著者
佐久間 夕美子 友藤 裕美 宮内 清子 佐藤 千史
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-19, 2008-04-30

本研究の目的は,コンピュータ操作演習開始時のチョコレートの摂取による演習終了時の疲労の影響を明らかにすることである。調査は3時間のパソコンを用いた情報処理演習で実施した。対象者は看護学生45名とし,演習開始時,無作為にチョコレート群・黒砂糖菓子群・コントロール群に分けられた。全ての対象者は,演習開始時に現在の疲労の自覚症状を尋ねる調査用紙に回答した。その後,対象者はチョコレート,または黒砂糖菓子を摂取し,コントロール群は何も摂取せずに演習を開始した。演習終了時,全ての対象者が演習開始時と同じ内容の調査用紙に回答した。演習開始時の疲労感は,チョコレート群で有意に低かった(p<0.05)。コンピュータ演習開始時・終了時の疲労を比較した結果,チョコレート群は集中力が有意に維持されていた(p<0.05)。さらに,演習的8時間以内に甘いものを摂取しなかった者でも,チョコレート群ではイライラ,精神的な疲労が抑制されていた(p<0.05)。以上の結果から,作業前のチョコレート摂取は集中力の維持や精神を安定させる効果をもつ可能性が示唆された。
著者
佐久間 夕美子 友藤 裕美 宮内 清子 佐藤 千史
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-19, 2008-04-30 (Released:2017-12-28)
参考文献数
10

本研究の目的は,コンピュータ操作演習開始時のチョコレートの摂取による演習終了時の疲労の影響を明らかにすることである。調査は3時間のパソコンを用いた情報処理演習で実施した。対象者は看護学生45名とし,演習開始時,無作為にチョコレート群・黒砂糖菓子群・コントロール群に分けられた。全ての対象者は,演習開始時に現在の疲労の自覚症状を尋ねる調査用紙に回答した。その後,対象者はチョコレート,または黒砂糖菓子を摂取し,コントロール群は何も摂取せずに演習を開始した。演習終了時,全ての対象者が演習開始時と同じ内容の調査用紙に回答した。演習開始時の疲労感は,チョコレート群で有意に低かった(p<0.05)。コンピュータ演習開始時・終了時の疲労を比較した結果,チョコレート群は集中力が有意に維持されていた(p<0.05)。さらに,演習的8時間以内に甘いものを摂取しなかった者でも,チョコレート群ではイライラ,精神的な疲労が抑制されていた(p<0.05)。以上の結果から,作業前のチョコレート摂取は集中力の維持や精神を安定させる効果をもつ可能性が示唆された。
著者
野村 美千江 豊田 ゆかり 中平 洋子 柴 珠実 宮内 清子
出版者
日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.53-59, 2007-03-30

目的:認知症者の自動車運転は,公共安全の問題であると同時に病者の自立性に関わる問題である.本研究は,初期認知症者が自動車運転を中止する過程とその関連要因を記述することを目的とする.方法:対象は大学病院を受診し車の運転中止を勧告された初期認知症者13名とその介護者.平成15年10月〜17年12月の間,病者と介護者に半構造化面接と継続的な家族相談を実施した.カルテ・面接の逐語録・相談記録から病状経過,運転行動,中止要請への反応,介護者の認識と対応,生活環境等のデータを収集し,運転中止の過程と運転中止を困難にする要因を質的に分析した.結果:研究終了時点において,8名は運転を中止し5名は運転を継続していた.中止した8名は全員が自動車事故を起こし,診断から運転を断念するまでに5年を要した事例もあった.運転中止を困難にする要因は,同居家族の無免許や生活上の必要性,代替交通確保の難しさ,家族介護者の負担の増大などで,若年発症や身体能力が高い場合は中止がより困難であった.運転中止の過程において介護者は,病者の説得に苦労し,家族内の対立や近隣との軋轢など種々のストレスを体験していた.車のない生活への適応には家族の対応が影響していた.結論:認知症ドライバーを早期に発見し,病態や家族の問題解決力に見合った介護者相談や外出援助の資源開発等を行うことによって,運転中止後の生活適応を助ける必要がある.
著者
白木 由花 宮内 清子 佐久間 夕美子 佐藤 千史
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.25-30, 2008-07-31 (Released:2017-12-28)
参考文献数
13

本研究はヨーガ・プログラムが医療職者の腰痛に及ぼす効果および改善の関連要因について検討することを目的とした。ヨーガ・プログラムは太陽礼拝と3つのポーズで構成した。このプログラムはシンプルにデザインされ,容易に実施可能であった。対象者は,看護師および介護職員の11名とし,6分間のプログラムを自宅で2週間実施した。対象者はプログラム実施前に現在の腰痛の程度,年齢,職種,在職期間について回答した。また,プログラム終了後,腰痛の程度とヨーガ・プログラムの感想を回答した。ヨーガ・プログラム実施回数の平均は9.5±2.8回,最小で4回,最多が14回であった。ヨーガ・プログラム実施後,対象者の腰痛は有意に改善した(p<0.01)。しかし,看護・介護歴,年齢,実施回数は腰痛の変化と相関しなかった。ヨーガ・プログラム感想では,「体が温まった」「汗がでた」といった記述がみられた。本研究で作成したヨーガ・プログラムは医療職者の腰痛の緩和に効果的と考えられる。
著者
宮内 清子 望月 好子 石田 貞代 佐藤 千史
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.433-441, 2009-01
被引用文献数
1

目的:中高年女性の就業形態が更年期症状にどのように影響しているかを明らかにし,今後の健康支援において主たる対象とすべき集団の特性とその課題をみつけることを目的とした。方法:対象者は40〜65歳までの女性とし,都内および近郊に在住の某女子大学学生の母親および大学関係者から公募した。調査協力に同意の得られた220名を対象として,自己記入式質問紙調査を実施した。調査内容は,属性,生活習慣,健康情報入手方法,健康相談相手,将来の健康不安,更年期症状とした。更年期症状は簡略更年期指数(SMI)を用いて調査した.また,医学中央雑誌で先行研究を検索し,SMIの得点を比較した。結果:SMI得点は先行研究における一般女性とほぼ同様の結果であった。SMIの得点を就労形態別に5群で比較したところ,就業形態によってSMI得点に有意な差がみられた(p=0.049)。症状別にみると,自営業群は他の群と比較して「怒りやすくいらいらする」「くよくよしたり,憂うつになったりする」「頭痛・眩暈・吐き気がよくある」などの精神的症状が有意に高かった。結論:就業形態別に更年期症状を検討した結果,就業形態によってSMI得点に有意な差がみられた。特に自営業群の精神的な症状が,他の群に比べて有意に高かった。このことから自営業の中高年女性に精神面の支援の必要性が示唆された。
著者
藤本 薫 高橋 真理 眞茅 みゆき 宮内 清子 稲次 潤子 大蔵 由美
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、更年期女性の健康行動の促進に向けて、セルフコーチングを基本としたプログラムを作成し、評価を行うことを目的とした。更年期症状を有する45-55歳の女性を対象に、更年期の健康に関する情報およびセルフコーチングを促す記事について、ホームページを作成し、63日間更新した。対照群17名、介入群16名をITT解析した結果、簡略更年期指数、自己効力感、健康関連QOLの得点および平均歩数における介入前後の差の比較では、いずれも有意な差は認められなかった。ホームページを利用した情報提供や行動を振り返るセルフコーチングの働きかけは、一方向となり、効果が得られなかったことが推察された。