著者
桑村 充 井手 美佳 山手 丈至 白石 佳子 小谷 猛夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.1117-1119, 2006-10-25
被引用文献数
1 26

4歳齢の柴犬が,原因不明の疼痛があり触ると過敏に痛がるとの主訴にて来院した.7日後,運動失調,後肢の脚弱とナックリングが認められ,第20病日に死亡した.剖検では胸椎に腫瘤が認められ,全身のリンパ節,腎,膵,脾,前立腺,甲状腺,心に白色斑が見られた.組織学的に,腫瘤は肉芽腫性炎症からなっており,抗Candida albicans抗体陽性の真菌が認められた.
著者
桑村 充 吉田 寛司 山手 丈至 小谷 猛夫 大橋 文人 佐久間 貞重
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.619-621, 1998-05-25
被引用文献数
2 18

A 13-month-old female Newfoundland dog suffered from urinary bladder tumor. Histologically the tumor consisted of round or fusiform cells, occasionally having eosinophilic cytoplasms. Apparent mature rhabdomyoblasts possessing elongated eosinophilic cytoplasm and cross striations were infrequently observed. The tumor cells exhibited immuno-positive for anti-myoglobin, desmin and vimentin antibodies. Ultrastructurally, tumor cells have abundant myofibrils in their cytoplasm and Z bands were also detected. The present tumor was diagnosed as a urinary bladder rhabdomyosarcoma in a Newfoundland dog, which has not been frequently reported in dogs.
著者
宮本 忠 塚本 康浩 嶋田 照雅 大橋 文人 桑村 充 山手 丈至 小谷 猛夫
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日獣会誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.711-713, 1999

グレート・ピレニーズ, 雄, 6歳が1年間にわたる間欠的食欲不振, 体重減少, 多飲・多尿, 運動不耐, 間欠的軟便を主訴に来院した. 血液検査では貧血, 白血球増加症, 高窒素血症, 高K血症, 低Na血症がみられ, 内分泌検査から原発性副腎皮質機能低下症と診断された. ヒドロコルチゾン (1mg/kg/day) と通常維持量の4分の1量の酢酸フルドロコルチゾン (6μg/kg/day) の併用で良好に維持された. 172病日に左側前肢手根関節の滑膜肉腫と診断され, 外科手術と化学療法を受けたがその後も副腎皮質機能低下症は良好にコントロールされた.
著者
田中 誠悟 秋吉 秀保 中込 拓郎 青木 美香 白石 佳子 桑村 充 山手 丈至 大橋 文人
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.950-953, 2010-12-20

9歳齢の雌のポメラニアンが、約1年前からの発咳を主訴に近医を受診した.近医での加療中に状態の悪化を認めたため、精査・治療を希望し大阪府立大学獣医臨床センターに来院した.初診時、重度呼吸困難を呈し、興奮時のチアノーゼを認めた.呼吸音は後葉周辺部のみで聴診され、亢進が認められた.一般身体検査およびX線検査では肺気腫を疑った.CT検査では、胸腔内の大部分を占める嚢胞性病変と、一部に正常な肺の存在を確認したため、外科的切除を考慮し試験的開胸術を実施した.開胸下にて切除可能部位を切除後、残存した嚢胞に対して縫縮術を施した.切除組織は病理組織学的に気管支嚢胞と診断された.術後8日目には呼吸状態もやや改善し、歩行可能となるなど、良好に回復した.