著者
国枝 悦夫 斉藤 秀敏 川口 修
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本補助金により、M.Cristyらの楕円による人体数式ファントム(成人男性胸部を単純化し、肺内中央部に直径2.0cmの球体を孤立性肺癌(GTV)として挿入したモデル)に基づいて、胸部の人体構造を模したファントムを作成した。X線をコリメータにより直径3cm程度に絞り、細ビームとし、このファントムに照射するというEGS4モンテカルロコードを使用した解析をおこなったところ比較的低いエネルギーの場合、ビーム軸に垂直方向、水平方向とも平坦性がよかった。一方、不均一部分の影響から、これまでの放射線治療で使われている、高エネルギーX線では、腫瘍と肺組織の境界面でなだらかな勾配が生じ、標的体積内での均一性が損なわれる傾向にあった。標的体積の中心点の線量で正規化した場合、エネルギーが小さいほどGTV内の均一性は高く、平均線量は100%に近くなる。さらに、CTV内の肺組織(sub-clinicalな浸潤)に対しても均等な照射が可能である。14年度は既存のヘリカル式高速CT撮影装置を改良した。実際に企業との共同研究で設置した実験用CT装置で、X線をコリメータにより細ビームとし照射が可能となった。実測で、線量計および測定用フィルムで基礎データを取得した。また、呼吸移動を模擬するため、前年度に作成した人体型ファントムを3軸方向に周期的に移動させる装置を作成し通常の呼吸状態での照射した場合のデータも取得した。前年の線量分布、コンピュータ・シミュレーションのデータを総合的に解析し、さらに実際の治療条件に近い形で基礎データ測定と、動物実験などを進めた。なお、コンピュータ・シミュレーションと線量計算に関しては、当初の計画の予定外ではあるが、さらに進んで将来の研究計画に必要な、ネットワークを介したスパーコンピュータ利用を計画し、基礎的な検討をおこなった。これらの成果の一部はすでに発表し、論文としており、さらに投稿中である。
著者
東谷 福太郎 川口 修 御堂岡 あにせ 岩本 有司 松本 拓也 長尾 則男 馬渕 良太 谷本 昌太
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.506-508, 2019-09-15 (Released:2019-09-28)
参考文献数
14
被引用文献数
1

飼育水の塩分が死後硬直へ及ぼす影響を明らかにするため,致死直後から完全硬直に至るまで硬直指数および尾部の垂下角度を算出し,これらの経時変化をモデル化し,海水即殺区,希釈海水即殺区,海水苦悶区で比較した。希釈海水即殺区は海水即殺区と比較して,完全硬直に至るまでの時間に差はなく,海水苦悶区のみ有意に短かった。また希釈海水即殺区は海水即殺区と比較して致死直後の垂下角度が有意に小さかった。飼育水の塩分は死後硬直の進行速度に影響を及ぼさないが,致死直後の垂下角度を有意に低下させることが明らかとなった。
著者
陸田 秀実 村上 一樹 土井 康明 山本 民次 川口 修
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_364-I_369, 2011 (Released:2011-12-08)
参考文献数
5
被引用文献数
3

To evaluate impacts of oyster raft placement on tidal current and seawater exchange in Etajima Bay, northern part of Hiroshima Bay, we have developed a coastal circulation model incorporating the drag force of the oyster raft in Etajima Bay. We found that the number of oyster rafts in summer season is twice as large as that in winter season. In Etajima Bay, the seawater exchange is relatively large in the northwest part, whereas the term of the seawater exchange is about one year in the southern part. Moreover, we computed some scenarios which the oyster rafts are reduced at each zone, and then it could be desirable to reduce 40% of the total number of oyster rafts in order to make a plane for reducing organic matter load from the oyster culture.
著者
川口 修 平田 靖 若野 真 山本 民次 陸田 秀実
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.1043-1050, 2011 (Released:2011-12-16)
参考文献数
13
被引用文献数
2 6

江田島湾を対象に,カキ養殖モデルを構築し,カキ筏から負荷される有機物量を「ヨクセイ」,「イキス」および「ノコシ」と呼ばれる養殖実施形態別に見積もった。これにより,カキ養殖によって海底に負荷される有機物総量は年間 13.5 kg P eta−1 d−1 であり,筏台数の多い「ヨクセイ」によるものが大きいことが明らかとなった。一方,筏単位では,「ノコシ」の負荷量が「ヨクセイ」の 1.5 倍と大きかった。また,「ノコシ」は負荷量/生産量比が最も大きいことから,環境に対する負荷が大きい養殖実施形態であると結論された。
著者
吉田 邦久 川口 修
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
日本鉱業会誌 (ISSN:03694194)
巻号頁・発行日
vol.73, no.832, pp.785-787, 1957-10-25 (Released:2011-07-13)

The deposits of this mine lie in or along the faults as replacement and impregnation. So, generally speaking, it is very difficult to distinguish the boundaries between ore bodies and country rocks. Moreover, the both sides of ore bodies are very brittle due to shearing stress and alteration of rock. Therefore, timbering and filling with waste rock are necessary in stoping. Until recently the over land flatback filled stoping had been used, but the slushers has been adopted in filled stopes, since June 1956, to raise the efficiency of stoping. The results of slushers in filled stopes have been a great success.