著者
大杉 豊 戸井 有希 鈴木 潔
出版者
筑波技術大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

日本手話言語地図の作成研究の第一歩として、全国47都道府県合計94名を対象に調査した範囲で、語彙レベルで地域による違い及び年齢層による違いの両方を示す言語地図の試作版をウェブ形式で製作した。分析の結果、(1)手話語彙レベルで地域的な分布が存在すること、(2)70歳代と比すると、30歳代では手話語彙レベルでの共通化が顕著であることの2点が明らかになった。
著者
長野 留美子 小林 洋子 大杉 豊
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.31-35, 2019-03

耳のきこえない女性(以下「ろう女性」とする。)は,「障害者」と「女性」という二重差別の中で言語化の機会も乏しく,1950 年代まで抱える課題が可視化されてこなかった存在である。本報告では,「ろう女性」に焦点をあて,聴覚障害当事者団体の機関紙である日本聴力障害新聞の戦後の創刊当初から2014 年までを対象に「ろう女性」に関する記事を抽出し,データベースを作成した経緯について述べる。
著者
大杉 豊
出版者
日本手話学会
雑誌
手話学研究 (ISSN:18843204)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.15-24, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
12

This paper brings lexical variation among sign language users in Japan into focus. A nationwide data collection project, completed in 2010 with the help of 94 Deaf sign language users from all 47 prefectures of Japan, found that most items among the 30 lexical items showing extensive variation appear in data from the 70 year-old group, and there is little variation in data from the 30 year-old group. The further analysis on the data demonstrates explicitly that the lexical sharing phenomenon is occurring on sign language users in Japan.
著者
上原 景子 HOOGENBOOM RAY 金澤 貴之 大杉 豊 中野 聡子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

音声認識技術を活用した聴覚障害学生支援では,聴覚障害者の英語の読みの特性に即した英語字幕呈示が望まれる。聴覚障害者の英語の単語認知や読みは聴者と異なり,語彙情報アクセスでは音韻表象に依存せず,意味表象が重要な役割を果す。音声認識英語字幕の呈示では,日本語と異なり,1行当たりの単語数が少ない頻繁な改行は適切でなく,ピリオドのみでの改行かピリオド・カンマでの改行を,英語力や字幕の内容・難易度を考慮して行うのが望ましいと考えられる。