著者
石黒 勝彦 山田 武士 上田 修功
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.3, pp.371-381, 2009-03-01

従来の複数対象トラッキング手法は,すべての追跡対象について一つのダイナミックスモデルを適用することが多い.しかし,シーン内に存在するすべての対象が常に同一のダイナミックスに従うとは考えにくい.この問題に対処するためには複数のダイナミックスパターンが必要となるが,シーンの解析前に適切な数のダイナミックスパターンをすべて人手で決定することは困難であり,自動的に学習できることが望ましい.複数のダイナミックスパターンを学習する問題は,時系列データを複数のパターンにクラスタリングし,各クラスタごとに適切なパラメータを推定する問題ととらえることができる.本論文では,複数の移動対象をトラッキングするとともに,同時にそれらをクラスタリングしてダイナミックスモデルを学習する確率的な生成モデルを提案する.人工データ,及び実動画データを用いた実験を通じて,提案モデルがトラッキングとダイナミックスのクラスタリングを同時に実現可能であること,またトラッキング自体の性能も向上することを示した.
著者
岩田 具治 田中 利幸 山田 武士 上田 修功
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.3, pp.361-370, 2009-03-01

分布が時間的に変化するデータが与えられたとき,最新データを高い精度で予測するためのモデルの学習法を提案する.提案法では,最新データに関する期待誤差を近似するように,時刻に応じてサンプルに重みを付ける.過去のサンプルも重みを付けて学習データとして用いることにより,頑健なモデル学習が期待できる.提案法では,時間発展をモデルに組み込む必要はないため,時間を考慮しない既存のモデルを,分布が変化するデータに容易に適用することができる.人工データ,及び,購買データを用いた実験により,提案法の有効性を示す.
著者
山田 武士 中野 良平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.597-604, 1996-04-15
被引用文献数
7

ジョブショップスケジューリング問題(JSSP)はNP-困難な組合せ最適化問題の中でも特に難しい問題のひとつとされている. 本論文では 確率的な局所探索法であるシミュレーテッドアニーリング(SA)法を用い これに確定的(deterministic)な局所探索法であるshifting bottkeneck(SB)法を組み合わせることによってJSSPの効率的な近似解法を提案する.現在のスケジュールに対して新たなスケジュールがクリティカルパス上の作業順序の入れ換えと Giffer and Thompsonのアクテイブスケジュール生成法を用いて生成され SAによって確率的に受理される. さらに 受理されなかったスケジュールに対して 本方法のために変更を加えたSB法が適用され スケジュールは修正される. 修正されたスケジュールは改善が見られた場合に限って受理される. 本方法をよく知られたいくつかのべンチマーク問題に適用した結果 解の品質において従来の近似解法を上回る結果を得ることができた.The Job-Shop Scheduling Problem (JSSP) is one of the most difficult NP-hard combinatorial optimization problems. This paper proposes a new method for solving JSSPs based on simulated annealing (SA), a stochastic local search, enhanced by shifting bottleneck (SB), a problem specific deterministic local search. In our method new schedules are generated by a variant of Giffler and Thompson's active scheduler with operation permutations on the critical path. SA selects a new schedule and probabilistically accepts or rejects it. The modified SB is applied to repair the rejected schedule; the new schedule is accepted if an improvement is made. Experimental results showed the proposed method found near optimal schedules for the difficult benchmark problems and outperformed other existing local search algorithms.
著者
山田 武士 斎藤 和己 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.729, pp.143-148, 2003-03-10
被引用文献数
2

ネットワークで表現されたデータを低次元ユークリッド空間へ埋め込む新たな方法を提案する.本手法では,望ましい配置と現在の配置との間のクロスエントロピーを最小にすることによって最適な配置を求める.あわせて,ノードの接続関係が埋め込みによって如何に忠実に再現されているかを定量的に評価する新たな評価尺度を提案する.実際のネットワークデータを用いた実験によって,本手法の有効性を検証した.