著者
竹内 孝 石黒 勝彦 木村 昭悟 澤田 宏
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.71-83, 2014-03-28

行列分解には,観測行列に含まれる零要素の割合が大きくなるにつれて低ランク近似の汎化性能が低下する問題がある.本稿では,この問題を解決するための統計的機械学習アプローチとして複合非負値行列因子分解(Non-negative Multiple Matrix Factorization: NM2F)を提案する.NM2F は,観測行列と2つの補助行列の間に共通の潜在構造を仮定し,これらの行列を同時に分解する.本稿では,NM2F を非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization: NMF)の一般化として定式化し,補助関数法により一般化KLダイバージェンスを用いた場合のパラメータ推定法を示す.さらにNM2F は,ブロック未定義領域ありNMFとポアソン分布を用いた確率的生成モデルと等価であることを示す.人工データと実データを用いた実験から,NM2F と既存手法の汎化性能を比較し,NM2F の定量的な優位性を示す.また,実データを用いた実験では,NM2F が複数の行列から多角的な基底を抽出する定性的な利点を示す.
著者
竹内 孝 石黒 勝彦 木村 昭悟 澤田 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 = IEICE technical report. IBISML, Information-based induction sciences and machine learning (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.279, pp.67-74, 2012-10-31
参考文献数
25

本稿では,非負値制約下における複数行列の同時分解法(Stacked Non-negative Matrix Factorization:sNMF)を提案する.sNMFは,行列同士の関係を利用して複数の非負値行列を同時に分解する手法であり,NMFを一般化したモデルとして定式化される.sNMFは,未定義領域有りNMFの特殊な例とも解釈できる.本稿では,データマイニングの分野で関心を集めている,ソーシャルメディアからの話題トピックと話題に関するユーザクラスタの同時抽出問題にsNMFを適用した.NMFと比較して,定量的にも定性的にもsNMFの利用によって解析精度の向上が確認された.
著者
竹内 孝 石黒 勝彦 木村 昭悟 澤田 宏
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.71-83, 2014-03-28

行列分解には,観測行列に含まれる零要素の割合が大きくなるにつれて低ランク近似の汎化性能が低下する問題がある.本稿では,この問題を解決するための統計的機械学習アプローチとして複合非負値行列因子分解(Non-negative Multiple Matrix Factorization: NM2F)を提案する.NM2F は,観測行列と2つの補助行列の間に共通の潜在構造を仮定し,これらの行列を同時に分解する.本稿では,NM2F を非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization: NMF)の一般化として定式化し,補助関数法により一般化KLダイバージェンスを用いた場合のパラメータ推定法を示す.さらにNM2F は,ブロック未定義領域ありNMFとポアソン分布を用いた確率的生成モデルと等価であることを示す.人工データと実データを用いた実験から,NM2F と既存手法の汎化性能を比較し,NM2F の定量的な優位性を示す.また,実データを用いた実験では,NM2F が複数の行列から多角的な基底を抽出する定性的な利点を示す.Analyzing highly sparse data often results in poor generalizing performances of matrix factorization. To compensate data sparseness, in this paper, we introduce a novel machine learning technique called Non-negative Multiple Matrix Factorization (NM2F). NM2F factorizes multiple matrices simultaneously under a non-negative constraint. We formulate NM2F as a generalization of Non-negative Matrix Factorization (NMF) with the generalized Kullback-Leibler divergence. We derive multiplicative update rules for parameter estimation. We evaluate NM2F and other existing techniques in both the quantitative and qualitative ways. NM2F shows better performance than other techniques on both synthetic and real-world data sets.
著者
中野 允裕 石黒 勝彦 木村 昭悟 山田 武士 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.286, pp.197-204, 2013-11-12

本稿では,関係データ解析への応用を目的として,無限サイズを持つ行列の長方形分割を行う確率過程について議論する.関係データ解析法の一つとして、与えられたデータを行列として表現し、その行列を少数の長方形クラスタに分割する手法が広く利用されている。長方形分割を表す確率的生成モデルとして従来Chinese restaurant processの積やMondrian processなどが用いられてきたが,これらは限られたクラスの長方形分割しか表現することが出来なかった.より一般に任意の長方形分割を生成しうる確率モデルとしてGilbert tessellationが知られているが,これは統計的な振る舞いの解析が困難であることが知られている.そこで本稿では,有限確率モデルの無限拡張によって長方形分割のための確率過程を構成する方法を提案する.はじめに,確率過程構成の常套手段であるKomogorovの拡張定理を用いた方法を示し,その問題点を明らかにした後,より洗練された構成法として有限のベイズ階層モデルに関する射影系をOrbanzの拡張定理によって無限拡張する方法を提案する.
著者
井尻 裕二 深田 淳 坂本 和彦 内田 雅大 石黒 勝彦 梅木 博之 大西 有三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2001, no.694, pp.179-194, 2001
被引用文献数
4

