著者
細田 暁 岸 利治
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.3-6, 2007-11-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
20

2007年4月にオランダで自己治癒材料に関する第1回国際会議が開催された。また, JCIには自己修復に関する研究委員会が2007年に発足し, RILEMでもSelf Healing Concreteの技術委員会が活動を始めている。これらの状況を踏まえ, 国内外のひび割れ自己治癒コンクリートの研究動向を紹介する。自己治癒・自己修復という言葉の定義に関して論じ, 国際会議で得た有用な情報, 国内外の委員会活動の状況, いくつかの最新の研究事例を説明する。
著者
岸 利治 前川 宏一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.526, pp.97-109, 1995-11-20
被引用文献数
19 28

コンクリート構造の耐久性照査において, 使用材料の特性値を一般化した形式で与えることは, 効率的な材料設計に不可欠である. 特に温度応力解析では, 任意の条件に対応可能なセメントの発熱モデルを与えることが求められる. 本研究は, セメント水和反応を構成鉱物ごとに記述し, ポルトランドセメントの種類による差を, 鉱物組成の違いとして表現した水和発熱モデルを提案するものである. 各鉱物反応の発熱速度は, 温度一定条件下の基準発熱速度と温度活性の2つの材料関数により表現され, 鉱物反応ごとに異なる温度依存性を反映して, 任意の温度履歴に対応したセメント総体としての発熱過程が定量化された. 構築した水和発熱モデルは, 断熱温度上昇値及び擬似断熱試験K体の温度計測結果によって検証した.
著者
半井 健一郎 蔵重 勲 岸 利治
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.3_3-3_6, 2011 (Released:2012-03-01)
参考文献数
6
被引用文献数
3 3

コンクリート構造物の耐久性能を直接的に確認することを目的とし,スイスでは,竣工時に非破壊の透気試験によって実構造物のかぶりコンクリートの品質(物質移動抵抗性)を検査するために必要となる指針を作成している。プロセス検査ではなく,最終的な製品の耐久性能を直接的に検査する本手法は,耐久性の確保や向上,技術開発につながるものと期待される新たな取組みである。本稿ではその概要を紹介する。
著者
岸 利治 岩城 一郎
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

デジタルマイクロピペットを用いてコンクリートの鉛直面に一定量の水を一定時間間隔で複数回流下させ,所定の回数だけ流下させた後に流水距離を測定するという極めて簡易なコンクリート表層品質の評価手法(繰り返し流水試験)の開発を行った。コンクリート鉛直面を流れる流水は蛇行や分岐をしがちであることから、適当な流水ガイドについて検討し、コンクリート表面に鉛筆で平行な二本の直線を約5mm間隔で罫書いたものが最も理想的な流水ガイドとなると結論付けた。測定者一人で簡便に測定ができるように更に治具を工夫することで、表層品質簡易測定方法として活用できると考えている。