著者
三浦 信冶 大西 重行 渡辺 創 嵩 忠雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.97, no.252, pp.75-85, 1997-09-12
被引用文献数
2

コンピュータネットワークを通じて入手できるディジタルデータの中には有料のものなど, データのコピーが制限されているものが存在する. しかしユーザに配布されたディジタルデータは容易にコピーすることが可能である. 現在, 不正コピーの対策として電子透かしの技術を利用した様々な手法が提案されている. ただしそれらの手法ではサーバの不正行為により無実のユーザに罪を着せることが可能である. 解決案として配布時にサーバだけでなくユーザも電子透かし法に参加することでサーバの不正防止を考えた手法が提案されたが, 不正者を特定できない場合が存在するという欠点を持っていた. 本論文ではサーバの役割を分散させることでこの問題を解決し, 最小限の通信量でサーバやユーザの不正行為を特定可能な手法を提案する.
著者
揖 勇一 嵩 忠雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.95, no.423, pp.21-28, 1995-12-15

磁気カードやフロッピーデイスク等の単純な記憶媒体を利用して,ネットワーク的にも安全で,かつユーザの過失に対しても耐性のある個人認証法を提案する。本方式の特徴は,ユーザのパスワードを2つに分割し,片方を磁気カードに,もう片方をユーザに記憶させる点にある。秘密分散共有の技法を利用することによって,正当なユーザと正当なカードの両方が揃ったときにかぎり元のパスワードが再構成できるよう分割を行うため,たとえカードの中身が解読されたとしても認証法全体の安全性には影響しない。本方式の定義を与え,いくつかの応用例を述べる。
著者
中西 透 渡辺 創 藤原 融 嵩 忠雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.94, no.56, pp.19-26, 1994-05-20
被引用文献数
1

入札プロトコルでは,応札者とその応札価格の対応関係が他人に知られないという意味で,匿名性をもつことが望ましい.しかし,これまでに提案された匿名入札プロトコルでは,結託により匿名性が破られたり,落札価格が決定したときにその価格で応札した者が名乗りでない場合,落札者を発見できなくなり公平さが損なわれるなどの問題点がある.本稿では,このような問題を解消した否認不可電子匿名入札プロトコルを提案する.否認不可署名方式の一つについて,署名だけでは誰が署名したか他人に解らないという性質があることを示し,それをもとに入札プロトコルを構成する.
著者
加藤有己 関 浩之 嵩 忠雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.99, pp.33-40, 2006-09-15

シュードノットを含むRNA の2次構造をモデル化する形式文法がいくつか提案されている.本論文では,文脈自由文法の自然な拡張でありシュードノットを表現できる多重文脈自由文法(MCFG)に着目し,確率MCFG(SMCFG)と呼ばれる確率モデルに拡張する.次に,多項式時間で確率最大の導出木を求める構文解析アルゴリズム及びEM アルゴリズムに基づく確率パラメータ推定アルゴリズムを与える.さらに,SMCFG の構文解析アルゴリズムを用いたRNA シュードノット構造予測に関する実験結果を示す.Several formal grammars have been proposed for modeling RNA secondary structure including pseudoknots. In this paper, we focus on multiple context-free grammars (MCFGs), which are natural extension of context-free grammars and can represent pseudoknots, and extend MCFGs to a probabilistic model called stochastic MCFG (SMCFG). We present a polynomial time parsing algorithm for finding the most probable derivation tree and a probability parameter estimation algorithm based on the EM algorithm. Furthermore, we show some experimental results on RNA pseudoknot prediction using the SMCFG parsing algorithm.