著者
山本 ちか
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-9, 2012

本研究は,日本の中学生を対象として思春期的変化の時期と早熟や晩熟が中学生の心理的特徴,行動的特徴にどのような影響を与えるのかを検討することが目的である.本研究では,思春期的変化の指標として,男子は精通現象,女子は初潮をとりあげた.思春期的タイミングが他の中学生よりも早い中学生を早熟群,遅い中学生を晩熟群,多くの中学生が思春期的変化を経験する時期に変化が起こった中学生を中間群とし,群ごとに外見についての意識や行動,抑うつや自己評価,問題行動の程度が異なるかを検討した.その結果,思春期的変化は,男女とも外見への意識に変化を与え,男子の早熟は外的な問題行動と,抑うつなどの内的な問題行動の両方に影響を与え,女子の早熟は内的な問題行動に影響を与えている可能性が示唆された.
著者
山本 ちか
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.15-22, 2010-03-31

本研究の目的は,大学生の全体的自己価値の様相を検討することである.全体的自己価値については,男子の得点が高く,女子の方が自分自身を否定的に評価している.また1年生と比較して2,3年生の方が肯定的に評価している.具体的側面の自己評価も同様で女子の方が否定的に評価している.また全体的自己価値と具体的側面の自己評価,具体的側面の重要度の関連の仕方については,男女ともいずれの学年も「身体的外見の自己評価」と「知的能力の自己評価」が全体的自己価値に影響していた.その他については,学年別・性別に影響の仕方が異なっていた.
著者
西野 泰代 氏家 達夫 二宮 克美 五十嵐 敦 井上 裕光 山本 ちか
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.17-24, 2009 (Released:2012-02-14)
参考文献数
34
被引用文献数
9 5

This study investigated the trajectories and related factors of deviant behavior among students during their three years of junior high school. Data was analyzed from 344 students who completed a questionnaire survey every September. Nineteen categories of deviant behavior were examined, such as smoking, drinking alcohol, bullying, truancy, violence, and stealing. We determined behavioral trajectories from mild deviant behaviors to more serious ones. The data showed that more than half of the children who engaged in serious deviant behaviors in the third year followed a trajectory from mild deviant behaviors. The three factors of “deviant peers”, “attachment to parents” and “achievement” were related to the trajectory into more serious deviant behaviors.