著者
長野 留美子 小林 洋子 大杉 豊
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.31-35, 2019-03

耳のきこえない女性(以下「ろう女性」とする。)は,「障害者」と「女性」という二重差別の中で言語化の機会も乏しく,1950 年代まで抱える課題が可視化されてこなかった存在である。本報告では,「ろう女性」に焦点をあて,聴覚障害当事者団体の機関紙である日本聴力障害新聞の戦後の創刊当初から2014 年までを対象に「ろう女性」に関する記事を抽出し,データベースを作成した経緯について述べる。
著者
豊田 修次 小林 洋子 阿彦 健吉
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.591-598, 1990-07-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
26

本研究は,国産ゴーダチーズの熟成後期に発生するガス膨張の原因を究明する目的で実施した.バクトヒュージ無処理の冬季乳を用い,硝酸塩無添加で製造したゴーダチーズを13~15°Cで4ヵ月間熟成すると,30試料中,11試料が熟成2カ月以内で膨張し,その大半はガスホール周辺に大きな亀裂を生じた.このガス膨張は酪酸菌によるものであった.DRCM培地中に生育した酪酸菌は,大きな黒色コロニーと小さな褐色コロニーを呈した.膨張チーズ中の黒色コロニー数は,チーズg当り30cfu以下で,正常チーズと差が認められなかった.105株の黒色コロニーは,Cl.sporogenesが86株,Cl. beijerinckiiが11株,Cl. butyricumが8株であった.一方,褐色コロニー数は,チーズg当り膨張チーズで102~104cfu,正常チーズで10cfu以下であった.褐色コロニーは,いずれもCl.tyrobutyricumと同定された.従って,本ゴーダチーズのガス膨張は,Cl. tyrobutyricumによるものと判断した.分離したCl. tyrobutyricum KS-222は,脱脂乳培地中ではほとんど生育しないが,S. lactis subsp. lactisとの混合培養でよく生育して多量のガスを発生した.Cl. tyrobutyricumKS-222は,DRCM培地では胞子をほとんど形成しなかったが,糖密-ソイトン培地の使用で,その胞子形成率は2.1%まで上昇した.Cl. tyrobutyricum KS-222胞子は,生育限界温度およびpHがそれぞれ7~10°C,4.5~5.0付近であった.Cl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育を抑制する食塩濃度は,培地pHに著しく依存し,pH5.0で約2%,pH5.5で約4%,pH6.0~6.5で約6%であった.また,Cl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育抑制に対する硝酸カリウムの効果は,上述の食塩の場合とほぼ同様であったが,亜硝酸カリウムでは0.005%以下の濃度でCl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育を強く抑制した.
著者
西川 真理子 西 一也 川野 留美 山本 啓子 小林 洋子 原田 由加 渡邊 達夫
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.682-688, 1992-10-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

The purpose of this study was to evaluate the plaque removal effect of a dentifrice containing granulated zeolite. Fifteen volunteers, who were nurses, dental hygienists and dentists between the ages of 21 and 42 years participated in the experiments. Following professional toothbrushing, the subjects refrained from toothbrushing for 3 days. Then daily professional toothbrushing was performed by trained dental hygienists with the experimental dentifrice for 5 days. No oral hygiene procedure was performed for 3 days after the first clinical trial. The second trial with the control dentifrice was done for 5 days. During each trial, the subjects stopped all personal oral hygiene procedures. The plaque removal effect was evaluated using plaque scores before and after toothbrushing. At 24 and 72 hours after toothbrushing, the inhibitory effect on plaque formation was calculated. The results showed that the experimental dentifrice was significantly more effective in removing plaque on the lingual surfaces and gingival margins and the interproximal gingival margins of the teeth than the control dentifrice. Significant difference was also found between the two dentifrices in removing plaque in pits on the occlusal surfaces. There was no significant difference in the inhibitory effect of the two dentifrices on plaque formation. This suggests that the dentifrice containing granulated zeolite improved the effect of toothbrushing. A questionnaire survey indicated that many subjects preferred the dentifrice containing granulated zeolite. No clinical side effects were observed in the two dentifrices.
著者
崔 舜翔 亀井 勉 小林 洋子
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.82-83, 2013-03-01 (Released:2018-12-11)

