著者
黒木 開 川上 孝介 岩井 大志 石塚 湖太 中田 和秀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.2D3OS7a02, 2021 (Released:2021-06-14)

リスティング広告における広告文の品質向上は、消費者をランディングページ(LP)へ誘導し、購買へと繋げるために大変重要である。 品質向上手法には一般的に知られた手法がいくつかあり、例えば検索キーワードを広告文内に含めることで、クリック率など各種指標が改善することが知られている。そこで本論文ではより優れた広告文を生成するために、特定のキーワードを高確率で含む文生成手法を提案する。ベースとなる自然言語処理モデルには事前学習済みBERTをEnc-Dec構造にしたBERT2BERTを採用し、学習データはgoogle広告において配信されていた約69万件の広告データを用いた。また、生成時に「ドア」と「扉」といった類語の生成を防止するため、キーワードをマスクした形で学習を行なった。加えて文生成時にはキーワードを優先出力する手法を検討した。実際に配信された広告データを用いてその精度を評価した結果、提案手法は最大約80%の確率で広告文内にキーワードを挿入できることを確認し、既存モデル(BERT2BERTを学習データでfine-tuningしたのみのモデル)の挿入率を有意に上回ることができた。
著者
小野 健一 藤原 大輔 川上 孝行 金山 祐里
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.210-216, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
18

認知症の人とその家族介護者への支援は,両者の在宅生活を維持するために重要である.今回,訪問作業療法場面で,認知症高齢者と家族介護者2組に対し,共作業支援尺度を用いた共作業支援プログラムを実施した.共作業支援尺度から提案された改善したい共作業への作業療法介入を行った結果,認知症高齢者のBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia(以下,BPSD)の重症度と,家族介護者のBPSDから生じる介護負担感,共作業継続意志得点の改善が,2組共に見られた.両者の行う共作業への介入により,家族介護者の共作業の遂行能力が改善し,結果として両者にとって,より満足のいく在宅生活につなげられる可能性が示唆された.
著者
大石 康正 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 中島 健二 川上 孝志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.409-410, 1994-03-07
被引用文献数
3

当研究室では筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)患者のために意思伝達補助装置(Communication Aid)について研究してきた。ALSは全身の筋肉が次々と麻痺していく進行性の疾患で、原因不明で治療法も未だ確立されていない難病である。この病気に侵された人は、最悪の場合、全身が殆ど動かせなくなる。そこで、患者の意志を他人に伝えることのできる装置が望まれてきた。現在、このコミュニケーションエイドの入力として脳波を用いることについて検討中である。本報告では、事象関連電位とその利用法について述べる。
著者
川上 孝志 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 古城 明宏 中島 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.2458-2467, 1997-12-15
被引用文献数
3 2

筋萎縮側索硬化症(ALS)は身体の動きが徐々に阻害されていく難病である.この患者の意志伝達を補助する手段として,提示された視覚情報に対して誘発される脳電位波形(EEG)を利用する方法を提案する.本報告では,提示した刺激に応答して誘発される事象関連脳電位(ERP)の中から,目標とした刺激に対して検出されるP300成分をとらえる手法として,ハール・ウェーブレット変換の基底関数を用いたフィルタ処理を利用する.具体的には,提示された複数の項目から特定の対象を選択する実験において,このフイルタ処理とアベレージング手法を併用し,高い確率で目標とした項目を判定できることを示す.そして,ALS患者に対する意志伝達補助装置(CA)の入力手段としてERPを利用するための方法について検討を行ったので報告する.In this paper we describe the possibility of understanding ALS patient's requests by any neuro-physiological manners.The patient has no physical capability for speaking,though maintaining intellectual activities.In this proposal,communicaion with a testee is undertaken in a visual stimulus which is displayed on the CRT screen.For example,Event Releted brain Potentials(ERP)Appears within his Electroencephalogram(EEG)posterior to the stimulus as the result of intellectual evaluation of proposed visual stimuli.This means that we are able to affirm his answer to our question by detecting P300 component within ERP.For its well detection,ERP is filtered based on the Haar-Wavelet transform and applied averaging method for some wave-forms.Then,we could obtain a good result for some experiments which chose the word phrase by using these methods.This system will be of much practical use for the communication with ALS patients.
著者
大石 康正 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 中島 健二 川上 孝志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.341-342, 1994-09-20

筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis),頚椎損傷,脳内出血などの患者は,自らの意志を周囲の健常者に伝えることが困難である.このような人の意志伝達を補助する装置(CA:Communication Aid)の研究開発が,切望されている.とりわけALSは全身の筋肉が次々と麻痺し,遂には死に至る進行性の疾患で,脳機能は正常であるが,末期には全身の筋肉がほとんど動かせなくなる.そこで,患者の意志を他人に伝えることを補助する装置が望まれてきた.現在,このコミュニケーションエイドの入力として事象関連電位を用いるための実験を進めている.本報告では,視覚刺激を与えたときに現れる事象関連電位をコミュニケーションエイドの入力とする方法について述べる.