岩盤中の割れ目をモデル化する際に, 原位置で観察したスケールとモデル化するスケールが大きく異なる場合には, 割れ目特性のスケール依存性に注意する必要がある. わが国のトンネルやダムで観察された割れ目データを収集して, 割れ目トレース長のスケール効果について検討した結果, 割れ目トレース長の頻度分布は場所や岩種に関係なく負のべき乗分布にしたがうことが示された. また, 花崗岩を対象として割れ目ネットワークモデルの水理特性について検討した結果, 割れ目ネットワークモデルの水理特性は割れ目の大きさを表すべき乗分布のべき乗数に依存し, べき乗数が小さいほどモデル内に大きな割れ目が多くなりモデルの透水性は高くモデル内の地下水移行時間は短くなることが示された.
著者
竹内 孝 石黒 勝彦 木村 昭悟 澤田 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 = IEICE technical report. IBISML, Information-based induction sciences and machine learning (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.279, pp.67-74, 2012-10-31
参考文献数
25

本稿では,非負値制約下における複数行列の同時分解法(Stacked Non-negative Matrix Factorization:sNMF)を提案する.sNMFは,行列同士の関係を利用して複数の非負値行列を同時に分解する手法であり,NMFを一般化したモデルとして定式化される.sNMFは,未定義領域有りNMFの特殊な例とも解釈できる.本稿では,データマイニングの分野で関心を集めている,ソーシャルメディアからの話題トピックと話題に関するユーザクラスタの同時抽出問題にsNMFを適用した.NMFと比較して,定量的にも定性的にもsNMFの利用によって解析精度の向上が確認された.
著者
石黒 勝彦 山田 武士 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.371-381, 2009-03-01
参考文献数
14
被引用文献数
1

従来の複数対象トラッキング手法は,すべての追跡対象について一つのダイナミックスモデルを適用することが多い.しかし,シーン内に存在するすべての対象が常に同一のダイナミックスに従うとは考えにくい.この問題に対処するためには複数のダイナミックスパターンが必要となるが,シーンの解析前に適切な数のダイナミックスパターンをすべて人手で決定することは困難であり,自動的に学習できることが望ましい.複数のダイナミックスパターンを学習する問題は,時系列データを複数のパターンにクラスタリングし,各クラスタごとに適切なパラメータを推定する問題ととらえることができる.本論文では,複数の移動対象をトラッキングするとともに,同時にそれらをクラスタリングしてダイナミックスモデルを学習する確率的な生成モデルを提案する.人工データ,及び実動画データを用いた実験を通じて,提案モデルがトラッキングとダイナミックスのクラスタリングを同時に実現可能であること,またトラッキング自体の性能も向上することを示した.
著者
前川 卓也 柳沢 豊 岸野 泰恵 石黒 勝彦 亀井 剛次 櫻井 保志 岡留 剛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.57, pp.1-8, 2010-03-19
被引用文献数
1

本稿では,カメラ,マイク,加速度センサなどのセンサ搭載する手首装着型センサデバイスを用いて人の日常行動を認識する手法および,そのデバイスの設計について述べる.センサデバイスは,ユーザの手のひらの周辺の領域を撮影するように設置されたカメラを備えることを特徴とし,これにより,「コーヒーを作る」,「水やりをする」 などのモノを用いた行動の認識が可能となる.既存のウェアラブルセンサを用いた行動認識の研究では,加速度センサやマイクのみしか用いていなかったため,このような行動の認識は困難だった.また,提案デバイスはカメラやマイクを備えるため,ユーザのプライベートな生活を画像や音声として記録してしまうという,プライバシーの問題をもつため,本稿では,原画像や音声を必要としない行動認識手法を提案する.さらに,評価実験において,提案手法およびデバイスの有効性を確かめた.This paper describes a method that recognizes activities of daily living (ADLs) by employing a wrist worn sensor device with such various kinds of sensors as a camera, a microphone, and an accelerometer, and also describes the design of the wrist worn device. Specifically, the device captures a space around the user's hand by the camera to recognize ADLs that involve the manual use of objects such as making tea or coffee and watering plant. Existing wearable sensor devices equipped only with a microphone and an accelerometer cannot recognize these ADLs without object embedded sensors. We also propose an ADL recognition method that takes privacy issues into account because the camera and microphone can capture aspects of a user's private life. Furthermore, we experimentally confirmed the effect of our proposed device and method.
著者
石黒 勝彦 山田 武士 上田 修功
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.3, pp.371-381, 2009-03-01

従来の複数対象トラッキング手法は,すべての追跡対象について一つのダイナミックスモデルを適用することが多い.しかし,シーン内に存在するすべての対象が常に同一のダイナミックスに従うとは考えにくい.この問題に対処するためには複数のダイナミックスパターンが必要となるが,シーンの解析前に適切な数のダイナミックスパターンをすべて人手で決定することは困難であり,自動的に学習できることが望ましい.複数のダイナミックスパターンを学習する問題は,時系列データを複数のパターンにクラスタリングし,各クラスタごとに適切なパラメータを推定する問題ととらえることができる.本論文では,複数の移動対象をトラッキングするとともに,同時にそれらをクラスタリングしてダイナミックスモデルを学習する確率的な生成モデルを提案する.人工データ,及び実動画データを用いた実験を通じて,提案モデルがトラッキングとダイナミックスのクラスタリングを同時に実現可能であること,またトラッキング自体の性能も向上することを示した.