著者
宮田 昌明
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.14, no.9, pp.381-385, 2014 (Released:2017-02-01)
参考文献数
25

腸内細菌は消化管でビタミン,短鎖脂肪酸の生成を担うだけでなく胆汁酸の代謝変換をおこなう。腸内細菌による胆汁酸の代謝変換は消化管の胆汁酸組成変化を誘導し,核内受容体farnesoid X receptor(FXR)シグナルやタンパク分解シグナルを介して宿主の胆汁酸代謝動態の調節に関与する。また近年腸内細菌による胆汁酸代謝変換を介するシグナルが肥満の予防の標的になることが報告された。本稿では,腸内細菌依存的な胆汁酸シグナルの脂質恒常性への寄与について紹介する。
著者
内藤 健晴 岩田 重信 妹尾 淑郎 井畑 克朗 横山 尚樹 馬場 錬 宮田 昌
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.90, no.7, pp.835-841, 1997-07-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
56

Otolaryngologists or allergologists, have only recently become familiar with the term laryngeal allergy or allergic laryngitis. However, laryngeal allergies have become increasingly noteworthy with increases in allergic diseases, such as nasal allergies, asthma and atopic dermatitis. Pollinosis patients allergic to Japanese cedar often complain of itching or the sensation of a foreign body in the larynx, in addition persistent coughing or soreness of the throat. The existence of laryngeal allergy was proven on the basis of study in rats sensitized with Japanese cedar pollen, in previous studies. In the present paper were view the nature, mechanisms, manifestations, differential diagnosis and treatment of laryngeal allergy, both fundamentally and clinically.
著者
金子 茂男 八竹 直 宮田 昌伸 水永 光博 渡部 嘉彦 谷口 成美 井内 裕満 松田 久雄 栗田 孝
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.955-960, 1991-06-20
被引用文献数
5 3

陰茎硬度周径連続測定法を本邦において臨床応用するにあたり,正常人における夜間陰茎勃起現象の解析とその安全性について検討した.本邦正常成人16名(年齢24〜44歳,平均31.1歳)を対象とし,陰茎硬度周径連続測定にはRigiScan^<TM>を用いた.測定部位は環状溝から約5mm陰茎根部寄り(遠位側)と根部(近位側)の2箇所である.陰茎の平均最小周径は遠位側で62.7mm,近位側で65.4mmであり,勃起時の平均最大周径は遠位側で102.5mm,近位側で108.6mmであった.周径が10mm以上のびたときを勃起とすると約1時間20分に1回の頻度で勃起が生じており,この勃起の平均持続時間は遠位側で23.0分,近位側で38.3分であった.10分以上持続した硬度の最大値は遠位側で82.9%,近位側で85.4%であった.1例に測定部位の一部に発赤を認めたが処置を必要とするような副作用はなかった.RigiScanによる陰茎硬度周径連続測定は簡便,安全かつ客観的に夜間陰茎勃起現象をとらえることができ,今後勃起不全の診断,治療効果の判定 に役立つものとおもわれる.
著者
石井 譲治 小川 保 内藤 健晴 宮田 昌 石原 正健 馬場 錬 妹尾 淑郎 岩田 重信 横山 尚樹
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1251-1257, 1997
被引用文献数
3

スギ花粉主要抗原の一つであるCry j Iをラット腹腔内注射にて感作し, さらにCry j Iを点鼻, その6時間後の鼻腔, 喉頭, 気管粘膜に浸潤している好酸球およびリンパ球を観察し比較検討した。ラットはBrown Norwayのオス13匹を用いた。5匹をコントロール群, 8匹にCry j I 10μgとアルミニウムゲル4.5mgを0.4ml蒸留水に溶解し, 12日の間隔をあけ2回腹腔内注射を行った。血清Cry j I特異IgE 抗体価はIgE-capture ELISA法にて測定した。鼻粘膜, 喉頭, 気管はCry j I溶液点鼻6時間後に採取した。血清Cry j I特異IgE抗体価は感作群307.1±185.3任意U/ml, コントロール群0.0±0.0任意U/mlで感作群において有意の上昇 (p<0.01) を認めた。浸潤細胞について鼻粘膜では好酸球 (p<0.01), リンパ球 (p<0.05) ともに感作群に有意に多く浸潤していた。喉頭では感作群で好酸球浸潤が有意に多かった (p<0.01) が, リンパ球は両群で有意差は見られなかった。気管では両群とも好酸球, リンパ球ともにほとんど見られなかった。Cry j I腹腔感作ラットは鼻腔及び喉頭においてアレルギー性病変を起し得るものと考えた。