著者
山口 和夫 及川 亘 宮崎 勝美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

元和9年(1623)の徳川秀忠・家光父子上洛と将軍職交代とが同時代社会へ与えた影響を究明するため、史料調査・収集・整理・検討を重ねた。父子上洛を迎え将軍宣下もあった京都等の公家・寺家・社家の諸記録、父子に供奉した大名上杉家の日記・帳簿、各種系譜史料等を分析した結果、沿道と洛中洛外地域社会で展開された儀礼や交流、上洛に動員された上杉家中の費用負担、公家・地下官人・大名・旗本等の人事につき、広範な事例を把握・提示することができた。また、将軍秀忠から同家光への大名命名(一字書出発給)主体の移動、朝幕藩相互間の伝達回路につき、事例を解明・蓄積した。大名の官位が、江戸幕府により決定され、将軍参内行列供奉の資格・序列として機能することも検出した。
著者
吉田 早苗 藤田 覚 宮崎 勝美 藤井 恵介 田島 公 詫間 直樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.東京大学史料編纂所に所蔵される江戸時代有数の故実家裏松固禅研究の基本的な史料『裏松家史料』について調査を完了し、全点の題名・内容・書誌情報等を含む詳細な調書を作成した。そのデータからデータベースを完成し、全点目録「裏松家史料目録」(第1版)を作成した。目録は史料編纂所の「所蔵史料目録データベース」上での公開を予定している。2.「裏松家史料」のうち修理中の冊子約80冊を除いた冊子本約300点とそれ以外の史料の全点について、マイクロ撮影・デジタル化を完了した。得られた画像データは、史料編纂所の「所蔵史料目録データベース」に対応する画像公開システムにより公開する予定である。3.「裏松家史料」中の書籍の奥書、固禅が作成した勘文類などに基づき、天明-寛政期の固禅の活動を解明して「裏松固禅活動年譜(稿)」を作成した。4.固禅の主要著作『大内裏図考証』については、引用史料データベースの仕様を確定し、テストデータの入力を行ない、献上に関する重要史料である『大内裏図考証清書目録』を翻刻した。5.以上の「裏松家史料目録」(第1版)「裏松固禅活動年譜(稿)」「『大内裏図考証清書目録』翻刻」および、「裏松家史料」を直接の基礎史料として固禅の執筆活動と公家社会の構造の関連性を解明した、「裏松固禅と裏松家史料について」(吉田早苗)、「裏松固禅の著作活動について」(詫間直樹)、「寛政期有職研究の動向と裏松固禅」(西村慎太郎)、「『皇居年表』の編修過程について」(詫間直樹)の4篇の論文を掲載した研究成果報告書を刊行した。
著者
黒田 日出男 藤井 貞和 坂輪 宣敬 米倉 迪夫 玉井 哲雄 久留島 浩 宮崎 勝美 小島 道裕 杉森 哲也 藤川 昌樹 山口 和夫 藤原 重雄 佐多 芳彦
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

中近世風俗画の高精細デジタルコンテンツの蓄積、画像史料研究用プラットフォームの開発、合戦図屏風研究用の語彙集積とデータベース化、研究成果公開の一端として博物館・美術館の展覧会での展示、絵画史料学的研究の飛躍的向上など。
著者
黒田 日出男 林 譲 久留島 典子 田中 博美 宮崎 勝美 保立 道久 鈴木 圭吾 加藤 秀幸
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1992

本研究は,日本史の主要な画像史料の一つである肖像画に関する基礎的な調査と研究を行ってきた。その成果は、以下の通りである。第一点。東京大学史料編纂所は、明治時代以来、肖像画を模本の作成という手段によって蒐集してきた。現在までの蒐集点数は約900点に及んでおり,それらの紹介は急務であった。本研究では,全点を4×5判白黒フィルムで撮影し,四切りの大きさに引き伸したうえで、それらについての基礎的調査を行い、新たな目録を作成した。これによって,史料編纂所の所蔵する肖像画模本は多くの研究者の関心を集めよう。第二点。この引伸写真を光ファイリング・システムに取り込んで,簡単なデータベースとし,身分・職業・性別・老若・時代によって検索できるようにした。これによって,史料編纂所々蔵の肖像画模本から,日本の肖像画の特徴の幾つかを把握できるであろう。第三点。本研究では,各種の日本史叙述や自治体史叙述を悉皆的に点検し、肖像画情報に関する調査カードを合計約27000枚作成することができた。予算の制約によって、そのデータベース化までは実現できなかったが、このカードを検索することによって、日本史叙述における肖像画情報の全体を把握することができる。そして第四点。肖像画の個別研究によって、幾つかの新説を提出することができた。たとえば,文化庁保管の「守屋家本騎馬武者像」の像主名についてであり,高師直像とする通説に対し,新たに師直の子息師詮像であるとの新説を提出した。肖像画研究の方法論についても,幾つかのシンポジウムや研究会において発表し,今後の研究の発展のための基本的な論点を提出することができた。また,1996年3月には,史料編纂所主催で「肖像画と歴史学」と題するシンポジウムを開催し,当日は257名もの出席者と討論を行うことができた。
著者
山本 博文 佐藤 孝之 宮崎 勝美 松方 冬子 松澤 克行 横山 伊徳 鶴田 啓 保谷 徹 鶴田 啓 保谷 徹 横山 伊徳 小宮 木代良 杉本 史子 杉森 玲子 箱石 大 松井 洋子 松本 良太 山口 和夫 荒木 裕行 及川 亘 岡 美穂子 小野 将 木村 直樹 松澤 裕作
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、江戸時代および明治時代に編纂された史料集を網羅的に蒐集し、その記事をデータベースとして一般公開すること、蒐集した史料の伝存過程および作成された背景について分析・考察すること、を目的としている。本研究は、従来、交流する機会のなかった異なる分野の研究者が、1つの史実を通じて活発な議論を戦わせる土壌を作り、近世史研究の進展に大きく寄与することになった。