著者
松井 大輔 尾崎 悦子 渡邉 功 小山 晃英 栗山 長門 上原 里程
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

申請者らは2003年より前向き研究として約500名(現在平均年齢:74.8歳、5年毎の追跡調査)のコホート集団を対象とした脳ドック検診を実施し、生活習慣・動脈硬化症・口腔内細菌と認知機能低下や大脳白質病変・微小脳出血との関連を明らかにしてきた。本研究は、これまでの申請者らの研究成果を基に、認知機能低下、脳の器質的変化、腸内細菌叢および口腔内状態と、唾液中の口腔内細菌叢(16Sメタゲノム解析)の関連を明らかに、解明を目指すことを目的とした。得られる研究成果は超高齢社会で増加する高齢者の認知症、脳血管疾患を口腔衛生の観点から予防するエビデンスとなり、ひいては口腔保健施策の発展に寄与する。
著者
渡辺 能行 尾崎 悦子 松井 大輔 小山 晃英 栗山 長門
出版者
京都先端科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

過敏性腸症候群は腹痛や腹部不快感、便通異常を主症状とした消化器症状が持続、または寛解と増悪を繰り返す機能性消化管障害の一つである。これまでの国内外の研究では偏りのある有病症例が対象となっていて罹患率や罹患のリスク要因も全く検討されていないので、主として臨床症状に基づいた診断の国際基準である「RomeⅢ」日本語版質問紙票を用いた調査が既に5年前に実施されている40~74歳の一般京都府民3,910人において再調査を行い、その罹患率と罹患に関わるリスク要因を前向き研究として実施する。
著者
瀬古 千佳子 松井 大輔 松川 泰子 小山 晃英 渡邉 功 尾崎 悦子 栗山 長門 水野 成人 渡邊 能行
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.30-41, 2016 (Released:2016-02-01)
参考文献数
23

ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染は胃がんの確実な発がん因子である。H. pylori感染から慢性萎縮性胃炎への進展過程における摂取食品との関連については多くの先行研究が行われているが, 栄養素摂取量との関連についての報告は少ない。そこで, 本研究はH. pylori感染者における慢性萎縮性胃炎陽性者と陰性者の栄養素摂取量の差異を検討した。対象者は京都在住の35歳から69歳までの健診参加者4,330人のうちH. pylori感染陽性者1,251人とした。解析対象者はこの内の栄養素摂取量算出を完了した女性296人とした。年齢, 喫煙, ビタミン剤服用, エネルギーによる補正を行い, 各栄養素摂取量を三分位に分けてロジスティック回帰分析を行った結果, カルシウムの中等量摂取, 多量摂取, 及び多価不飽和脂肪酸の中等量摂取は有意に慢性萎縮性胃炎のリスクを低めていた。これにより, これらの栄養素が慢性萎縮性胃炎進展の抑制と関連している可能性が示唆された。
著者
大槻 美佳 相馬 芳明 青木 賢樹 飯塚 統 吉村 菜穂子 佐原 正起 小山 晃 小島 直之 辻 省次
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.243-248, 1998-03-01

目的:左前頭葉内側而損傷群と背外側面損傷群の視覚性呼称能力と語列挙能力を比較検討した。対象・方法:11例の超皮質性運動失語を呈する右利き脳梗塞または出血患者。病巣はCTまたはMRIにて同定した。視覚性呼称能力としてWAB失語症検査V-Aの20物品の呼称課題を,語列挙能力として同V-Bの語想起課題を用いた。結果・考察:左前頭葉内側面損傷群は視覚性呼称が良好であるのに対し語列挙が不良であった。外側面損傷群では視覚性呼称,語列挙いずれも不良であった。この結果から左前頭葉内側面は語列挙に,背外側面は視覚性呼称に重要であることが推測される。サルの実験において,前頭葉背外側面にある前頭前野は視覚誘導性の動作に,内側面にある補足運動野は記憶依存性の動作に関与することが知られている。 言語においては視覚性呼称は視覚誘導性の動作に,語列挙は記憶依存性の動作に対応すると考えられる。したがって,本結果は行為における前頭葉背外側面と内側面の機能的相違が言語機能においても当てはまることを示唆する。
著者
知念 直紹 友安 一夫 小山 晃 保坂 哲也
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

数学的に(特に幾何学的に)重要なコクセター群について研究を行い、コクセター群が幾何的に作用する非正曲率空間あるいは双曲空間の理想境界の位相的性質、具体的にはその境界が位相的にフラクタルの構造をもつ必要十分条件、コクセター群の境界として位相的普遍空間の構成、コクセター群への分解定理の拡張についての研究成果が得られた。また、空間のコンパクト化の剰余の固定点と深い関係がある写像のカラーリングについて調べ、局所有限なグラフ上の同相写像のカラーリング数を決定するための必要かつ十分条件の研究成果が得られた。