- 著者
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川又 啓子
和田 充夫
澁谷 覚
小野 譲司
- 出版者
- 京都産業大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2004
産業としては脇役的な存在であったマンガ、アニメ、映画、ゲーム、音楽などのいわゆる「コンテンツ」に、次代を担う産業としての注目が集まっている。経済産業省が2004年5月にとりまとめた「新産業創造戦略」の報告書の中では、「先端的な新産業4分野」の一つとして「コンテンツ産業」が取り上げられているものの、実際には、1990年代後半以降下降線をたどっているものも多い。このような現状を踏まえて、コンテンツ産業の競争優位の源泉とは何かと考えてみると、最終的にはコンテンツを創造する力にあるのではないだろうか。創造力の中でも、特に初期段階のコンセプトやストーリーの創造が重要であるといわれており、コンテンツ産業の競争優位の源泉はストーリーを産み出す力にあるともいえるのである。このような問題意識の下に、本研究では、コンテンツの創造プロセスに関する研究を行った。まず平成16年度にはコンテンツの供給側(劇団四季)に関する事例研究を実施し、地域におけるコンテンツ供給のプロセスを分析した。並行して需要側の研究として、音楽のヘビーユーザーである大学生(慶應義塾大学、新潟大学、京都産業大学)を対象とした音楽消費に関するアンケート調査を実施した。続く平成17年度には、コンテンツの創造プロセスの中でも、初期のアイデア創出段階におけるクリエーター(少女マンガ家)の認知戦略に焦点を当て、創造的認知の「ジェネプロアモデル(Geneplore model)」の枠組みを用いて分析を行った。分析対象としては、ストーリー展開に優れているといわれ、映画やドラマなどの原作として利用されるマンガを取り上げた。