著者
山内 星子 松本 真理子 織田 万美子 松本 寿弥 杉岡 正典 鈴木 健一
出版者
日本学校心理学会
雑誌
学校心理学研究 (ISSN:13465732)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.47-54, 2020-12-31 (Released:2021-04-08)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本稿の目的は,大学で行われた新型コロナウイルス感染症流行下の学生支援実践を報告することである。2019年度卒業式の中止を皮切りに,大学のほぼすべての活動は制限され,2020年8月現在も登校禁止の状況が続く。筆者の所属する名古屋大学学生支援センターにおいて行われた支援を,不適応を呈した学生,その家族,関係教職員を対象とした三次支援,現時点では不適応を呈していないがその可能性の高い者を対象とした二次支援,全構成員を対象とした一次支援の3つのレベルに分けて報告する。
著者
矢吹 慶 原武 譲二 久岡 正典
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.387-395, 2019
被引用文献数
2

炭酸ランタンは,末期腎不全(ESRD)の透析患者に発症する高リン血症治療薬として広く使用されている.炭酸ランタンは,消化管内で食物中のリン酸と難溶性化合物を形成するため,消化管粘膜からはほとんど吸収されないとされていた.しかし,近年炭酸ランタン服用患者の胃十二指腸粘膜にランタンが沈着することが報告されている.ランタン沈着は,内視鏡的に様々な大きさや形の白色病変として認識できる.病理学的には,胃十二指腸粘膜内に異物肉芽腫と貪食された沈着物を多数認め,一部の所属リンパ節にも沈着が及ぶ.また,炭酸ランタンの内服量や内服期間が長いほど,胃十二指腸粘膜内のランタン沈着量は多いとされている.詳細なランタン沈着機序は不明な点があるが,胃内のpH,腸上皮化生などの様々な要因が関与すると推察される.本総説では,炭酸ランタン内服患者における胃十二指腸粘膜内のランタン蓄積症について臨床病理学的所見に焦点をあてて解説する.
著者
ガンヤラック チャイカンパ 松岡 正典 野間口 博子 高坂 健二
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本らい学会雑誌 (ISSN:03863980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.28-32, 1993

我々はヌードマウスを用いてらい菌の継代をしてきている。継代株の内の一つタイ53株かららい菌DNAを分離し, lambda-gtllファージを用いてゲノムDNAライブラリーを作製した。これは平均3kbのインサートを持つリコンビナントDNAが106個近くから成るライブラリーであり,らい菌の全DNAを充分にカバーできるものであると考えられる。事実,PCRによる検索でらい菌特異遺伝子の存在が確認された。
著者
松岡 正典
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.199-205, 1998-01-30 (Released:2008-02-26)
参考文献数
16
被引用文献数
5 3

南太平洋に位置するナウル共和国において、かって1930年代より始まった非常に激しいハンセン病の流行があったことが広く知られている。ナウル共和国と国境を接っし、以前はカロリン諸島と呼ばれたミクロネシ連邦では、当時ナウルからの人の移動に伴って生じたハンセン病の流行の影響により、今もって他には見られない高い有病率と多くの新患発生が報告されている。これに対し、WHOを中心とする新たなハンセン病対策が1996年より行われている。これらについて紹介をしたい。