著者
小野 展克
出版者
嘉悦大学研究支援・論集編集委員会
雑誌
嘉悦大学研究論集 = Kaetsu University research review
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-17, 2014-10

本研究では、昭和金融恐慌を当時の新聞が、どのようなキーワード、キーセンテンスを使用して報じたのかを分析した。具体的には、片岡直温蔵相の失言に端を発した東京渡辺銀行の取り付け騒ぎを東京朝日新聞、読売新聞、中外商業新報がどのようなキーワードを使って記事化したのかを分析した。昭和金融恐慌は、この東京渡辺銀行の取り付け騒ぎ、鈴木商店の経営不振による台湾銀行の信用不安、台湾銀行の休業という3つの波があり、片岡直温蔵相の失言は、その幕開けとなった事件として注目される。また、先行研究として金解禁をめぐる新聞論調の変化を追った中村宗悦や経済報道のゆらぎ現象の増幅効果を指摘した駒橋恵子らの考察を踏まえ、報道が昭和初期の政策決定に与えた影響も考察した。
著者
浅井 寿生 石田 聖子 磯村 昌彦 伊藤 達也 今泉 景子 大岩 昌子 小野 展克 亀山 郁夫 後藤 希望 佐藤 雄大 白井 史人 高橋 直子 新居 明子 沼野 充義 根無 一信 濱嶋 聡 林 良児 福田 眞人 堀部 純子 真崎 翔 ムーディ 美穂 室 淳子 安井 朱美 吉見 かおる Marceau Etienne HIRATA Eric Paccoud Jérôme CRANE Paul Allen KENNY Tom Annequin Laurent
出版者
名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター
雑誌
Artes MUNDI (ISSN:24321125)
巻号頁・発行日
no.6, pp.191-207, 2021-03-31

豊かさの追求 / 浅井寿生観るよろこびのために / 石田聖子『ダンサー・イン・ザ・ダーク』 / 磯村昌彦ヴィム・ヴェンダース監督『パリ、テキサス』(一九八四年) / 伊藤達也二十年ぶりのタイタニック / 今泉景子「蝶の舌」に込められた想い / 大岩昌子逆行する時間が描く世界の不確かさと不安 / 小野展克ベルイマン『沈黙』をめぐるメモランダム / 亀山郁夫衝撃のラストシーン『レ・ミゼラブル』 / 後藤希望映画『あん』 / 佐藤雄大冬の神田川で / 白井史人『A Beautiful Mind』から学ぶこと / 高橋直子オオカミ少年の瞳 / 新居明子亡命ソ連人監督が描くビザールなアメリカ / 沼野充義人生を変えた我が師について ― 植村直己物語 / 根無一信「SALUTE」メキシコ五輪表彰台での差別抗議 / 濱嶋 聡映画ファンと言える日のために / 林 良児映画狂時代 / 福田眞人「世界の破滅まで百秒」の時代に考える名作 / 堀部純子人生の灯台となった映画 / 真崎 翔名も無きソ連の映画 / ムーディ 美穂ドラえもん世代 / 室 淳子『コースト・ガード』に見る境界線 / 安井朱美人間の心、神秘が宿るところ / 吉見かおるRelevant Now More Than Ever / Étienne MarceauGrowing Through Relationships / Eric HirataThe freedom everyone needs / Jérôme PaccoudA Movie for Teaching Language and Cultural Understanding: "Fried Green Tomatoes" / Paul Allen CraneStagecoach / Tom KennyHunger où l'art de déranger / Laurent Annequin
著者
小野 展克 オノ ノブカツ Nobukatsu Ono
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1-13, 2013-03-20

" 日本航空(JAL)は2010年1月に会社更生法を申請、経営破綻した。しかし、政府系の企業再生支援機構が3500億円を出資、政府系の金融機関である日本政策投資銀行などが6,000億円の融資を実行する体制を整えることで、収益力が急回復、破綻から2年8か月後の2012年9月には再上場を果たした。破綻からの復活劇の背景には、会社更生法の活用で、債務の大幅なカットや人員整理などを実現したことがある。会社更生法という武器がなければ一気に大型機材を償却することは難しかったし、地元自治体などとのしがらみの多い不採算路線の整理、これまで労使交渉の難題だったパイロットの給与カットにも乗り出せなかったであろう。一方で、政府系の企業再生支援機構からの手厚い資本支援で、新型の機材の購入なども可能になった。政府支援が鮮明だったこともあり、大きな顧客離れも起きず、業績は順調に回復した。 筆者は今回のJALの再生は二つの課題を残したことを指摘したい。 一つ目は、健全な競争環境を歪めた点である。日本国内の競争はJALと全日本空輸(ANA)という大手2社を中心に繰り広げられている。一方のJALだけが、会社更生法で債務をカット、政府による公的資金が注入され業績が急回復したのでは、公正な競争環境が維持されているとは言い難い。二つ目は、国際競争力の問題である。羽田空港や成田空港の発着枠の拡大で、日本発着の国際線の競争環境は激変している。絞り込んだサービスで格安運賃を提供するLCCの市場への参入が本格化する上、欧米、アジアの大手航空会社の参入も拡大する。政府支援によって敗者を復活させ、これまでの国内業界秩序を維持したことが、国際競争力の劣化を招く可能性が高い点も問題だと考える。"
著者
小野 展克
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-17, 2014-10-24

本研究では、昭和金融恐慌を当時の新聞が、どのようなキーワード、キーセンテンスを使用して報じたのかを分析した。具体的には、片岡直温蔵相の失言に端を発した東京渡辺銀行の取り付け騒ぎを東京朝日新聞、読売新聞、中外商業新報がどのようなキーワードを使って記事化したのかを分析した。昭和金融恐慌は、この東京渡辺銀行の取り付け騒ぎ、鈴木商店の経営不振による台湾銀行の信用不安、台湾銀行の休業という3つの波があり、片岡直温蔵相の失言は、その幕開けとなった事件として注目される。また、先行研究として金解禁をめぐる新聞論調の変化を追った中村宗悦や経済報道のゆらぎ現象の増幅効果を指摘した駒橋恵子らの考察を踏まえ、報道が昭和初期の政策決定に与えた影響も考察した。
著者
小野 展克
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.55-70, 2008

This paper shows how the mass media reports the management crisis of companies. Through my research, it is found that media reports could have a huge impact on corporate credibility as well as on the fate of the reported companies. As a result of One-factor ANOVA (analysis of variance) and t Test, I have found that when companies decide on voluntary liquidation such as through debt waivers, the media often uses the words that make readers image about corporate turnaround, such as "rebuilding" and "support." On the other hand, in the case of the legal liquidation such as using the Corporate Rehabilitation Law, words that tend to damage the image of corporate credibility, such as "bankruptcy," and "failure," were used in many media reports. How the media reports company liquidation greatly vary depending on whether companies go bankrupt voluntarily or by using functions of the court.