【目的】薬物を一切使わずに、気功入静法、刺絡療法と催眠療法の三者の同時導入により、摂食障害の諸症状の著しい改善が見られた一症例を報告する。【材料と方法】35歳、女性、幼児ごろより周りからのいじめ、未成年時の家出により、14歳から現在まで21年間摂食障害を患う。主な症状として、食事に対する恐怖心と罪悪感、人との外食や出勤時の食事ができず、仕事から帰宅すると暴食し、その自覚もなく、過食と嘔吐を繰り返す。また、20年以上の不眠症、左腹部の鈍痛感、呼吸困難に陥いたりする。鍼灸、整体、マッサージ、催眠療法、瞑想等各種治療法を試みたが、改善は得られなかった。2012年11月から、当院で気功入静法、刺絡療法と催眠療法と3つの組合せ治療を受ける。気功入静法は、徐々に時間を初回の15分から最長150分まで延ばし、呼吸法を行わずに、「人天合一、物我両忘」の虚無境界に入る方法を指導した。気功入静法のみを通じて摂食障害の要因ときっかけを探ることにした。刺絡療法は3回目以降から12正経の井穴に、自宅で週2~3回程度に行うように指導した。催眠療法は、3回目から1回約20分行い、気功入静法を実践するにつれて健康意識が自然に高まるという一般的な暗示を入れた。【結果】治療開始から今までの2ヶ月間計9回の治療(1回治療3時間)を経って、現在嘔吐はまだ多少あるものの、食事量が過食時の三分の一まで減り、上記の諸症状すべてが消え、著しい改善が認められた。【考察及び結論】中医理論では、喜・怒・思・憂・悲・恐・驚などの感情が行き過ぎると、陰陽のバランスの崩れ、気血の運行の乱れと臓腑の機能失調をもたらし、疾病を起こすとされる。本人が5回の指導と治療によって気功入静法をマスターできたために、気功入静による心理的障害の除去と健康増進の効果が現れたと考えられる。また、全身12経絡への刺絡療法によって自律神経と体性神経の異常亢進を抑制でき、そして、催眠療法によって健康意識が高まった。この三つの療法の相乗効果によって行き過ぎた感情が調整されたことが陰陽と気血及び臓腑の機能の改善につながり、結果的に摂食障害の諸症状の顕著な改善につながったと考えられる。
著者
小林 洋子 湯淺 洋子 新堀 多賀子 伊藤 由加里 明渡 陽子
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.120-124, 2014 (Released:2014-07-25)
参考文献数
5

子宮頸がん発症が20歳代からと低年齢化しており,また乳がんの高い罹患率などから,若い世代から女性特有のがんに関する知識を持ち,健康への意識を高めることは重要である.そこで,本学女子大生で同意の得られた164名に子宮頸がん,乳がんについての知識調査を実施し,知識の普及啓発と自己管理能力の向上を目的とした.子宮頸がん,乳がんの知識調査では,子宮頸がんの知識がある学生は,有意に乳がんの知識もあり,また子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受けていた.HPVワクチン接種の有無別による子宮頸がんの知識の平均正解数は,ワクチン接種ありの正解数が有意に高かった.全体でHPVワクチンの接種率は25.0%で,接種理由は家族や友人などの勧めが58.5%と最も多かった.子宮頸がん検診の受診率は8.5%と低く,HPVワクチンを接種した学生においても9.8%と同様に低い結果であった.乳がんの知識のある学生は,自己触診法の経験があるものが有意に多かった.また,自己触診法の認知度は高かったが,実際に自己触診法の経験のある学生は全体のわずか14.7%に過ぎなかった.しかし,自己触診法の具体的な方法を知りたいと希望する学生は81.6%と多かったことから,今後乳がん自己触診法の指導と女性のがんについての啓蒙教育を実施していきたい.
著者
崔 舜翔 亀井 勉 小林 洋子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.82-83, 2013

【目的】薬物を一切使わずに、気功入静法、刺絡療法と催眠療法の三者の同時導入により、摂食障害の諸症状の著しい改善が見られた一症例を報告する。【材料と方法】35歳、女性、幼児ごろより周りからのいじめ、未成年時の家出により、14歳から現在まで21年間摂食障害を患う。主な症状として、食事に対する恐怖心と罪悪感、人との外食や出勤時の食事ができず、仕事から帰宅すると暴食し、その自覚もなく、過食と嘔吐を繰り返す。また、20年以上の不眠症、左腹部の鈍痛感、呼吸困難に陥いたりする。鍼灸、整体、マッサージ、催眠療法、瞑想等各種治療法を試みたが、改善は得られなかった。2012年11月から、当院で気功入静法、刺絡療法と催眠療法と3つの組合せ治療を受ける。気功入静法は、徐々に時間を初回の15分から最長150分まで延ばし、呼吸法を行わずに、「人天合一、物我両忘」の虚無境界に入る方法を指導した。気功入静法のみを通じて摂食障害の要因ときっかけを探ることにした。刺絡療法は3回目以降から12正経の井穴に、自宅で週2~3回程度に行うように指導した。催眠療法は、3回目から1回約20分行い、気功入静法を実践するにつれて健康意識が自然に高まるという一般的な暗示を入れた。【結果】治療開始から今までの2ヶ月間計9回の治療(1回治療3時間)を経って、現在嘔吐はまだ多少あるものの、食事量が過食時の三分の一まで減り、上記の諸症状すべてが消え、著しい改善が認められた。【考察及び結論】中医理論では、喜・怒・思・憂・悲・恐・驚などの感情が行き過ぎると、陰陽のバランスの崩れ、気血の運行の乱れと臓腑の機能失調をもたらし、疾病を起こすとされる。本人が5回の指導と治療によって気功入静法をマスターできたために、気功入静による心理的障害の除去と健康増進の効果が現れたと考えられる。また、全身12経絡への刺絡療法によって自律神経と体性神経の異常亢進を抑制でき、そして、催眠療法によって健康意識が高まった。この三つの療法の相乗効果によって行き過ぎた感情が調整されたことが陰陽と気血及び臓腑の機能の改善につながり、結果的に摂食障害の諸症状の顕著な改善につながったと考えられる。