- 著者
-
森内 幸美
山田 恭暉
朝長 万左男
- 出版者
- 一般社団法人 日本感染症学会
- 雑誌
- 感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.10, pp.1444-1448, 1992-10-20 (Released:2011-09-07)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
-
6
3
成人T細胞白血病 (ATL) 患者の易感染性を確認するために, 最近10年間に当科に入院したATL患者 (112例) と類縁疾患である非ポジキンリンパ腫 (NHL) 患者 (109例) について, 合併した感染症の検討を行った.感染症を合併した症例は, ATLの80.4%, NHLの46.8%に認められ, 有意差を認めた (p<0.001).Documentedinfectionを合併した症例は, ATLの62.5%, NHLの27.5%に認められ, 有意差を認めた (p<0.001).個々の感染症については, 肺炎 (p<0.05), 膿皮症 (p<0.05), 真菌感染症 (p<0.05), Pneumocystis carinii肺炎 (p<0.05), サイトメガロウイルス感染症 (p<0.05), 単純ヘルペスウイルス感染症 (p<0.01) が有意にATL群に高頻度に認められた.結核症, リステリア症, サルモネラ感染症もATL群にのみ認められた.死因については, 2群間に有意差を認めなかった.