著者
田中 祐輔 矢田部 塁 中村 真悟 小野寺 武 都甲 潔
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.89, 2012

我々は,従来の問題点を解消した迅速かつ高感度な新しい爆発物検知方法として,抗原抗体反応を利用し高選択性を持たせた表面プラズモン共鳴(SPR)センサを提案している.本研究の目的は,プラスチック爆弾の主成分として使われるRDX(Research Department Explosive : 1,3,5-trinitroperhydro-1,3,5-triazine)の高感度検出の方法の確立である.センサ表面に自己組織化単分子膜(SAM)を形成させ,デキストランアミンを介して,RDXの類似物質を固定化し,間接競合法を用いて測定を行った.その結果,RDXに対して100pptの検出限界を実現した.
著者
吉岡 大貴 横山 諒平 劉 傅軍 小野寺 武 内田 誠一 中野 幸二 林 健司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.409, pp.53-56, 2014-01-17

匂いは目に見えないが,危険信号として重要な情報を持つ.匂いは気体であるため,匂い情報として匂い物質の種類,濃度,空間分布が考えられる.本研究では匂い物質を可視化するために蛍光物質を混ぜたアガロースゲルフィルムを蛍光プローブとして用い,匂い情報を蛍光変化として取り出している.本稿では,蛍光物質を複数用いたマルチ蛍光プローブを用いてマルチスペクトルイメージングを行い,匂い物質の識別を行っている.また,混合匂いに対するマルチ蛍光プローブの反応は各匂い物質毎の各単一蛍光プローブの反応に分割できるため,混合匂いを含めた匂い濃度の空間分布を識別することができる.
著者
堀川 和彦 小野寺 武 三浦 則雄 松本 清 都甲 潔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.228, pp.85-88, 2006-09-01
被引用文献数
1

現在,爆発物の探知には訓練された犬や金属探知機などが使用されているが,これらの方法には信頼性,コストなどの面で多くの課題がある.そこで本研究では,抗原抗体反応と表面プラズモン共鳴(SPR)センサを組み合わせたSPR免疫センサを用いて,爆薬であるトリニトロトルエン(TNT)の検出を行った.このとき置換法と呼ばれる検出方法を用い,この置換法に用いる複合体抗原の種類を変えることでTNT検出下限にどのような影響が現れるかを調べた.その結果,複合体抗原-抗体の自然解離が大きい複合体抗原を用いることで検出下限を低下させられることが示唆された.