著者
生川 菜々 小川 晃一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J103-B, no.2, pp.79-89, 2020-02-01

本論文では,32×32 MIMO (Multiple Input Multiple Output)・AOA (Angle of Arrival)複合アンテナに関し,MIMO・AOAアンテナ間の電磁結合による到来波推定機能の位相摂動を緩和させるため,リアクタンス素子の装荷を図り,測角精度の改善方法ついて検討した.32×32 MIMOシステムの位相モノパルスAOAアンテナは多数のMIMOサブアレーに囲まれているため,電磁結合が生じ到来波方向推定が困難になる.この問題を解決するため,負荷インピーダンスのリアクタンス値を制御する方法を提案し,高精度な到来波方向推定が可能となることを示した.解析結果より,負荷インピーダンスを最適化することによって,0.2度以下の推定角度誤差が得られた.直接波レベルが小さいKファクターが-10dBのライスフェージング環境下においても5度以下の測角精度が達成できることを明らかにした.更に,負荷インピーダンスを装荷し,ライスフェージング環境下のOTA (Over-The-Air)実験を行った.その結果,リアクタンス負荷を装荷することにより測角誤差を低減できることを確認した.更に,測角誤差低減メカニズムを素子上の電流分布から考察した.
著者
小川 晃一
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-49, 1986-06-05
著者
岩井 浩 小川 晃一 小柳 芳雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J87-B, no.9, pp.1277-1286, 2004-09-01

本論文では,携帯端末アンテナの人体影響軽減を目的として,PDC方式で採用されている受信ブランチ判定規範に基づく送信ダイバーシチ方式を提案し,その有効性を理論と実験の両面から検証した.まず,ブランチ間の相関係数と不等中央値から,基地局側平均受信電力の改善量を解析的に見積もった.次に,携帯電話の通話状態における姿勢を精密に模擬した上半身リアルファントムと折畳み式携帯電話を模擬した端末モデルを用いて,携帯電話の実用状態における提案方式の適用効果を検証した.実験に用いた端末モデルは,ダイバーシチアンテナとしてほぼ同じ放射効率の外部アンテナと内蔵アンテナを備えており,この場合の基地局側平均受信電力の改善量は7.9 dBとなった.本方式では瞬時値変動による信号フェードの救済は期待できないものの,人体による送信アンテナの動作利得低減に対して大きな改善効果が期待できることを明らかにした.
著者
小川 晃一
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1-2, pp.575-591, 1985-09-30
著者
小川 晃一
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.575-591, 1985-09-30
著者
小川 晃一
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.1-51, 1986-03-01
著者
小川 晃一 小柳 芳雄 伊藤 公一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J84-B, no.5, pp.902-911, 2001-05-01

本論文では,人体腹部に近接した150 MHz帯ノーマルモードヘリカルアンテナについて,有能電力に基づいた放射効率を新たに定義することによって,インピーダンス不整合及びアンテナ自身の抵抗による電力損失を考慮した取扱いをし,アンテナの長さやアンテナと人体の距離によって生じるアンテナの実用状態における実効的な放射効率の変化を解析的に求めた.更に,各部の損失電力を求めることによって放射効率低下をもたらしている要因分析を行い,効率低下のメカニズムを明らかにするとともに,その結果に基づいて人体近接時の放射効率改善の可能性について検討した.その結果,人体近傍における放射効率は-20 dB以下になること,その主要な要因はインピーダンス不整合損失であること,人体近接時に常に共役整合の状態を保つことによって10 dB以上の放射効率の改善が可能であることを示した.更にこれらのことを実験的に確認した.
著者
小川 晃一
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1-2, pp.39-83, 1985-09-30
著者
北村 毅史 本田 和博 小川 晃一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.349, pp.23-28, 2012-12-06

