著者
小島 道裕
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.169-183, 2003-03-31

飛騨の国人領主江馬氏は、庭園を伴う館で知られている。まず文献史料で考察すると、南北朝初期から将軍に近侍し、遵行指令を受け、中央と密接な関係を持っていたが、一五世紀後半には自立した地位を持つことが知られ、一六世紀には荘園関係の史料には見えなくなる。一方遺構は、一四世紀末~一五世紀前半に、「花の御所」を模倣した館が営まれるが、一五世紀後半には山城などに機能が分散し、一六世紀には館としての機能が廃絶する。こうした現象は他の国人領主の館にも見られることが知られてきており、国人領主が全国的な体系の中で存在していた一五世紀前半から、領域的な領主として自立する一五世紀後半以降への変化と言える。この変化の中で衰退した国人も多く、逆に一四世紀中葉~一五世紀前半には中央と地方の国人の間の安定した関係があったと言え、これを「室町期荘園制」の一面と見なすことができる。
著者
黒田 日出男 藤井 貞和 坂輪 宣敬 米倉 迪夫 玉井 哲雄 久留島 浩 宮崎 勝美 小島 道裕 杉森 哲也 藤川 昌樹 山口 和夫 藤原 重雄 佐多 芳彦
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

中近世風俗画の高精細デジタルコンテンツの蓄積、画像史料研究用プラットフォームの開発、合戦図屏風研究用の語彙集積とデータベース化、研究成果公開の一端として博物館・美術館の展覧会での展示、絵画史料学的研究の飛躍的向上など。