著者
大森 美由紀 寺岡 幸子 伊東 美佐江
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.160-173, 2017

本研究の目的は,文献検討により OJT における新人教育で師長が果たす役割を明らかにすることである.「新人」と「教育」と「看護管理者」あるいは「師長」をキーワードとして,2002年1月~2014年9月までの文献を検索した.OJT における新人教育の師長の役割について記載の可能性がある 文献を選択し,最終的に38件の文献を分析対象として文献検討を行った.その結果,「担当部署の教 育方針の決定と周知」,「リアリティショック防止」,「個人の能力に応じた段階的・継続的な教育」,「担 当部署の教育体制の整備」,「専門職業人としての自律促進」,「システムへのフィードバック」の6つ の役割を遂行,および期待されていることが明らかとなった.師長は担当部署の目標を設定し周知し, 新人のリアリティショックを防止するために,組織社会化を促し,新人を尊重する姿勢で接しており, メンタルヘルスを把握しサポートしていた.新人の実践能力を把握しながら個別に応じた指導,能力 に応じた業務分担し,自信をもって前進できるよう支援していた.また,チーム体制や教育体制を整 備しながら,効果的な教育を考えていた.そして,看護の概念化を促し,モデルを示すことによって 専門職業人として自律を促し,新人教育における問題をフィードバックしていた.師長は,新人看護 師が職場に問題なく適応し,看護実践能力を獲得できるようにさまざまな戦略が求められていた.
著者
髙瀬 美由紀 寺岡 幸子 宮腰 由紀子 川田 綾子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.4_103-4_109, 2011-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
67

本研究の目的は,国外文献を通して,看護実践能力の概念を検証することである。文献検索はCINAHLとMEDLINEを用い,nurs*とcompeten*のキーワードを掛け合わせて実施した。対象出版年は2000年から2009年とした。その結果,60文献を抽出した。看護実践能力の概念は,Rogersの概念分析法を用いて検証した。その結果,看護実践能力とは,看護実践における専門的責任を果たすために必要な個人適性,専門的姿勢・行動,そして専門知識と技術に基づいたケア能力という一連の属性を発揮できる能力,と定義できた。しかし,看護実践能力の発揮レベルについては総意が得られておらず,認識の統一が必要である。また,看護実践能力の構造化や先行・帰結因子の探求が不十分であり,看護実践能力の概念を確立するためには,さらなる検証が必要とされている。
著者
高瀬 美由紀 寺岡 幸子 宮腰 由紀子 川田 綾子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:02859262)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.103-109, 2011-09-20
参考文献数
67

本研究の目的は,国外文献を通して,看護実践能力の概念を検証することである。文献検索はCINAHLとMEDLINEを用い,nurs*とcompeten*のキーワードを掛け合わせて実施した。対象出版年は2000年から2009年とした。その結果,60文献を抽出した。看護実践能力の概念は,Rogersの概念分析法を用いて検証した。その結果,看護実践能力とは,看護実践における専門的責任を果たすために必要な個人適性,専門的姿勢・行動,そして専門知識と技術に基づいたケア能力という一連の属性を発揮できる能力,と定義できた。しかし,看護実践能力の発揮レベルについては総意が得られておらず,認識の統一が必要である。また,看護実践能力の構造化や先行・帰結因子の探求が不十分であり,看護実践能力の概念を確立するためには,さらなる検証が必要とされている。
著者
吉田 いつこ 小林 敏生 寺岡 幸子 虫明 悦生 Kongsap AKKHAVONG Amphoy SIHAVONG Dalaphone SITTHIDETH Bang-on NISAYGNANG 門司 和彦
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.109-120, 2011 (Released:2011-07-25)
参考文献数
24

The purpose of this study is to clarify the effectiveness and significance of the health education method through using traditional folk song “Lam” in Lao PDR.The study was conducted at a village in Vientiane city with 48 participants. Firstly we collected quantitative data by questionnaire survey and then conducted group interview after listening “Lam” for HIV/AIDS prevention. The qualitative data was analyzed by basic procedure of KJ method.The result showed that the participants with older than 20-year old (p<0.05) and lower education (p<0.05) tended to prefer “Lam”. Through the qualitative analysis, eight categories were extracted ; 1) Interest for Lam talking about HIV/AIDS, 2) Perception for a risky sexual behavior, 3) Knowledge on the HIV/AIDS infection routes, 4) Commitment for HIV/AIDS prevention, 5) Needs for the health education methods, 6) Suggestion for HIV/AIDS education, 7) Consortium with people living with HIV/AIDS, and 8) Characteristics of Lam and its advantages. After listening Lam, the participants received knowledge about HIV/AIDS and formed attitude for HIV/AIDS prevention. This process was influenced by the characteristics of Lam and its advantage such as entertainment, educational function and traditional communication.These result suggested that Lam which has entertainment and educational function can be utilized as an effective media for Lao people to improve knowledge and promote better attitude and behavior. In addition, the educational method through using traditional communication media such as Lam might be effective for the people to memorize and communicate information.