本論文では,2素子半波長だいぽーるあれーあんてなについて到来波SNR,素子間の電力の差異である不等電力ΔGそして素子間の相関係数ρを変化させ,もんてかるろしみゅれーしょんによりMIMO伝送容量特性の解析を行った.その結果から多変量回帰分析によってSNR,ΔG,ρを変数とするMIMO伝送容量の関数を求めた.この関数から得た伝送容量が妥当であるか,もんてかるろしみゅれーしょんの結果との比較を行った.さらに得られた関数について,人体影響が存在する端末実装あんてなを用いて解析を行い,提案方法の妥当性を検証した.
著者
小川 晃一 高田 潤一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.852-865, 2000-06-25
被引用文献数
43

本論文では, ホイップアンテナと板状逆Fアンテナによって構成された携帯電話用ダイバーシチアンテナについて, それを所持する人体の電磁的影響を考慮して求められるブランチ間相関及び実効利得性をπ/4シフトQPSKの相関係数及び不等中央値として使用することにより, アンテナ特性が影響するシステム利得である移動局のダイバーシチ利得とアンテナ実効利得の両者を同時に評価する指標として, ダイバーシチアンテナ利得(DAG:Diversity Antenna Gain)を新たに導入し, 携帯電話用ダイバーシチアンテナの実効性能と外部環境, アンテナ構成パラメータ及び人体の影響を定量的に評価した.ダイバーシチ合成法としては, 現行ディジタル携帯端末(PDC方式)に用いられている高周波段での切換合成の上限特性を与える検波後選択合成受信(遅延検波), 及びより高い性能が期待できる最大比合成受信(同期検波)の2通りについて解析した.900MHz帯において, ホイップ長, 鉛直方向からの傾き角, 人体と端末の距離, 到来波の状況とダイバーシチアンテナ利得の関係を解析し, これにより, 携帯電話用ダイバーシチアンテナの使用状態における実効性能を調べ, 高いアンテナ性能を得るための条件を具体的に示した.
著者
岩井 浩 小川 晃一 畠中 順子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.784-793, 2006-05-01
被引用文献数
4

携帯電話端末を人体の正面で保持する姿勢(PDA:Personal Digital Assistance姿勢)を高精度に模擬したi携帯電話端末アンテナ電磁評価用のリアル形状上半身擬似人体を作製した.寸法は日本人34,000人の統計データの平均値に基づいており,44人の20〜30歳代男性に対してPDA姿勢で38個所に及ぶ計測部位の計測値の平均を用いて決定した.擬似人体の肩と肘にそれぞれ上下・前後に移動可能となる機構を設け,手首が仰角方向に回転可能となる機構を設けることにより,姿勢の個人差により生じる端末と人体との相対位置関係を調整可能とした.直方体状の金属筐体に装着された素子長が1/4波長のホイップアンテナを用いて擬似人体の放射特性を検証した結果,日本人の平均に近い身長及び体重を有する人体と放射指向性及びPAG(Pattern Average Gain)がよく一致していることを確認した.
著者
小川 晃一 松吉 俊満 門間 健志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.98, no.356, pp.89-96, 1998-10-23
被引用文献数
7

ホイップアンテナと板状逆Fアンテナによって構成された携帯電話用ダイバーシチアンテナに関し、携帯電話を所持する人体による電磁的影響を考慮して900MHz帯における特性を解析した。ダイバーシチアンテナおよび人体をワイヤーグリッド法によってモデル化し、陸上移動無線伝搬環境において、ホイップ長、頭と携帯端末の間隔、鉛直方向からの傾き角と放射効率、平均実効利得(Mean Effective Gain:MEG)、相関係数の関係を定量的に解明した。その結果、頭と端末の間隔が2cmのとき1/4波長ホイップアンテナは-8.5dBd、板状逆Fアンテナは-11dBdの低いMEGを示すこと、そして1/2波長ホイップアンテナの場合、それぞれのMEGは-7dBdおよび-8.5dBdに増加することがわかった。さらに、筐体の傾き角が60°付近の実使用状態では0.3以下の小さな相関係数が得られることがわかった。さらに、人体の各部位(頭、手、肩)に吸収される電力、インピーダンスの不整合による反射電力および非励振素子における消費電力の定量的関係について調べた。