著者
宮本 拓 烏力吉徳力根 豊川 佳奈子
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.223-233, 2017 (Released:2017-08-03)
著者
宮本 拓人 知北 和久 阪田 義隆 落合 泰大 ホサイン エムディ モタレブ 大八木 英夫 工藤 勲
出版者
日本水文科学会
雑誌
日本水文科学会誌 (ISSN:13429612)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.39-57, 2016-03-28 (Released:2016-04-05)
参考文献数
44

本研究では,北海道・十勝地方沿岸域にある生花苗川(おいかまないがわ)流域(面積 62.47 km2)を対象とし,淡水の電導度モニタリングに基づく解析を行っている。生花苗川流域の土地利用被覆率は,森林88.3%,農用地10.6%でほとんどが森林である。森林土壌は,30–40 cm深に1667年樽前山噴火によるテフラTa-b層,さらに深部には約40,000年前の支笏火山大噴火によるテフラSpfa-1層と角レキ層が基盤の上に分布している。これらの層は極めて透水性が高く,側方浸透流の流出経路の役割をもつ。また,レゴリス下の地質基盤は大部分が新第三紀中新世の海成層で透水性の高い砂岩・レキ岩を含み,これには日高造山運動によってできた断層も分布している。今回は,試水の化学分析から河川水の主要無機イオンMg2+, Ca2+, Na+, SO42-, HCO3-の濃度(mg/L)と25℃電気伝導度(EC25と表記)との間に相関の高い線形関係を見出した。他方,2013年の降雨期に生花苗川で水位・電気伝導度をモニタリングし,溶存イオン濃度とEC25との関係を用いて,上記五種のイオン濃度およびその負荷量の時系列を得た。本研究では,得られた流量と主要無機イオン負荷量の時系列にタンクモデルとベキ関数を適用し,河川への各種イオン物質の流出経路について解析を行った。流出解析の結果,2013年は表面流出と中間流出で流出全体の74.2%を占め,流域外への地下水漏出は16.8%を占めた。また,イオン物質負荷量に対するモデル解析から,全負荷量に対する表面流出,中間流出,地下水流出,河川流出による負荷量の寄与が求められた。結果として,五つのイオン種全てで中間流出による寄与が40.0~70.0%と最大であった。これは,中間流出に対応する基盤上の角レキ層と支笏テフラ層での側方浸透流による溶出が卓越していることを示唆している。
著者
中江 利孝 片岡 啓 宮本 拓
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.347-351, 1974-06-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
16
被引用文献数
1

バター脂肪やマーガリン脂肪の融点測定には,従来毛細管法が用いられているが,著者らは連続的な恒温条件下の温度勾配装置を用いて,その融点測定の可能性に検討を加えた.試料は市販のバターおよびマーガリンを用い,透明融点,上昇融点および温度勾配法による固液臨界点を測定した.固液臨界点は,9°Cから50°Cの温度勾配下で下固相と液相の間にできる安定した境界層の相当温度をもって表わした.その固液臨界点の再現性,従来法の透明融点および上昇融点と固液臨界点との比較,ならびに試料の固化条件について調べた結果,温度勾配法による固液臨界点の相当位置は,試料封入管挿入後約2時間以内に現われるが,安定した固液臨界点は10時間後に得られ,約±1°C以下の誤差範囲で再現性のある測定が可能であった.実際のバターおよびマーガリン試料の分析結果から,温度勾配法による固液臨界点は,従来法の透明融点とほぼ一致する結果が得られた.また,固液臨界点に及ぼす冷却法の前処理の影響はほとんどみられなかった.以上の結果,一定条件下のバターおよびマーガリン脂肪の試料を温度勾配装置に設定することによって,所定時間後の固液臨界点の測定からそれらの融点を求め得ることがわかった.
著者
侯 歌川 藤川 皓江 荒川 健佑 宮本 拓
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.125-132, 2013-03-15 (Released:2013-04-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

GABA は,血圧降下作用やストレス緩和作用などの生理機能を有するタンパク質非構成アミノ酸である.本研究では,世界の発酵乳製品から分離した乳酸菌の中からGABA生産活性の高い菌株を選抜し,GABA 生産活性に及ぼす諸要因について調べた.その結果,GABA高生産乳酸菌として,Lc. lactis subsp. lactis KM,Lc. lactis subsp. lactis DH1およびLb. brevis 1056 の 3 菌株を選抜した.中でも1056 株は,GABA 生産活性が非常に高く,初発培地 pH 4.0-8.0 の広い範囲で安定して GABA を生産した.また,1056 株は,基質となるグルタミン酸ナトリウムの濃度に依存して高くなる GABA 生産性を示し,さらに,培養後比較的短時間で多量の GABA を生産することが明らかとなった.これらの特徴は,1056 株が GABA を富化した機能性食品の開発に有用であることを示している.1056 株で調製した鶏肉発酵調味液の GABA 含量(1.51 mg/mL)は,本菌株の食品利用への有用性をさらに支持するものであった.
著者
宮本 拓人 知北 和久 阪田 義隆 落合 泰大 ホサイン エムディ モタレブ 大八木 英夫 工藤 勲
出版者
日本水文科学会
雑誌
日本水文科学会誌 (ISSN:13429612)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.39-57, 2016

