著者
藤井 貞和
出版者
物語研究会
雑誌
物語研究 (ISSN:13481622)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-9, 2008-03-31

On the supposition that a linguist TOKIEDA Motoki's study of "reading" influenced the young MITANI, we would like to reflect a relationship between the study of literature and the education of national language and consider what is start of study. We would like also to analyze his doctrine that criticizes run-through readings and advocates double readings. We try to find what is the desire of readers, by mentioning the new edition of The method of "the Tale of GENJI".
著者
吉成 直樹 永瀬 克己 藤井 貞和 橋尾 直和 谷本 晃久 島村 幸一 安江 孝司 本田 優子 佐々木 利和
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、「日本」の両端に配置されているアイヌと沖縄のふたつの社会が、いかにヤマト社会と対峙しながら、そのアイデンティティを形成、維持してきたかという点に最終的な目的がある。ある社会のアイデンティティの核心にあるのは、言語および言語表現である。その素材として、アイヌ口承文学、琉球(首里)王府が16世紀〜17世紀に編纂した古歌謡集『おもろさうし』を主に扱った。特に、それらのテキストから、文字の無かった時代の「歴史」の復元を行う作業に労力を注いだ。たとえば、アイヌ口承文学から復元される「歴史」とは何か、『おもろさうし』から復元できる「歴史」とは何か、という問いである。「歴史」の復元の方法として、言語表現ばかりではなく、絵画や図像から「歴史」の復元を試みた。絵画、図像は、どのような社会や文化(精神世界を含めて)であったかを知るうえで重要な手がかりになるばかりではなく、文字の無かった社会の歴史復元においてはきわめて有効である。また、民俗、言語の立場から、アイヌ、沖縄の双方の社会を視野に入れた成果を得た。これは、現在のアイヌと沖縄の文化、言語を比較しようとするものでなく、それぞれの文化のさらに基層にある民俗、言語を明らかにしようとするものである。本研究を展開していく過程で、琉球社会・文化の形成に関する、大きな研究の転換期を迎えた。奄美諸島社会の古代〜中世並行期にかけての考古学的状況が明らかになるにつれ、琉球社会が従来、考えられていたような内的な発展のみで形成したとは考えられなくなったことである。この問題は、言語にかかわる分野のみならず、さまざまな分野の見直しを迫る可能性があり、また本研究の課題にも深くかかわっていたため、最終年度には、その調査・研究も手がけた。
著者
藤井 貞和
出版者
物語研究会
雑誌
物語研究 (ISSN:13481622)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.16-27, 2014-03-31 (Released:2018-03-27)

演劇(神事から訣れて成立するにしても)を支えるのはperformativityだ。もの凄い危機的な転換点で、(例えば)人身犠牲からの脱却や(祭祀へ向かうだろう)、戦闘(虐殺、略奪、rape)の擬制化、村や家の起源神話の成立、昔話(口承説話)の簇生、(慰鎮しようがないにせよ)御霊(=亡霊)祭祀の成長……、それらが仮面や舞踏の夜に幻出し、歌謡(詩歌)を、語り(のルール)を、演出(舞台、作り物、俳優、台本、作劇法)をというように、擬態に(木の葉に、枯れ枝に、鳥のうんこに)分化して、芸能を足組みし、演劇へ構築される。物語を支えるすべてのperformativityもまたそこに胚胎しよう。"前"神話紀を措いて、1、神話紀、2、昔話紀、3、フルコト紀、4、物語紀、5、ファンタジー紀、および紀と紀との<間>境域にもの凄い危機が訪れて、文化や文学事象を産むという見渡しである。二〇一三年八月物語研究会大会(於、犬山市)のシンポジウムでの発表原稿に加筆する。

1 0 0 0 物語論

著者
藤井貞和 [著]
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2022
著者
藤井 貞和
出版者
物語研究会
雑誌
物語研究 (ISSN:13481622)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.39-53, 2013-03-31 (Released:2018-03-27)

Narrative conversations (utagatari) related to songs performed in the ninth century are the foundation of Ise monogatari (The Tales of Ise). I examine grammatical "functional words" based on the "emptiness versus fruitfulness" annual theme of Monoken.
著者
黒田 日出男 藤井 貞和 坂輪 宣敬 米倉 迪夫 玉井 哲雄 久留島 浩 宮崎 勝美 小島 道裕 杉森 哲也 藤川 昌樹 山口 和夫 藤原 重雄 佐多 芳彦
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

中近世風俗画の高精細デジタルコンテンツの蓄積、画像史料研究用プラットフォームの開発、合戦図屏風研究用の語彙集積とデータベース化、研究成果公開の一端として博物館・美術館の展覧会での展示、絵画史料学的研究の飛躍的向上など。