著者
下野 僚子 藤原 優子 水流 聡子 北條 文美 島崎 博士 廣瀬 俊昭 小川 武希 浅野 晃司 落合 和徳
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.77-86, 2017 (Released:2017-05-12)
参考文献数
12

持参薬の適正な運用のため,持参薬に特化した業務に関しては多く検討されているものの,持参薬と入院後処方薬の混在下で両者の整合性を確保しながら統合的に管理する観点からの検討は行われていない。本研究では,持参薬と入院後処方薬が混在する状況下で,両者の性質の違いを考慮しながら統合管理するための内服業務の標準化指針を開発した。 内服業務の統合管理を実現するために,情報収集,指示,準備,服用の業務ごとに業務目標を導出し,持参薬の特性を考慮した標準化指針を開発した。統合管理のためには,「受入」「休薬」「併用」「切替」を適切に実現する必要があると考えた。持参薬の特性として,「外部で処方・調剤される」「入院前の管理状況は患者に依存する」「患者資産である」の3点を考慮した。検証病院での調査により,業務目標と標準化指針が妥当であることを検証した。
著者
柏木 聖代 水流 聡子 柏木 公一 美代 賢吾 西亀 正之
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.169-178, 2002 (Released:2017-08-14)
参考文献数
11

本研究の目的は,看護記録が電子化され,看護サマリー作成システムが導入された際,「看護サマリーデータ項目セット」を病院情報システムに適用できるかを明らかにすることである.そこで,今回は,看護サマリーネットワーク研究会が作成した「看護サマリーデータ項目セット」を用い,そのデータ項目の情報が病院の記録に記載されているかについて,大学病院と大学病院以外の病棟管理者295名に対し,自記式質問紙調査を実施した.243名から回答を得たうち,有効回答であった171名を分析対象とした.その結果,患者属性・診療情報に分類されるデータ項目の情報は80~90%記録に記載されていた.逆に,患者・家族への指導,福祉サービス等,在宅ケアを意識した情報の記載率は40%前後であった.さらに,大学病院群と大学病院以外の病院群にわけ,記載率との関連をみた結果,28項目に有意な差が認められ,すべて大学病院以外の病院群の記載率が高かった.
著者
齋藤 いずみ 遠藤 紀美恵 笹木 葉子 坂梨 薫 成田 伸 水流 聡子
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

目的:分娩時の看護人員配置の現状を把握し、根拠に基づく安全と質の保証された看護人員配置にするために、以下の4病院の分娩基礎データを収集した。地方の複数病院の分娩を集約化した公立病院の産科、専門特化した大規模産科病院2施設、混合科が進む産科の計4病院において、2003年1年間の全分娩事例約2500事例を調査した。文部科学省疫学研究の倫理指針に基づき実施した。方法:カルテ、分娩記録、助産録などからデータべースを作成し、月別・曜日別分娩数、曜日別入院数、曜日別異常分娩数、曜日別母体搬送数、曜日別緊急帝王切開数、曜日別児の体重別出生数、曜日別妊娠集数別出生数など、24時間分布としては分娩数、入院数、緊急帝王切開数、母体搬送数などを調査した。結果:月別分娩数は特に有意な差は見られなかった。曜日別分析:曜日別分娩数はハッピーマンデイ政策などにより、週の中盤に分娩が集中し、有意に人手の少ない週末は少なかった。妊娠週数の早い32週以前の分娩、出生体重1500g未満の異常分娩では、母体と児の安全のために週末に意思決定するためか金曜日に分娩が有意に高かった。特に母体搬送、緊急帝王切開では金曜日に高かった。曜日別時刻別分析では金曜日の午後から夕方までの時間帯に緊急帝王切開や分娩のリスクが高い分娩が多いことが明らかになった。24時間分布別分析:時刻別分析では、管理分娩の傾向が高い施設では日勤帯の分娩が多く、自然分娩が多く介入の少ない施設では24時間に分布していることが、統計的にも明らかになった。緊急帝王切開は人手のいない夜間帯にも少なくない現状である。考察及び課題科学的根拠に基づく分娩時の看護人員配置のデータとして非常に有益と思われる。また金曜日の午後から緊急性の高い児の出生や帝王切開が行われることは産科のみならず、NICUにも本情報を共有することが重要である。NICU の実態調査も必要性が高いと思われる。
著者
加藤 省吾 飯塚 悦功 水流 聡子 進藤 晃 杉辺 瑠美子 末政 憲司
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

療法士がリハビリ訓練計画を立案する際の合理的な思考プロセスをモデル化し,プロセスを実行するために必要な知識ベースを設計した.具体的な知識ベースの構築を行い,知識ベースを実装した支援システムを開発した.開発したモデル・支援システムを用いることにより,用いない場合よりも優れた計画を立案できることを検証によって確認した.本モデル・支援システムを用いることにより,医療の質・安全保証への寄与が期待できる.
著者
成田 伸 大原 良子 鈴木 幸子 遠藤 俊子 齋藤 益子 吉沢 豊予子 野々山 未希子 水流 聡子 跡上 冨美 矢野 美紀 西岡 啓子 加藤 優子 森島 知子 齋藤 良子 角川 志穂 段ノ上 秀雄 黒田 裕子 工藤 里香
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

望まない妊娠や性感染症罹患の予防を専門的に支援する避妊・性感染症予防カウンセラー育成プログラムを構築した。プログラムは6日間の集合教育と専用のウエブサイトを活用した自己学習からなり、2008年度と2009年度の2回にわたって助産師を対象に開催した。育成プログラムの成果を評価するために、受講者と非受講の比較群で学習成果を比較した結果、受講者に知識の増加や態度の変容がみられた。また受講者のカウンセリング能力が向上した。今後は、育成されたカウンセラーの実践自体を評価する研究が必要である。
著者
成田 伸 齋藤 良子 小川 朋子 角川 志穂 段ノ上 秀雄 野々山 未希子 鈴木 幸子 野々山 未希子 工藤 里香 水流 聡子
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本科研の避妊・性感染症予防カウンセラー育成プログラムを受講した助産師の実践評価を目的に、プログラムに参加しその後病院で産後の女性へのケアを行ってきた助産師 9 名を対象にグループインタビューを行い分析した結果、産後入院期間が短く、避妊に関しては集団で簡単に話すのみで、性感染症の話題はない等の現状が明らかになった。今後は、これらの対象者により近い場で活動している薬局の薬剤師との連携等、情報アクセスで新たな展開が必要と明らかとなった。