著者
福士 雅也 川上 秀史 外丸 祐介 坂口 剛正
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ALSは、運動ニューロン(運動の指令を大脳から筋肉まで伝える神経)が選択的に変性・脱落し、その結果、筋肉が動かなくなり、2~5年で呼吸筋麻痺により死亡する。現在、日本では約1万人の患者がいるものの、有効な治療法は確立されていない。我々は、これまでにオプチニューリンがALSの原因遺伝子であることを突き止めた(Nature, 2010)。家族性ALS患者ではオプチニューリンが機能欠失していることから、本研究では、オプチニューリン・ノックアウトマウスや、そのマウス細胞にウイルス感染を行った。その結果、オプチニューリン欠損では、野生型コントロールよりもIFNb産生量が増加することが判った。
著者
佐藤 健一 冨田 哲治 大谷 敬子 佐藤 裕哉 原 憲行 丸山 博文 川上 秀史 田代 聡 星 正治 大瀧 慈
出版者
長崎大学
雑誌
長崎医学会雑誌 (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.186-190, 2012-09

平成20年度に広島県・市が主体となり黒い雨を含む原爆被爆体験による心身への健康影響や黒い雨の体験状況に関するアンケート調査が行われ,平成22年に「原子爆弾被爆地域の拡大に関する要望書」が厚生労働省に提出された.しかしながら,「黒い雨」そのものを危険因子として死亡危険度を評価した疫学的研究は未だない状況である. 一方で,黒い雨を含む放射性降下物などによる間接被爆あるいは内部被爆の影響を評価する試みとして,被爆時所在地の位置情報を用いた死亡危険度の評価が考えられる.
著者
鎌田 七男 川上 秀史 島本 武嗣
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.245-249, 2006-09
被引用文献数
1

原爆投下後,直接被爆者の中では早期より小児白血病が,次いで成人白血病が増加し,1953年をピークにして以後白血病の発生減少がみられたことは良く知られている。一方,家族を捜しに市内2Km以内に入った,いわゆる入市被爆者での白血病発生については渡辺・広瀬らの報告が1960年前後に出されているが,入市人口の不確かさなどで,必ずしも研究者間に受け入れられるものとはなっていなかった。広島大学原爆放射線医科学研究所臨床部門(内科)では1962年より被爆者を含む白血病の診断・治療研究を行ってきた。とくに被爆者白血病の臨床的ならびに細胞遺伝学的特徴把握を主眼に研究がなされてきた。入市被爆者における白血病に関しての研究も並行して行われており,かつ入市人口把握の問題点も解決できたので,入市被爆者白血病の1970-1990年までの罹患頻度,病型,染色体所見の特徴について報告し,残留放射線による被曝推定線量について考察する。