出力を統合するマルチカメラ協調手法も提案する,人物識別実,験では,1台のカメラで296°の顔向き範囲に対して平均92.9%の認識率が得られた.顔向き推定実験からは,推定誤差の平均が4.5°以下,分散が11.0という結果を得た.また,8台のカメラから得た情報を統合する処理が,人物識別のオクルージョン耐性や顔向き推定の精度向上に効果的であることを示した.
著者
安本 護 池田 尚志 堀井 洋
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J80-D2, no.11, pp.2930-2939, 1997-11-25

パーソナルコンピュータや日本語ワープロを用いた文書作成において,ユーザ自身の個性的なフォントを使いたいという要求が潜在している.ところが,日本語文書の表現には数千もの文字が必要であるため,個人でフォントを登録することは困難である.本論文では,少数の手書き入力文字をもとにユーザの個性を反映した手書き風フォント一式を生成する手法を提案する.この手法は,複数の人が筆記した手書き文字データを基準パターンとし,これに非線形の幾何学的変形を加えた後,線形結合して手書き風文字の生成を行うものである.大域的個人性を表現する非線形変換のパラメータと局所的個人性を表現する線形結合のパラメータは少数のユーザ手書き文字から決定する.また,これら二つの個人性を個別に調整するパラメータを導入し,ユーザによる個人性制御も可能とした.文字間距離に基づく客観的評価と19名の被験者による主観的評価の結果,ユーザの個人性を反映した手書き風文字が生成できることが確認できた.