著者
永島 里美 大江 和彦
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.205-216, 2020-04-20 (Released:2021-04-26)
参考文献数
17

医薬品には,目的別に様々なコード体系が存在し,医療機関ではその利用目的によって異なるコードを使用する必要があるため,一つのシステムの中で複数のコードを関連付けて管理する必要が生じている.その際,どのような場面でどのコードを使用するべきか,また各コードの関係について理解しておくことは,医療情報システムにおける医薬品情報の標準化を推進する上でも,また複数のコードを現場で効率的に管理しつづけていく上でも大変重要である. そこで,本論文では,主な医薬品コード体系と相互関係について現状を調査し,考察すると共に,複数の医薬品コードを効率的かつ効果的に管理し運用していくための医薬品コード関連マスターのあり方としてGS1バーコードを基準とした新しい対応マスター「GS1基準医薬品コード統合共通マスター」[G-DUSマスター(ジーダスマスター)]を提案し,その活用について解説する.
著者
笠島 里美 Kasashima Satomi
出版者
Wellness and Health Care Society
雑誌
Journal of wellness and health care = Journal of wellness and health care (ISSN:24333190)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.1-7, 2018-01-31

IgG4 関連疾患(IgG4-relared disease; IgG4-RD)は,血清の IgG4 高値,組織での多数の IgG4陽性の形質細胞浸潤と線維増生を特徴とする疾患群である . 発見から 10 年以上経過し,全身ほぼ全ての臓器に発生しうる事や免疫異常が病因に関わる事等など,病態の理解も進んできた. 腹部大動脈瘤の一亜型に,動脈壁肥厚や炎症細胞浸潤が特徴的な炎症性腹部大動脈瘤 がある.IgG4-RD が多中心性の繊維増殖性疾患の視点から, 我々は炎症性腹部大動脈瘤の約半数が IgG4-RD である事を解明し,臨床病理像をまとめてきた . その後,心血管領域での IgG4-RD の探索を進め,大血管のみならず中型血管,冠動脈,大腿動脈等の末梢血管にまで発生することや,その多くが炎症性動脈瘤或いは動脈周囲炎を呈することも解明し,現在では1gG4 関連血管病変の概念が確立してきた . 本稿では,頻度が高く,prototype となる IgG4 関連炎症性腹部大動脈瘤から説明し, 胸部大動脈,中型動脈,心病変などについても,疾患概念,診断,臨床像,病理像,治療等の概略を示す.
著者
舩津 保浩 哥 明葉 島 里美 田中 彰 寺井 格 眞船 直樹
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.162-169, 2016

本研究では,II型糖尿病予防効果のある食品開発を目指し,道産黒千石大豆の機能性成分に着目し,ACとIFの含有量や化学組成を調査し,機能性を十分に活用したおにぎりの加工方法を検討した.その結果,黒千石大豆は他の黒大豆と同様にACやIFを豊富に含有していた.煮豆加工時にACが煮汁へ溶出したが,炊飯時に煮汁を利用することで,ACを有効活用することができ,黒千石大豆の機能性を活かしたおにぎりの加工方法が開発できた.<BR>糖質50g相当量のおにぎり摂取試験での血糖値とGI,昼食相当量のおにぎり摂取後の血糖値とインスリン値は,いずれも対照おにぎりと比較して黒千石大豆おにぎりで低値を示し,特に昼食相当量摂取試験では食後120分において有意に低値であった.したがって黒千石大豆おにぎりはタンパク質,脂質,食物繊維,ACおよびIFなどの単一,あるいは複合的作用により食後の血糖値の上昇を抑制し,その結果インスリンの過剰な分泌が不必要となり食後のインスリン値の上昇が抑制されたと考えられた.嗜好性試験では,対照おにぎりと比較して黒千石大豆おにぎりで調査した全ての項目で優れない結果となったが,今後,黒千石大豆の軟化や調理形態の工夫により嗜好性を高めることが考えられ,II型糖尿病予防食としての有用性が期待された.
著者
三石 聖子 宮島 里美 白上 むつみ 中村 香子 金本 直子 石田 香栄子 中村 恵子 佐々木 隆一郎
出版者
信州公衆衛生学会
雑誌
信州公衆衛生雑誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.40-41, 2008-08

平成18年度、小学校から大規模な嘔吐・下痢症発生の連絡を受けた。健康づくり支援課では食品・生活衛生課と協力して積極的疫学調査を行った。結果として、原因としては食中毒の可能性は極めて低く、ノロウイルス感染症であることが疑われた。今回の経験から、感染症、食中毒の両面からの積極的疫学調査を、適切かつ目的を明確にして行うことの重要性を痛感したので報告する。