著者
小林 裕子
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ (ISSN:09153594)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.120-125, 2000-07-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
28
著者
小林 裕子 村田 晋太朗 永田 智子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2018

【研究の背景と目的】<br><br> 平成29年告示の学習指導要領では,中学校家庭科において新たに「B衣食住の生活(5)生活を豊かにするための布を用いた製作」で「衣服等の再利用の方法」を扱うことになった。中学校学習指導要領解説技術・家庭編(2018)には「着用されなくなった衣服を他の衣類に作り直す,別の用途の物に作り替える」などが例として示されている。しかし,現在中学校で使用されている家庭科教科書(開隆堂・東京書籍・教育図書)の内,2冊はリフォーム・リメイク等の単語がイラスト付きで簡単に紹介されているのみ,1冊は古着を持ち寄り衣服や小物にリメイクしている団体の取り組みに関する内容であり,実践的で具体的な内容や方法は記載されていない。<br><br> 衣服等の再利用に関する研究として,高森(1999)や赤塚ら(2016)による「衣服等の再利用」に関する調査がある。中高生は衣服の再利用やリメイクに関心がない訳ではないが(赤塚ら2016),着用しなくなった衣服をリメイクする生徒は僅かである(高森1999)ことが分かっている。高等学校段階では消費生活やESDと関連づけた研究調査や実践があるが,中学校段階ではほとんど見当たらない。<br><br> そこで,中学校家庭科「衣服等の再利用の方法」の教材開発を目指し,本研究では中学生対象に「不要になった布製品の活用について」の質問紙調査を実施し,家庭で不要となっている布製品の実態や対処方法・リメイク経験や興味関心等について,中学生の実態を把握することとした。<br><br><br><br>【研究の方法】<br><br> 質問紙調査の内容は(1)家庭で不要になっている布製品の種類,(2)不用になった布製品の家庭での対処方法,(3)不要になった布製品を何かに作り替える(リメイク)ことへの関心度,(4)不要になった布製品を何かに作り替える(リメイク)ことの経験について,(5)何かに作り替えて(リメイク)みたい布製品の種類,(6)具体的なリメイクのアイデア(自由記述)である。<br><br> 2018年3月,兵庫県M市と大阪府S市の中学1・2年生422人(M市275人,S市147人)を対象に行った。<br><br><br><br>【結果】<br><br> (1)家庭で不要になっている布製品として,「Tシャツ(59.5%)」が最も多く,次いで「靴下(48.1%)」が家庭にあることがわかった。(2)不要になった布製品の家庭での対処方法は,「誰かにあげる・譲る(62.5%)」が最も多く,次いで「捨てる(59.5%)」となった。(3)要になった布製品のリメイクへの関心度は,「とてもある・少しある」と「あまりない・ない」がともに50.0%であった。(4)不要になった布製品のリメイク経験は「ある」の回答が31.3%,「ない」が68.7%であった。(5)リメイクしてみたい布製品は「Tシャツ(46.0%)」が最も多く,次いで「ジーンズ(41.5%)」,「タオル(36.7%)」,「ハンカチ(29.1%)」の順となった。<br><br><br><br>【考察と今後の課題】<br><br> 質問紙調査の(1)と(5)の結果から,家庭で最も不要になっている布製品であり,生徒が最もリメイクしてみたいと考えているものが「Tシャツ」であった。「Tシャツ」は,生徒が自宅から持参しやすく,リメイクに対して関心も高いことから,次期学習指導要領で新たに示された「衣服等の再利用の方法」を扱う授業の教材として適切であることが示唆された。<br><br> 今後は,不要になったTシャツをどのようにリメイクすることが中学生の発達段階に適し,かつ資質能力の育成に寄与するか,具体的なリメイクの方法を検討し教材化することが課題である。
著者
鳥越 和憲 秋岡 健一郎 住谷 泰 清水 信貴 小林 裕子 白鳥 倫治
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.101-106, 2000-03-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
21

プロポフォール麻酔中に低濃度のセボフルランを使用することによって,夢や健忘の出現に変化があるかを検討するために,ASA Iの耳鼻科患者60名を無作為に,プロポフォール+亜酸化窒素(PN)群,セボフルラン+亜酸化窒素(SN)群及びプロポフオール+亜酸化窒素+30分間低濃度セボフルランを30分間隔で投与した(PNs)群の3群(各20例)に分けて比較した.夢の想起率は,PN群で55%,SN群で10%と後者で有意の減少があった.PNs群は45%で,PN群より減少傾向を示した.翌日の健忘については,色に関する回答において,PNs群は他の2群に比べ有意に健忘が増加した.手術室での出来事や覚醒後の出来事についての調査では,PNs群は他の2群に比べ有意に健忘が増加した.プロポフォール+亜酸化窒素麻酔中,低濃度のセボフルランを間歇的に併用すると,夢は減少し健忘は増加して,麻酔の「覚醒の質」の向上を得られることが示唆された.
著者
小林 裕子 永田 智子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, 2016

