著者
嶋村 正樹 竹下 俊治
出版者
日本蘚苔類学会
雑誌
蘚苔類研究 (ISSN:13430254)
巻号頁・発行日
vol.9, no.9, pp.300-301, 2008-11
著者
出口 博則 山口 富美夫 坪田 博美 嶋村 正樹 榊原 恵子 倉林 敦
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

7種のセン類,2種のタイ類,1種のツノゴケ類を含む,10種類のコケ植物について,葉緑体ゲノムの全塩基配列を新たに決定した.これまで,セン類は,タイ類やツノゴケ類と比べ,葉緑体ゲノムの構造が大きく異なっていると考えられていたが,セン類の系統基部に位置する分類群では,タイ類やツノゴケ類と非常によく似た葉緑体ゲノム構造をもつことが分かった.進化を通じておきたいくつかの遺伝子の欠失イベントは,セン類の主要分類群の分岐順序を考える上で有効な系統マーカーとなることが示唆された。高等植物の葉緑体で知られる,線状ゲノム分子,多量体ゲノム分子がコケ植物にも存在することを初めて明らかにした.
著者
鄭 天雄 嶋村 正樹
出版者
The Bryological Society of Japan
雑誌
蘚苔類研究 (ISSN:13430254)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-5, 2019 (Released:2019-12-17)

東アジア固有種であるヒトデゼニゴケMarchantia pinnata Steph. の無性芽の形態について報告する. ヒトデゼニゴケの無性芽は,ひょうたん型の外形を持ち,長さと幅の最大値はそれぞれ350 μm,250 μm 程度,二つのノッチには粘液毛がない.また,無性芽の縁の細胞は円錐状のマミラを持ち,パピラが散 在する.これらの形態は,ほぼ円形でより大きな外形を持ち,縁が全縁,ノッチに粘液毛を有するゼニ ゴケの無性芽とは明らかに異なる.ゼニゴケ属における無性芽の形態の多様性は,種を識別するための 有用な形質として扱えるかもしれない.
著者
片桐 知之 坂本 雄司 井上 侑哉 嶋村 正樹
出版者
日本蘚苔類学会
雑誌
蘚苔類研究 (ISSN:13430254)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.120-122, 2015 (Released:2018-07-03)

Marchantia polymorpha L. subsp. polymorpha (=M. polymorpha var. aquatica Nees) has been found in Ozegahara Moor (Niigata Prefecture, Central Honshu). It is the first Japanese collection since the early 1950s. During a field survey in Ozegahara Moor we found it in a wetland (36°56'43"N, 139°14'34"E, 1400 m elev.) located to the east of Toudengoya Hut. This place has heavy snowfall in all months except for July to October and is dominated by Phragmites australis (Cav.) Trin. ex Steud., where M. polymorpha subsp. polymorpha shows turf-forming habit with erect thalli and mat-forming habit with prostrate thalli. Although several plants with prostrate thalli occasionally bear gemma cups and become broader (to 10 mm) with wider branching angles (40-45°) than typical plants with erect thalli, the presence of black midline of thallus and the entire to crenulate ventral scale appendages are stable among populations.
著者
嶋村 正樹 西山 智明 榊原 恵子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

コケ植物の系統基部に位置するナンジャモンジャゴケとコマチゴケを用いて陸上植物の初期進化を明らかにするための研究基盤整備を進めた。ナンジャモンジャゴケの葉緑体全ゲノム配列情報を公開した。ナンジャモンジャゴケの粘液毛内部のハルティヒネット様構造から単離された菌類は,ツツジ科植物から単離された子嚢菌と近縁であることが示された。これまでのところコマチゴケのゲノムサイズは約3.5Gbと推定している。多くの発生,形態形成関連遺伝子について,タイ類のモデル植物であるゼニゴケゲノムと同様,遺伝子重複が少ないことが明らかになった。