著者
藤代 節 庄垣内 正弘 角道 正佳 岸田 文隆 菅原 睦 澤田 英夫 橋本 勝 岸田 泰浩
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究課題は、ユーラシアのアジア地域を中心に、広域にわたって生じた言語接触の研究を目指したものである。各メンバーが各々携わってきた地域にみられる言語の接触状況を把握し、当該地域における社会言語学的情報を考慮しつつ、言語地域のダイナミズムを提出することをまず第1段階とし、次に個別に研究してきた言語の関与する言語接触の様相がユーラシア各地に分布する他の地域のそれと比べてどのような類似点あるいは特異点をみせているかを考察した(第2段階)。さらに、言語接触研究において従来、提出されている諸現象及び接触前段階まででみられる諸現象がアジア地域の言語接触についても頻繁に見られるか、それら諸現象の出現を条件付ける要素は何であり、何処に起因するか、等に考察を及ぼした。その上で、言語接触のあり方を整理し、ユーラシア各地の言語地域について、各領域の言語から多角的に検討してきた。本研究課題に参加したメンバーが、研究目的にそって、研究に従事した三年間の実施期間にまとめた成果の一端をApproaches to Eurasian Linguistic Areasと題した論集にまとめ、Contribution to the Studies of Eurasian Languages seriesの第7巻として刊行した。それぞれにユーラシア言語地域に分布する言語接触の諸相を扱った論考をあつめ提出できた。なお、本研究課題の参加メンバーは、その成果をふまえ、「言語接触のその後」を探る研究と位置づけた研究課題『ユーラシアの言語接触と新言語の形成-新言語形成のメカニズム解明に向けて-』に新たに取り組む予定である。
著者
澤田 英夫 浜武 通子 原 明 中山 俊裕 出屋敷 喜宏 サワダ ヒデオ ハマタケ ミチコ ハラ アキラ ナカヤマ トシヒロ デヤシキ ヨシヒロ HIDEO SAWADA MICHIKO HAMATAKE AKIRA HARA TOSHIHIRO NAKAYAMA YOSHIHIRO DEYASHIKI
雑誌
岐阜藥科大學紀要 = The annual proceedings of Gifu College of Pharmacy
巻号頁・発行日
no.41, pp.30-36, 1992-06-30

ヒト胎盤およびブタ水晶体と筋肉から精製したアルドース還元酵素に及ぼす加水分解型および縮合型タンニンの阻害を比較した。ガロタンニンは他のタンニンより強くこれらの酵素を阻害し, このうち1,2,3,4,6-penta-O-galloyl-β-D-glucose(PGG)が最も低いIC_<50>値(60-70nM)を示した。PGGはアルコール脱水素酵素, アルデヒド還元酵素, カルボニル還元酵素に対して低度の阻害しか示さなかった。PGGによるアルドース還元酵素の阻害様式はカルボニル基質に対して混合型であったが, 活性化剤である硫酸イオン存在下では不拮抗型となった。
著者
澤田 英夫 岡野 賢二 藪 司郎 加藤 昌彦
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ビルマ語はチベット=ビルマ語派ビルマ語群に属する東南アジアの主要言語の一つで、12世紀にまで遡る大量の文字資料を持つ。本研究では、ビルマ語および隣接諸言語の碑文テキストを外注入力し、写真撮影調査で得られた碑文画像も参照しつつ電子コーパス化した。この碑文コーパスに基づき、ビルマ語の音韻・文法およびビルマ文字の体系の通時的研究を行った。また碑文コーパスとフィールド調査で得られた言語データに基づき、ビルマ語・ビルマ文字と周辺少数民族言語・文字の間の相互影響の研究、ならびに、ビルマ語群マル下位語群の祖語の再構に向けての研究を行った。現在、碑文コーパスのオンライン公開の準備に向けた作業を行っている。