【研究目的】 <br>&nbsp; &nbsp;自然災害大国と呼ばれる我が国において、児童生徒に対し実践的かつ継続的な災害学習の実施は必要不可欠である。本研究の目的は中学校家庭科で災害時の食を扱った学習の開発、実施、評価を行うことである。前回の報告(小林、永田2015)では研究の第一段階として、中学生に災害に関する質問紙調査を実施した。その結果、食料を数日分備蓄している家庭は3割程度に過ぎず、災害時に水や食料の確保が不安だと答えた生徒が6割を上回っていた。また社会の中で広がりを見せる従来の「非常食」から保存のきく日常食を災害時に活かす「災害食」への転換や、「ローリングストック法」の考えはまだほとんどの中学生が知らないことが分かった。そこで次の段階として「災害食」を題材とした課題解決的な学習を開発し実践することとした。 【開発した学習】 <br>&nbsp; 開発した学習は3時間で構成され、B食生活と自立(3)ウの「食生活についての課題と実践」に位置づけた内容である。この題材の目標は「災害時の食生活に関心をもち、課題をもって災害時の調理活動と献立作成を体験することを通して、災害時に備えた食品の備蓄を工夫して計画を立てて実践できること」である。この目標に沿い、学習の構成は、1.生徒が災害時の食生活に関心をもち課題を見つけ、どのような解決方法があるかを知り考える 2.災害時を想定した「災害食」の調理実習を実施し、体験活動から工夫や学びをさらに深める 3.平均的な家庭の備蓄食品から災害時の一日分の献立を栄養バランスにも配慮して考え家庭での実践につなげる という展開とした。3ではB(2)イの献立学習内容を押さえながら家庭での備えの改善につながるよう工夫した。 <br> 【学習の実践】 <br>&nbsp; &nbsp;実践は兵庫県公立中学校2学年の生徒5クラス164名を対象に、2016年2月に行った。 第1校時の授業はパワーポイントを使用して行った。南海トラフ地震の被害想定と日本が自然災害大国であることの確認から入り、災害時の食生活の課題にはどんなものがあるか各自で考え、発表をして意見の共有を行った。次に日常的に保存のきく食品を備蓄しながら使い回す「災害食」の考えや、その実践方法として「ローリングストック法」が推奨されていることを学習した。従来の乾パンやアルファ米のように使わず備えておく「非常食」より、「災害食」は賞味期限切れの無駄がなく、味も普段から慣れているので合理的でよいという感想が大半を占めていた。 第2校時は災害時を想定した調理実習を行った。使う食材は保存食品のみ、水の使用は調理と洗い物含め各班2リットルに制限、ガスコンロは使用可とした。献立はポリ袋炊飯で作るわかめご飯とツナ缶を肉の代わりに使用したツナじゃがとした。栄養面で6つの基礎食品群をすべてカバーした献立である。炊飯時間が20分と短く洗い物も出ず、なおかつ食味も炊飯器で炊き上げたものとほぼ変わらないと生徒に大変好評であった。食器にラップを敷き洗い物を減らす体験も行った。被災地から生まれた節水になる工夫のすばらしさに感心している様子が伺えた。 第3校時は班活動とした。平均的な家庭の備蓄食品を各食品群別に分け一覧にしたプリントを配布し、まず各自で災害時の一日分の献立を栄養バランスも考慮して考えた。それを班単位で組み合せ1週間分にまとめるという活動を行った。その後、献立を立てる際に不足した食品や使用しなかった食品を挙げ、災害時の備蓄の課題を再度見直し、どのように改善していけばよいかを具体的に考えた。 今後は、授業で生徒が記入したワークシートの感想や自己評価、アンケートなどを分析し評価を行う予定である。
著者
小林 裕子 杉本 幸枝
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.1054-1056, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
10

【目的】胃瘻カテーテル内腔の栄養剤残留は細菌の温床となるので、ガイドラインでは洗浄を推奨しているが、半固形状流動食の場合は検討されていない。そこで、本研究では半固形状流動食注入後の洗浄について高い洗浄効果が期待される寒天を使用し、胃瘻カテーテルの留置期間に対応した30日間で実験を行い検討した。【対象及び方法】チューブ型バルーンタイプの胃瘻カテーテルを用いて、半固形状流動食(pH4.0以下)注入後洗浄を行った。寒天洗浄40mLと水洗浄40mLを各3本ずつで行い、これを30日間繰り返し行った。カテーテル内腔の回収液のpHを測定し生菌培養検査を行った。【結果】寒天洗浄ではpHは6.6で生菌数は20コロニーであった。一方、水洗浄はpH6.7で生菌数は1,000コロニー以上であった。【結論】寒天洗浄は胃瘻カテーテルの生菌繁殖が抑えられる有用な方法である。
著者
小林 裕子 永田 智子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, 2016

