著者
寅丸 真澄 江森 悦子 佐藤 正則 重信 三和子 松本 明香 家根橋 伸子
出版者
言語文化教育研究学会:ALCE
雑誌
言語文化教育研究 (ISSN:21889600)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.240-248, 2018-12-31 (Released:2019-05-12)

本稿では,言語文化教育研究学会第 4回年次大会(2018年 3月)において筆者らが企画したパネル「留学生のキャリア意識とキャリア支援の『ずれ』を考える ―日本語学校・短大・大学(首都圏・地方)の留学生の語りから」における発表とディスカッションの内容を踏まえ,言語教育者の視点から,日本語学校,短期大学,四年制大学(首都圏・地方)における留学生のキャリア意識と現行のキャリア支援の「ずれ」のありようを報告し,その問題点を指摘する。まず,留学生の語りの事例から,各機関の留学生がどのようにキャリアを捉え行動しているのかを紹介し,言語教育の観点から留学生に必要とされるキャリア支援と実際に提供されているものとの「ずれ」を報告する。次に,「ずれ」の改善のため,言語教育者は留学生と教育機関の双方にどのように関わり,働きかけていけばよいのか,パネルで議論した内容を共有する。最後に,これらを踏まえ,「ずれ」を改善するための今後の課題を指摘する。
著者
杉原 道子 内山 浩道 家根橋 伸子 石口 智堂 徳永 慎太郎
出版者
山口大学大学教育機構
雑誌
大学教育 (ISSN:13494163)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.65-77, 2011-03

山口大学が開催した日本語・日本文化サマープログラムに参加した44名の受講生は日本語学習と日本文化体験を連動させたプログラムによって飛躍的にコミュニケーション能力を向上させることができた。猛暑の中、厳しい研修内容にも関わらず、受講生の多くは将来日本と関係のある仕事がしたいという強い目的意識を持っていたため、意欲的に勉学に励んだものと思われる。研修後、山口大学のシラバスが評価され、受講生のいくつかの在籍大学において単位が認定された。各国の大学においてシラバス内容を検討し、1か月というような短い期間であっても相互に単位認定を行うことによって、受講生のモティベーションを高め、相互交流が活発に行われるものと思われる。
著者
家根橋 伸子
出版者
東亜大学
雑誌
東亜大学紀要 (ISSN:13488414)
巻号頁・発行日
no.14, pp.33-43, 2011-07

教室では参加者たちが交流しながら自分自身のことを開示し,表現し合う「交流型言語教室活動」が近年,数多く提案されている。このような活動は,日本語学習だけでなく学習者の自己成長,さらに多文化共生活動としても意義がある。しかし,その理論的基盤の不明瞭さから,実践・研究双方において日本語教育方法として広く受容されているとは言いがたい。本稿では活動が基盤とする人間性心理学の理論について明示するとともに,そこに内包された言語論・言語学習論を検討し,日本語教育方法としての可能性を示した。 : This paper considers the potential of interactive classroom activities for Japanese language education. In recent years Japanese language education practitioners and researchers have frequently advocated these activities, expecting them to be effective not only for language learning but for cross-cultural communication. However, because their theoretical basis lacks clarity they haven't been widely understood. This paper shows that the activities all have humanistic psychology in common and discusses humanistic psychology's language and language-learning theory.
著者
今井 新悟 伊東 祐郎 中村 洋一 酒井 たか子 赤木 彌生 菊地 賢一 本田 明子 中園 博美 西村 竜一 篠崎 隆宏 山田 武志 家根橋 伸子 石塚 賢吉 ファム ターンソン
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

日本語学習者のための日本語スピーキング能力をコンピュータ上で自動採点するテストシステムを開発した。インターネットを介して受験でき、時間と場所の制約を受けずに受験が可能である。音声認識技術を使い、受験者の発話から特徴量を抽出することにより、自動採点を実現している。項目応答理論を用い、受験者の能力に適合した難しさの問題を出題するアダプティブテストとなっており、少ない問題数で能力の判定ができる。