本研究では,北海道・十勝地方沿岸域にある生花苗川(おいかまないがわ)流域(面積 62.47 km2)を対象とし,淡水の電導度モニタリングに基づく解析を行っている。生花苗川流域の土地利用被覆率は,森林88.3%,農用地10.6%でほとんどが森林である。森林土壌は,30–40 cm深に1667年樽前山噴火によるテフラTa-b層,さらに深部には約40,000年前の支笏火山大噴火によるテフラSpfa-1層と角レキ層が基盤の上に分布している。これらの層は極めて透水性が高く,側方浸透流の流出経路の役割をもつ。また,レゴリス下の地質基盤は大部分が新第三紀中新世の海成層で透水性の高い砂岩・レキ岩を含み,これには日高造山運動によってできた断層も分布している。今回は,試水の化学分析から河川水の主要無機イオンMg2+, Ca2+, Na+, SO42-, HCO3-の濃度(mg/L)と25℃電気伝導度(EC25と表記)との間に相関の高い線形関係を見出した。他方,2013年の降雨期に生花苗川で水位・電気伝導度をモニタリングし,溶存イオン濃度とEC25との関係を用いて,上記五種のイオン濃度およびその負荷量の時系列を得た。本研究では,得られた流量と主要無機イオン負荷量の時系列にタンクモデルとベキ関数を適用し,河川への各種イオン物質の流出経路について解析を行った。流出解析の結果,2013年は表面流出と中間流出で流出全体の74.2%を占め,流域外への地下水漏出は16.8%を占めた。また,イオン物質負荷量に対するモデル解析から,全負荷量に対する表面流出,中間流出,地下水流出,河川流出による負荷量の寄与が求められた。結果として,五つのイオン種全てで中間流出による寄与が40.0~70.0%と最大であった。これは,中間流出に対応する基盤上の角レキ層と支笏テフラ層での側方浸透流による溶出が卓越していることを示唆している。
著者
宮本 拓也 藤本 真紀子
出版者
青森県立保健大学
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.445-447, 2005-12-28

国立情報学研究所の「学術雑誌公開支援事業」により電子化されました。本文の著者名は誤植。(誤)藤本真紀子 (正)藤本真記子
著者
宮本 拓也
巻号頁・発行日
2011

筑波大学博士 (農学) 学位論文・平成23年9月30日授与 (乙第2561号)
著者
布仁特古斯 宮本 拓 中村 昇二 野坂 能寛 青石 晃宏
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.441-448, 2002-08-25
被引用文献数
6 9

中国内蒙古自治区の中部に位置するシリンゴル盟アバハ・ノール旗 (シリンホト市の所在旗) の草原地域に住む遊牧民の家庭で製造されている馬乳酒の10試料から乳酸球菌 (153株) と乳酸桿菌 (105株) を合わせて258株分離した. 各試料には, 乳酸球菌の優勢な試料と乳酸桿菌の優勢な試料が見られた. これら乳酸菌株の分類学的性状を調べたところ, 乳酸球菌では<i>Enterococcus faecium</i> (23.3%) と<i>Leuconostoc mesenteroides</i> subsp. <i>dextranicum</i> (20.9%) の出現率が高く, <i>Streptococcus thermophilus</i> (6.9%), <i>Lactococcus lactis</i> subsp. <i>lactis</i> (3.9%) および<i>Pediococcus dextrinicus</i> (0.8%) も分離された. 一方, 乳酸桿菌では<i>Lactobacillus plantarum</i> (21.3%) がおもに分離され, <i>Lactobacillus casei</i> (9.3%) や<i>Lactobacillus paracasei</i> (4.7%) の中温性乳酸桿菌も多く分離された. また, ホモ型乳酸発酵を示す<i>Lactobacillus helveticus</i> (1.6%) および<i>Lactobacillus kefiranofaciens</i> (1.2%) の乳酸菌種も含まれていた. その他に, 今回実施した性状試験では菌種の同定ができなかった<i>Enterococcus</i> sp. (3.4%) と<i>Lactobacillus</i> sp. (2.7%) が分離された.