&nbsp;【研究目的】自然災害大国の我が国において,児童生徒に対し実践的かつ継続的な災害学習の実施は必要不可欠である。本研究の目的は中学校家庭科で「災害時の食」を扱った授業を開発し,授業実践を通して有効性と適切性を評価することである。研究の第一段階として,小林・永田(2015)は中学生に災害に関する質問紙調査を実施した。その結果,中学生は「災害時の食」への不安は大きいが,災害に関する知識や家庭での備えが不足していることが明らかとなった。この結果を基に,小林・永田(2016)は,「災害時の食」を扱う3時間構成の授業を開発し,実践した。実践は兵庫県公立中学校2学年の生徒5クラス164人を対象に,2016年2月に行った。 【授業評価の結果】 開発した授業の有効性と適切性を検証するため,以下の4つを実施した。 1)授業前後に行った「災害時の食」に関する知識アンケート 「「災害食」と「非常食」の違い」,「ローリングストック法」を「分かる」と回答した生徒は,事前3.7%から事後61.8%へ,事前2.5%から事後70.4%へとどちらも授業後大幅に増加した。 2)授業終了1ケ月後自由記述感想 「各時間の授業」,「学習の内容・活動」に関してカテゴリに分類した。また生徒の「~したい」の記述は,「災害時の食」と主体的にかかわろうとする意欲の表れで重要ととらえ,これも抽出しカテゴリに分類した。「各時間の授業」について記述した生徒は70.1%であった。その内2時間目について記述した生徒は59.3%で最も多く,次いで1時間目が50.0%で,3時間目は1.9%と少なかった。「学習の内容・活動」を記述した生徒は72.7%であった。その内「災害食」・「ローリングストック法」を記述した生徒が50.0%と最も多く,次いで「ツナじゃが調理」,「ポリ袋を用いた炊飯」が各40.2%,36.6%であった。「献立作成」は4.5%と少ない結果であった。「~したい」を記述した生徒は66.9%で,「作りたい」28.2%,「備えたい」20.3%,「実践したい」11.7%,「家族で話し合いたい」11.7%であった。 3)授業終了1カ月後アンケート 「授業後,本授業について家庭で話しあった」生徒は65.1%で,思春期の中2としてはかなり多い結果であった。「授業後,「災害時の食」に関する意識や考えに変化」があったと答えた生徒は75.7%と多く,変化の内容は「節水の大切さを考えるようになった」74.8%,「「非常食」より「災害食」が便利で役立つと考えるようになった」66.1%が上位であった。 4) 有識者対象アンケート調査 家庭科教育を専門とする大学教員7人に,開発した授業のアンケートを実施し,5段階尺度で各授業の「目標設定」,「内容や方法」,「生徒の興味・関心」の適切性,「開発した3時間の授業の総合的な適切性」を尋ねた。3つの項目の平均値がほぼ4以上の評価を得,総合的な適切性も平均値は4.6と高評価であった。 【まとめと今後の課題】 1)~3)の結果から,「災害時の食」の基本的な知識の習得,備えや対策を考えること,学習内容を家庭で共有することについては,大半の生徒が達成したと考えられる。また多くの生徒が本授業を積極的に評価し,「災害時の食」について主体的に考えることができるようになったことが分かり,授業としての有効性が認められたと言える。有識者からは本授業を家庭科で扱うことは適切であるという評価を得ることができた。以上のことから,本研究で開発した授業は有効であり適切であることが示唆された。今後の課題は,まず災害時の献立を考える授業の難しさを解消するべく,授業内容や活動の改善を図ることである。家庭や地域と連携した「災害時の食」の授業開発や実践を行うことも目指したい。
著者
小林 裕子 俣野 修身 後藤 真康
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.p449-453, 1984
被引用文献数
2

酢酸グアザチンguazatine triacetate [1, 1′-iminodi-(octamethylene)diguanidinium triacetate]はアルカリ溶液中において, りんごおよびぶどう中の成分に結合しやすい.そこで, りんごおよびぶどう中のどの成分に結合するかを検討した.その結果, フルクトースがグアザチンに結合する要因物質の一つであることが判明した.また, フルクトースのどの位置がグアザチンとの反応に関与しているかを検討した結果, C_1位およびC_2位における水酸基およびカルボニル基が関与していると推定できた.
著者
小林 裕子 俣野 修身 後藤 真康
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.81-84, 1986-02-20
被引用文献数
4

Ethylenebisdithiocarbamates (EBDCs)を施用後の農作物中に残留するethylenethiourea (ETU)の分析法を確立する目的で, たまねぎ, トマト, すいかおよびレタス中のETUの残留分析法について検討した.たまねぎ, トマト, すいかおよびレタス中のETUを含水メタノールで抽出し, 溶媒を留去する.濃縮液を水酸化アンモニウム溶液あるいは水酸化ナトリウム溶液でpH8に調整し, Extrelut^[○!R]カラムで精製したのち, 紫外部吸収検出器付高速液体クロマトグラフィーで定量した.検出限界は, 0.01ppmであり, 回収率は, 76&acd;90%であった.この方法はExtrelut^[○!R]カラムに供する試料をフッ化カリウム等で前処理するNitzの方法より簡潔性, 迅速性等の点で優れている.