著者
小崎 道雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.730-733, 1974-11-15 (Released:2011-11-04)

東南アジアは日本に近い国々であるのに, その酒についてはほとんど知られていない。たまたま東京農業大学の小崎教授が7イリピン大学客員教授として, かの地域の発酵食品の学術調査をされて帰国なさったので, その興味深い御研究の-端を御被露いただいた。
著者
小崎 道雄
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.139-146, 2002-05-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
11
著者
関 達治 五十嵐 泰夫 冨田 房男 吉田 敏臣 駒形 和男 小崎 道雄
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

日本の発酵食品のルーツでもあり、食文化として文化の一端を担う東南アジアに特有の伝統的発酵食品に関する情報を、社会の発展に伴い失われる以前に調査収集し、情報を保存することを目的とした。また、東南アジアに広く分布する類似発酵食品の比較検討を通して、その共通性、地域特異性を明らかにし、生物工学的、食品工学的意義を明らかにし、各国の研究者と協力して国際学術論文として取りまとめることを目的とした。本年度は最終年であるため以下の調査研究を行った。1.カンボジアにおける伝統的発酵食品に関する調査カンボジアの伝統的発酵食品、特に糖質を原料とする発酵食品並びに魚を原料とする発酵食品について、生産現場を調査した。(関、冨田、五十嵐、小崎、駒形、飯野、S.Limtong、C.Wongkhaluang、S.Saono、P.T.Ho、T.L.Thuoc)2.収集資料整理と取り纏め前年度までに収集した東南アジア諸国(タイ、マレーシア、ベトナム、西インドネシア、フィリピン、ラオス、ミャンマー)および本年度実施のカンボジアにおける発酵食品に関する学術等資料を整理し、取りまとめ指針に従いデータベース化を行った。(関、小崎、駒形、飯野、岡田、中川、N.Lotong、S.Saono、C.Wongkhaluang、W.Yongmanitchai、S.Saono、P.T.Ho、T.L.Thuoc)
著者
内村 泰 小島 陽一 小崎 道雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.881-887, 1990-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
2 10

1. 構成微生物により次の3グループに分けられた。A: Saccharomycopsis属酵母優勢型B: Rhizopms属中心の糸状菌優勢型C: 菌糸状酵母と糸状菌共存均衡型これら3グループに分類されたチャン・ボーも希釈平板を行うことにより, 全試料中からSaccharomycopsis属酵母とRhizopus属中心の糸状菌が共存することが確認された。2. 糸状菌優勢型の餅麹を用いて蒸煮米の糖化を行ってみたが, 他の餅麹試料を用いて糖化を行ったものに比べて非常に弱いものであった。3.糸状菌およびチャン・ボーのアミラーゼ活性を試験した結果, 分離した15株の菌株のうち, アミラーゼを生産していたものはRhixopus sp.の5株とAspergillussp.1株の計6菌株のみであった。他の菌株のアミラーゼ活性はきわめて弱かったことから, チャン・ボーより分離される糸状菌はそのすべてが必ずしもアミラーゼ生産に関与しているとは考えられず, チャン・ボーの主糖化菌はSacCharomycopsis fibuligeraであり, Rhizopus sp.や, 若干のASpergillus sp.などの糸状菌が, 補足的に糖化に関与しているものと考えられた。以上のことから, これまで報告してきたSaccharomycopsis属酵母がアミラーゼ生産を行うの主糖化菌であることを支持する結果となった。同行を許可された田部井淳子氏を隊長とするブータン遠征女子登山隊に感謝します。
著者
内村 泰 岡田 早苗 小崎 道雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.55-61, 1991-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
2 6

(1) ラギ中より分離された乳酸球菌としては, 四連球菌であるP.pentosaceus, 桿菌としてL.fermentum, L. plantarumの3菌種が分離された。(2) しかしこれらの菌の中でもP.pentosaceusが圧倒的な菌数を占めることから, この菌がラギ中の乳酸菌の主要菌であり, ラギを用いて酒の醸造を行う場合の主発酵菌であることが示唆された。(3) ラギから, 四連球菌であるP.pentosaceusが, 非常に高い頻度で分離されてくる原因として, 天然開放で製造されている餅麹中で当然その存在が予想された各種乳酸菌のうち, 増殖速度の違いにより生育の早い球菌が, 製造されたラギ中で先に増殖すること, また分離菌を用いて桿・球両菌を用いて比較してみると, 球菌は桿菌に較べ乾燥耐性が大であることなどから, ラギ製造過程において四連球菌が選択的に, 生き残ったのではないかと推察した。
著者
内村 泰 新村 洋一 小原 直弘 小崎 道雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.62-67, 1991-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1 7

1.得られた乳酸菌のうち桿菌は非常に少なく, また球菌の大部分は四連球菌であった。この結果から食酢醸造用餅麹ルクパン中の乳酸菌は, 東南アジア諸国で広く用いられている酒醸造用餅麹と同様に, 四連球菌が主要菌であり, 他の形状のものは非常に少ないとした知見を支持する結果となった。2.得られた酵母は分離した全株が菌糸状酵母であり, 当然その存在が考えられた球状酵母は, 全く分離されないという興味二ある結果となった。3.各ルクパンを5日毎に順番に添加する方法により食酢を仕込み, 生産される酢酸量は市販されている日本産タイ国産の食酢製品と比較するとその量は半分以下であった。4.この酢酸量が少なかった原因として, ルクパンが雑菌を含め多種の菌株が存在していることから, 純粋培養された優秀な菌株を用いて醸造を行っているのではなく, それぞれの菌が生産している発酵生産物をさらに資化しているとも考えられた。5またルクパン中に, 当然存在が考えられるアルコール発酵酵母が分離されず, 菌糸状酵母のみであったことは, 菌糸状酵母が糖化生産した糖を直接酸化して, 酢酸発酵を行わざるを得ないことから, 代謝上非常に効率の悪い発酵を行っているのではないかとi推察した。