著者
丸山 佳美 岡田 早苗
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.59-66, 2006-03-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

パネトーネはイタリア北部で伝統的につくられているサワードゥブレッドである。スターターは小麦粉と水を加えて継続的に植え継ぐことによって維持されており, このような伝統的サワードゥは他の地域での維持管理が難しいとされてきた。そこで日本において, 伝統的手法により維持されているスターターおよびパネトーネ発酵工程に関与している微生物の調査を行った。その結果, 全工程を通して酵母菌数106-107cfu/g, 乳酸菌数107-108cfu/gが維持されており, 優勢菌種として酵母Candidamilleriと乳酸菌Lactobacillus sanfranciscensisの生息が確認された。イタリアでの調査でもパネトーネサワードゥにおけるC. milleriとL. sanfranciscensisの優位性が確認されており, 日本においてもこの独自の微生物叢が発酵に関与していることが明らかとなった。またL乳酸を生成するL. sanfranciscensisの存在が明らかとなり, 異性体タイプの違いに乳酸脱水素酵素の関与が示唆された。
著者
岡田 早苗
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
乳酸菌研究集談会誌 (ISSN:21870438)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.41-47, 1991-09-09 (Released:2012-09-24)
参考文献数
11
著者
岡田早苗
雑誌
微生物
巻号頁・発行日
vol.4, pp.151-166, 1988
被引用文献数
2
著者
岡 大貴 入澤 友啓 野口 智弘 内野 昌孝 岡田 早苗 高野 克己
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.121-125, 2011-05-31

せんだんごは,対馬において伝統的な手法で,サツマイモから製造された澱粉である。せんだんごは'ろくべえ'という麺をはじめ,主食から間食まで幅広く加工利用されている。せんだんごは澱粉が約90%,繊維質が約6%を占め,SEMの結果,繊維質によって複数の澱粉粒が固まりとして存在していた。さらに,その繊維質はサツマイモ澱粉単独では形成できない生地のつなぎとなり,せんだんごより調製したろくべえは,冷麺やうどんとは異なるテクスチャーを示した。
著者
内村 泰 岡田 早苗 小崎 道雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.55-61, 1991-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
2 6

(1) ラギ中より分離された乳酸球菌としては, 四連球菌であるP.pentosaceus, 桿菌としてL.fermentum, L. plantarumの3菌種が分離された。(2) しかしこれらの菌の中でもP.pentosaceusが圧倒的な菌数を占めることから, この菌がラギ中の乳酸菌の主要菌であり, ラギを用いて酒の醸造を行う場合の主発酵菌であることが示唆された。(3) ラギから, 四連球菌であるP.pentosaceusが, 非常に高い頻度で分離されてくる原因として, 天然開放で製造されている餅麹中で当然その存在が予想された各種乳酸菌のうち, 増殖速度の違いにより生育の早い球菌が, 製造されたラギ中で先に増殖すること, また分離菌を用いて桿・球両菌を用いて比較してみると, 球菌は桿菌に較べ乾燥耐性が大であることなどから, ラギ製造過程において四連球菌が選択的に, 生き残ったのではないかと推察した。